天気の子のレビュー・感想・評価
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新海の崇拝者ならともかく
ここ数年見た中で最低最悪のアニメだった。
君の名はストーリー・映像ともすばらしかったが、今回の新海作品は
その名声にふんぞり返った超駄作としか言えない。
家出少年が少女と知り合って晴れ女バイトをさせたから東京が水没する
奇想天外というよりも支離滅裂!
主人公の声もうるさいだけで全く共感を呼ばない。
新海の崇拝者はこれをみて素晴らしい!というのだろうが、
こんな作品創ってるとお先真っ暗だな。
本当に生きていてよかった。
前作の君の名は。にハマった人は間違いなくハマる作品。絶対に見るべき!!!最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高最高!
何も解決しないまま終わる
主人公が地元に居心地の悪さを感じていた理由や、児童相談所に連れてかれたら弟と離れ離れになるから逃げると言った理由がよく分からなかった。
それと主人公がお尋ね者になる必要なあったか?って感じだった。
そして極めつけは東京が沈んだのに俺たちは大丈夫で済ませるというラスト。
作画の良さと豪華俳優陣とRADWIMPSで誤魔化してるけど正直内容は微妙に感じました。
大ネタバレ
映画 天気の子を2度見てきました。小説も読ませていただきました。結論から言って、大満足の作品でした。
誰かに頼らず、指図されることなく、光の中に入りたい。自由を得たい。自分らしくありたい。そう願う主人公の家出少年帆高が向かった雨続きの東京にいた100%の晴れ女陽菜。帆高は自分の中での正解というものを突き詰め、それが正解だと信じ、自分を信じ、世界の在り方が変わってしまうと分かっていても、行動をする。それに応える陽菜のことも、また勿論帆高のことも、だれも責めることはできないのでした。
映画や小説では、『帆高が家出をする理由』を明記することはありませんでした。最初映画を見たときは僕にもわかりませんでしたが、小説を一読し、再度映画を見て、自分なりにその理由がわかった気がします。
帆高は光に入りたかった。高校生というものは、思春期も熟し、自我というものが明確になってくる頃です。小説の一部でこんな描写がありました。
"つい先月(島にいた頃)まで誰かに命令されることや押さえつけられることをあれほど憎んでいたのに。"
"自分が今までそんな経験をしていなかったことに、僕は今さらに心の底から驚く。そして唐突に、すとんと理解する。" "僕を叱りながら、お前はもうちょっとマシになれる、彼らはそう言ってくれているのだ。"
帆高はK&Aで須賀と夏美に出会い、多くの雑務を任され、叱られます。
島では受け入れられなかった行為が、東京では受け入れられる。いや寧ろ、成長させようとしてくれているとさえ捉えられる。島から東京へ家出してきたことによって、帆高は180度 物事の捉え方がかわったのです。これは、帆高の中にある あの光の中に入りたいという願いを 自身の中でおよそ半分くらい達成した気分になっている状態なのだと僕は思いました。東京に出て1人で生きていくんだ、と強い思いを持った帆高のスタートダッシュ。帆高は島から出て光を探しに行きたかった だから家出したんだと、僕はそう捉えました。
作品中で帆高は強い信念を持ち続けています。自分自身が行動の指針であり、大義でありました。それは決して自己中心という言葉とは違うと僕は受け取りました。
