劇場公開日 2020年1月31日

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「この映画は一見荒唐無稽な感じはするけど、未来のAI社会を予想していてテーマ的に深いものがあると思う。」AI崩壊 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この映画は一見荒唐無稽な感じはするけど、未来のAI社会を予想していてテーマ的に深いものがあると思う。

2021年2月21日
PCから投稿

入江悠監督が好きなので見た。

オリジナル脚本らしいけど、入江監督のオリジナル脚本映画を劇場で見るのは『サイタマノラッパー3』以来かもしれない。

いつも思うけれど、入江監督は何がやりたいのかよくわからない。

オリジナル脚本ということは本当にやりたいのはこういうサスペンスアクション映画なのか?とも思うけれど、なんとなくヒット狙いで置きにいっているようにも見える。

ヒット狙って打てるんだからすごいバッターなのは間違いないのだけれど、これではホームランは打てないような気がする。

入江監督は『サイタマノラッパー』を見てからのファンで、テレビドラマも映画もちょっとした短編も見たりしているけど未だによくわからない。

だいたいこういうサスペンスアクションか、昔からやっているヒットしそうもないダメ男映画かどっちかで、こういう映画でいくのかなと思うと『ギャングース』みたいなダメ男映画を撮ったりする。

個人的にはどちらも好きだけど、どちらかといえばダメ男映画の方が好き。

できれば笑を入れて『サイタマノラッパー』みたいなダメ男映画か、テレビドラマでやってた『クローバー』みたいなダメ男アクション映画みたいなのを作ってほしいなと思っている。

この映画に出演している賀来賢人さんも、いまではすっかり福田組みたいになっているけど、初めて見たのはその『クローバー』だった。

また戻ってきたと思ったけど、作風も役も全然違っていてちぐはぐな感じは否めない。

AIはEテレの『AI入門』は見ていたけれど全くわかっていない。

『AI入門』で解説していた東大の松尾先生がチラッと出ていたので小ネタ的に面白かった。

『AI入門』見ながらいつも思っていたのはAIって安全なの?ということだった。

自律性が高まれば高まるほどどういうふうに動くかわからなくなって、ブラックボックスでチェックできないから安全かというとそうともいえない。

この映画では無駄な人間を殺してしまうプログラムを入れた犯人がいたけれど、そういうことでなくても、もしAIが故障でなく自動で変なことをやり始めたら、いったい誰が修正して誰が責任とるのかよくわからない。

それにここまで文明が発展してきたのは、たぶん人間の最も人間らしい部分である無駄や失敗の膨大な積み重ねのおかげだと思うんだけど、AI時代になってしまったら効率はよくなると思うけど、そういうのがなくなってこれ以上文明が発展しなくなると思う。

そうなってくるともう人間いらないよみたいになっていって、効率の悪い無駄な人間は殺してしまえみたいになるかもしれない。

だいたい効率を追求していったら、死ぬのが最も効率がいい。

何もする必要がないし、何も資源使わないので、これ以上効率がいいことはない。

そこで『ターミネーター』までいってしまうと本当に荒唐無稽な感じはするけど、この映画ではそこそこリアルに未来のAI社会を予想していてテーマ的に深いものがあると思う。

Push6700