「障害を乗り越えていくいい話っぽく見えるけれど・・・」マーウェン Teiranさんの映画レビュー(感想・評価)
障害を乗り越えていくいい話っぽく見えるけれど・・・
実話がベースという、この映画を観て
最初から最後までずっと思っていた事
この密度の高いフィギュアのジオラマの
「世界」構築には
かなりの大金が必要だと思った
人形、車、ドールハウス、ミニチュアの
調度品や小物の数々・・・
その金は一体どこから出ていたのだろう?
マニアックな世界の写真家って、
そんなに儲かるとは思えない
恐らく本物だと思う、
映画のラストの写真展の写真のサイズが大きく
フィギュアたちや世界観に
存在感があるのには驚いたけれど
*****
それにしても、ヘイトクライムによる
心の傷や記憶喪失、
「女ものの靴、ハイヒール」に対するマークの
異常なまでの拘り(女装趣味でも
靴フェチでもないらしい)があってこその、
この世界・・・と思うと
複雑な心境になる
皮肉な事だけど
イラストレーターとしては、ここまで
成功出来なかったのではないだろうか
随所に投入されるマークの現実逃避による妄想
(第二次世界大戦を舞台にしたジオラマを映像化)、
リアルな造形のフィギュアたちの人形くさい動きを
主にCGで表現したのは効果的で、本編の話より面白かった
「男目線」で描かれる女の人形たち(バービー人形)の
個性的なビジュアルと色っぽさが印象的
「女性の本質を知りたい」と何度も言っていたマークは
ニコルに振られたことで、ある意味目覚めたのかな
そう思えば納得いくラスト
しかし、
障害を乗り越えていくいい話っぽく見えるけれど
映画全体に
障害者を見世物のように扱っている感があって
手放しで面白かった、感動したとは言い難い
面白いと感じる部分もあるけれど
なんだかもやもや感が残る作品でした
追記:
マークを惑わしていたデジャー・ソリスの名は
バローズのSF小説「火星シリーズ」から
取ったのかな?懐かしかった
監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
の監督だったのですね
唐突な感じだった「タイムマシン作って
未来へ逃亡」って、これのパロディーかぁ・・・