この部分は他のレビューも見てわかる通り、かなり賛否が分かれている部分だと思います。しかし、水商売に身を染めそうな陽菜を守ろうとする時も、警察を振り切ってでも陽菜を助けようとする時も、それまで沢山の経験を積ませてくれた須賀にさえ拳銃を向けた時も、帆高の思いはいつだって不動なのです。目的のために手段は厭わないということは、一見自己中心的に捉えられるかもしれない。でも、本当にこれらの行動は自己中心というマイナス的な意味をもつ1語で済まされるものなのか?というところなのです。常識人に対抗する帆高は ピストルの引き金さえ引きます。常識人が望む晴れた世界のために、愛する彼女を見捨てる行為を帆高が望む訳などない。寧ろ警察に捕まって、世間が晴れに喜ぶあの場面ですんなりと帆高が陽菜を諦めていたとしたら、もうそれは帆高が帆高じゃなくなっているとさえ言えるでしょう。家出少年帆高が取った全ての行動は、必然的行為であり、誰も止めることも非難することもできないのです。陽菜と大空の中で再会し、陽菜の『私が戻ったらまた天気がーー』という言葉に対して、『天気など狂ったままでいい』と即答した帆高は何よりも白く、揺るぎなく、美しかった。そこに僕は胸を強く打たれました。
帆高は『世界の形を決定的に変えてしまった』というメッセージを残していますが、それで良かったんだよと僕は言いたいです。『世界の形を決定的に変えることができた』でいいんじゃないかなってくらい。
帆高が拒絶したのは"1人の犠牲を経て、得ることができた晴れた現世界"であり、選んだのは"荒れ狂った天候の世界の中でも誰1人として犠牲が生まれない未来"であり、須賀が帆高に言い放った『もう大人になれよ、少年』『誰か1人の犠牲で狂った天気がまともになるなら、誰だってそれを望むだろ』という世間を風刺するようなこの意見は 正義に反した大多数の人間の本当の自己中心的発想なのだと思いました。
それが現世における思想とは全くもって別として、この映画、新海監督の中における視聴者に提供したいエンターテイメントワールドの中で描かれた帆高の行動は、真に受け入れるべきものでした。
ラストシーンの『僕達は大丈夫』という言葉。主題歌や挿入歌、BGMを担当したRADWIMPSのEDテーマから取った言葉であったそうでしたが、この曖昧に流したような、ぱっと見自分らだけが良ければ大丈夫と聞こえそうなこの言葉も、作品全体を振り返ってみればやはり、帆高の信念に基づいた『大丈夫』なのだとおもいました。
また須賀という人物。僕はこの人物に奥行きを感じています。
作中で、大人になれよ、少年。もう島に帰れ。というシーン、警察の人と話している時に不意に涙を流すシーン、それから何故か帆高より先回りして廃墟ビルに入っていたシーン これらを何となく見ていた僕ですが、他の方の推察を見てそういう見方もあるのだなあと思いました。
僕が拝見したその方の推察をまとめると、須賀の奥さんはひょっとしたら天気の巫女だったのではないか、という説でした。喘息持ちの娘は雨の日になると喘息が悪化してしまう。だから須賀の妻は娘のために何度も天気を晴れさせようとして天に消えた。空からは奥さんのリングが降ってきて、須賀はそれを付けているために薬指にリングが二つ。全てを知っている須賀は、帆高と自分を重ね、大人になれよ、と告げることが出来、警察と話したとき自然に涙が出て、あのビルにも先回りできた。
K&Aに入りたての帆高にお酒を何回も渡していたのもきっと、須賀も経験したであろう少年時代ならではの帆高の熱意を冷めさせて、世間一般のような感覚を持たせようとする須賀の意思表示だったのかななんて 想像したらより一層面白かったです。
ところで作中に君の名は。の登場人物が数名でてきていたけど、あれに関してはよくわかりませんでした。懐かしいなあとは思ったけど、それくらい。
君の名は。ではラストの階段での再開シーンは晴れていたので、もしもあのシーンが時系列的に成立しないとなるので有れば、新海誠ワールドの中で帆高と陽菜は"世界の在り方を決定的に変えてしまった"のかもしれませんね。
そんなこんなで、文章を推敲することなくこんなにも書いてしまいました。誤字脱字等お許しください。あくまで感想なので。
皆さんも是非、見てみてください。
堪え難いシーンの多い映画
そうだ、映画を見よう、見たい。
と思い立ち、話題の天気の子へ。
新海誠監督の作品は君の名は。のみで、今作で2作目になります。前作が私にはハマらなかったので、低い低いハードルで、いざ。
まぁモヤモヤしました。
なんですか、この思春期なら許されるのが世の中の常識とでも言いたいのかと、いやそうなのか?と思わせるほどのなんでも有り…
