「それで、いつ本当のことを言うんだい?」パリ、嘘つきな恋 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
それで、いつ本当のことを言うんだい?
秘書のマリーが「あなたは幸せね。つらい体験をしているから。」とフロランスに言う。嫌味か?と思ったら、「人生を前向きに生きていて、感謝をしている」と続けた。軽薄なジョスランよりも、相手の本質をしっかり見てあげているじゃないか。そこが、ジョスランの足りなかったところで、フロランスと出会ってはじめて知ったところなんだろうなあ。
あれだけ自信満々でイケイケだったジョスランが、恋を知り、嘘に後ろめたさを感じていくに従い、弱さを見せだし、罪の意識さえ芽生えだす。対して、フロランスの変わらなさ。ブティックでフロランスが妹ジュリーに言う一言には感動さえおぼえた。
フロランスにとって、元カレ消防士のついた嘘は許せなかったけど、ジョスランのついてる嘘は、自分のことを好きでいたいからついてる嘘なのがわかっているから、恋を楽しめたんだろうなあ。
まあそうなるだろうなあという結末だけど、ジョスランが人の内面に惹かれる心を得られて、とても素敵な恋の物語だった。
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