「優しさ」パリ、嘘つきな恋 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
優しさ
クリックして本文を読む
何でも手に入れた主人公ジョスランが、それまで気にも止めてなかった人達の存在に気がつき、彼らの存在によって自分自身が変化していく。「最強のふたり」は障害者が主人公だったので社会的マイノリティの描き方に当事者性がありました。今作は健常者が障害者を演じることにより当事者性を少しずつ身につけていくので、健常者の自分だったらどうするだろうと自分自身に重ねて鑑賞することができました。
この作品の素晴らしいところは、フロランスにジョスランが合わせていくところです。勝ち組がマイノリティに合わせていくところです。学歴も経歴も華やかな勝ち組男性が雰囲気的にも自分に合わせろと言わないところです。世の中は強くてお金のある男性に合わせなくてはいけない雰囲気があります。マイノリティを相手にもしない雰囲気があります。でもそうではない作品の描写が優しくて凄く嬉しかったし、時代が変化しつつあることを感じました。
コメントする
きりんさんのコメント
2020年7月5日
パラリンピックを前に、いろいろ自分のこととして考えさせてくれる映画でした。
テニスの試合の後のフロランスの仲間たちとのやり取りは最高です。
僕も突然失明した人に、初対面なのに(!)「目が見えないとどんな風に見えているのか」って根掘り葉掘り訊いたことあるもので(笑)
出演者の二人、
動機やきっかけがどうであれ、人と人が接近して友だちになってゆく光景は、それより美しいものはこの世にはないかもしれません。