警察から逃げるシーンなんて、親や先生の言うことを聞かない私、僕、かっけぇ!っていうまあ子供のあるあるですよね。
それはいいです。ただ大人がそれに付き合っちゃうのはドン引き…。15歳と小学生の兄弟が一緒に生活できているってあり得ます?母親の葬儀の時点で保護者決まるか児童相談所行きません?偽造身分証明書ってそれ絶対チンピラに作ってもらったでしょ?(笑)
ほんと矛盾だらけなのに人柱の定義だけはしっかり守る(笑)こんだけ無茶苦茶ならもう戻ってきた!晴れた!みんな幸せ!でいいよ。無駄に曖昧にして壮大ぶってるのが浅い。
評価が高い人もいらっしゃるので、
新海誠監督作品は合う合わないがハッキリ分かれるんでしょうね。金輪際見ないようにします。
純粋な愛と強さの物語
世界を捨てて陽菜を選んだ帆高の純粋な心、美しさ、強さは、息苦しさや理不尽さが蔓延する現代社会の中を生きる人々の希望になるのではないかと思います。
大人になるにつれて社会のシステムに取り込まれ、磨耗していく心がなくしてしまいがちな大切なものを思い起こさせてくれる映画です。もっと純粋に、軽やかに自分のために生きていく人生でも良いじゃん、というメッセージが込められていると思います。
終盤、帆高が「みんな何も知らないで、知らないふりして!!」のセリフは個人的にグッときました。帆高の純粋な愛は世界を敵に回しても二人を突き動かしていく強さに変わっていくんだなと感じました。
新海監督の作品の中でも最高傑作だと言えます。
新海誠監督の最新作 天気を操るという不思議な力を手にした女の子と離...
新海誠監督の最新作
天気を操るという不思議な力を手にした女の子と離島の島から家出をした少年の物語
この映画を観て感じた事は、とてつもない力を手にした時に多くの人から自分の存在価値を見つける事じゃなく、1人の為に存在するという事で価値が見いだせる気がしました。
内容は、とてもメリハリがあってもっと長く観ても飽きないで観れると思いました。
新海誠の作品はとても物語が面白く、誰もが分かりやすく出来ています。...
新海誠の作品はとても物語が面白く、誰もが分かりやすく出来ています。そこも人気の理由だと思います。
天気の子、この物語は主人公の成長と何が1番大切なのかを気づくことが出来る作品だと自分的には思います。
新海誠の作品はどれも主人公とヒロインが周りの影響からどのように成長していくかが書かれていると思います。
書き方もとてもこだわっていて、色んな人の目線やリアルに近い世界観などこういった書き方をしているため、色んな人に人気だと思います。特にBGMの使い方が上手いと思います。BGMがあることにより心を打たれる人が多いと思います。
どの作品を見ても映画を見終わったあとは、何かを考えさせられてしまう。それが新海誠の作品だと私は思いました
びみょー
評価できる点は映像美のみ。その映像美も最初だけ感動する。あとは、東京、晴れ、雨の繰り返し。
ストーリーは全く共感する場面が無かった。帆高が頑なに家に帰りたがらないので、何か理由が描かれるかと思ったら何もなし。そのくせ、終盤には素直に家に帰るし、「3年間が何事もなく過ぎた」と雑な説明。東京に来て最初に行く場所が歌舞伎町なのも意味がわからない。銃もたまたま手に入れるが、普通持ち歩くか?どこかに捨てるだろ。まだまだ納得いかない行動が多々あった。一連の行動の理由を探すが、帆高が頭のおかしい奴と考えるしかない。全体を通して帆高の意味不明な行動で無理矢理ストーリーを展開していると感じた。あと帆高の行動が自己中過ぎてイライラした。
全体的にストーリーが浅すぎてほぼ記憶に残らない。ラストも陽菜を助けるが、お祈りして鳥居を通るだけで解決。何かを犠牲にしたりして助け出すような感動する場面はなし。スピーディに展開するだけ。「君の名は。」や「プリキュア」のキャラクター出すとか無駄なことしないで、もっとストーリーに力入れてくれ。
総括すると頭のおかしな自己中高校生の恋物語。最初の10分だけ見る価値あり。
みんな、ワイルドスピード見ようぜ!
ファンタジー
面白かった。
でも主人公がやらかし過ぎ感はあった。
家出、銃、逃亡とか、あと終わりも私情に流され過ぎではないかとも思った。ヒロイン中3なのに考え方大人っぽ過ぎるし…
陽菜を人柱から連れ戻し、その後捕まって、地元に戻り、その間3年雨の被害は広がり続けて、当人以外の人にとっては幸せじゃないだろうね、、
いくらヒロインの事情があるにせよ知らないとなると。
つらつらと書きましたが、須賀の嫁が元々晴れ女であった説や、君の名はとの時系列の話などは面白いですね。鑑賞後にあれこれ想像できる映画は素晴らしいと思います。
個人的には「君の名は」の方が好きでしたが、「天気の子」はその後を想像せずにはいられない良映画だと思います。
ストーリーが。
背景は大変綺麗でした。雨のシーンも晴れのシーンも綺麗です。
ただ…ストーリーが、私好みでなかったかなぁ。主人公の女の子が天に上がるところで終わりにしてもらった方が刹那い感じで好きですけどね。
無理やりなハッピーエンド感が、たまらなく理不尽な感じでした
君の名はの対極をなす作品
君の名はが王道なら、天気の子は邪道。とはいえ、しっかりストーリーとして満足できる代物。
『全てがめちゃくちゃになっても君と一緒にいたい』
そんなテーマを感じた。
作画クオリティは流石の新海監督。全体的に水の描写が綺麗。
全体的にイリーガル(違法)な描写が多くて割と驚いた。今時よくこんな描写許されたな、と。
知ってる企業がめちゃくちゃ出てきて面白かったww
そして作中に登場する意外な人物。「あれ、この人は…」って誰でも思うと思う。
えっ!?これで納得しろと!?
賛否両論ありますが、私はこの評価となりました。(あくまでも個人的な意見です)
なんか薄っぺらい感じでしたね。全く感情移入が出来なかった。作画と音楽が良かったくらい。
陽菜が力を持つようになったのはタイトルが「天気の子」だから、そういう話(設定)なのは分かる。
しかし帆高がなぜ家出をしたのか?圭介が帆高と同じ境遇だったからとはいえ、なぜ終盤待ち伏せていたのか?←それに警察を呼んでるし。設定というかストーリーの展開が雑。・・・と、まあ色々気になるところを上げるとキリがない。
まさかとは思ったが「大丈夫」で終わるとは思ってもみなかった。
「君の名は」「新海誠監督」「RADWIMPS」この名で売れたから、新海誠&RADWIMPSのコラボだったら客が寄ってくるんじゃね?的な感じがして、観ていて憂鬱になった。
というか「君の名は」のキャラ出演させてなんの意味があるん?「実はこの中の誰かが重要な鍵を握っているんですよ」とかだったら分かるが・・・。ウォーリーを探せをしたいのか?「天気の子」のみでは勝算がないことを初めから視野に入れて作ったん?
トータルで考えて1200円でまた見に行きたいとは思わない。せいぜいレンタル。
「君の名は」の方が普通に楽しめた気がする。
話は逸れるが「君の名は」と同じ時期に公開した「聲の形」の方が感動した(まぁストーリーがそういう感じだったのは否定しないが・・・)
現実かファンタジーか
映像はキレイだと思います。
街並みにリアルさを追及されていて、
『現実世界の中で、誰知らぬところでファンタジーな話が繰り広げられている』
というのを表現したいんでしょうが、それなのに
銃を発泡したり、
未成年が買収行為をしようとしたり、
と現実世界で起こしてはいけない犯罪描写が結構多いです。
この作品を観て、初めて
リアルさを追及すれば良いわけじゃない
と感じました。
作画は文句なし。だが
作画は新海監督と言うだけあって毎作文句ありません。
率直な感想を申しますと、前作「君の名は」でも同様でしたがファンタジー感が非常に強く自分には合いませんでした。
新海監督の作品は現実味のあるストーリーが多く登場人物それぞれの心理描写も多かったので好きでしたが、今作も方向性は逆でした。
物語は現実とはかけ離れてるのにリアル過ぎる東京の見慣れた風景に違和感さえ感じましたし、前作大ヒットしたからスポンサーが多いのかと余計な事を思うほどに内容的には退屈なものでした。
主人公とヒロインが最終的には結ばれるような描写で幕を閉じますが、そこに至るまでの苦難等の設定が薄く感じましたし、主人公に至っては生立ちなどの説明も不十分に感じてしまいました。
やっと会えた場面でも感動よりクサすぎて恥ずかしくなるような感覚です。
駄作とまでは思いませんが、あまり観に行ってよかったと思える作品ではありませんでした。
私好みのシナリオではなかった
「それ、あなたの感想ですよね」と言われようが、実際、ここは個人の感想を書く場でもあるので。
だったら見るなと言われても、外を歩けばあの歌と広告のオンパレード、家に帰ってもTVをつければCM、CM、CMと、この推しっぷりなので、普通の神経してたら一遍見てみようとはなるでしょ。
恋愛モノということで、もともとこのジャンルは守備範囲外なのですが、せめてもっとカラッとしたコメディタッチならまだしも、必死な発情期の猿って感じでとにかく気持ち悪い。
気持ち悪いんです。
美麗な作画では相殺しきれないくらい不快でした。
若気の至りのハッピーセットとか黒歴史でしかない行動を観たい観客っているんですか?
とはいえ、「世界より惚れた女を取る」オチだけに限れば個人的に支持できるので、星1のところをひとつプラスして星2となります。
仮にも宮崎駿の後継者と言われている方なら、万人に受ける作品づくりを心がけてほしいです。男視点に寄りすぎです。
せめて次回作は「少年少女の純愛」以外のジャンルも書けるということを、ぜひとも証明してほしいです。
逆に言えば、この化石のようなジャンル主体でしか書けない人間を次世代の巨匠と呼ぶのはどうかと思います。
フェアネスに貫かれた、醜くも美しい青春の幻影
これはきわめて私的な体験からくる感想にすぎないのだけど、穂高のようなことは誰でも一度は考えたことがあるんじゃないだろうか。
横断歩道の黒いところに足を入れたらマグマに焼かれて大ダメージを負うという類の妄想の、もっと儚く切実で美しい衝動からくるもの。
しかしその時の自分には、掴みどころがなくてよくわからない現実よりももっと確実な質感を伴って真実に近いと思えるもの。
そんな感覚は私的なもので、誰かと共有はできなくて、それでも自分自身にとっては一番身近で堅固な価値観になりうるのだ。
この映画のすばらしい点は、そんな感覚の輪郭をきわめて美しく浮き彫りにして見せてくれたところにあると思う。しかし、一方ではその描写が極めて精確・フェアネスであるがゆえに自分自身ですらも客観視してしまい、醜くて未成熟なものとも感じてしまうのだ。
例えば陽奈の不幸の原因・あるいは救いの原因となった天候操作の力は、作品世界ではおそらく確実に存在するのだろうけど、それが裏付けられることは結局はなかった。
大人たちはそれぞれが見ている世界観を前提として行動するし、失われてしまったあまりにも大きなものに対して、超常現象を引き起こしたとして主人公たちが責任をとれと糾弾されることもない。
主人公が実際に見て体験したものであっても、それが一部の登場人物にしか共有されていなければ、それは社会的には妄想と同じなのだ。
この理解を与えてくれたのはひとえに作中世界の人物たちの描写が無駄なくフェアネスであるためで、こんな作品は今まで見たことがなかった。
そして、僕は最後に再会する陽奈にとってすら、あの出来事が妄想として理解されているのではないかと恐れる。
穂高と比べて、陽奈はその年齢相応の、未成熟で流されやすい人間のように描かれていると思う。しかし流されながらも、一つひとつの瞬間にだけはしっかり人間としての喜び・悲しみ・恐れといった感情を受け止めるのだ。そのありようが、終幕時の穂高にとっては儚く頼りなく大事なものと感じられたのではないだろうか。そして、「僕達は」大丈夫だという言葉には、そんな陽奈を一生かけて守りたいという願いと、穂高たちにとっての体験が妄想として片付けられてしまうのではないかという恐れに対して「それでもいいじゃないか」と言い聞かせたい気持ちがあったのではないだろうか。そう思えてしまう。
いったい人々にとって何が真実で、何が虚構か、という問いかけは、この世界で何か大事なことを自分が果たすべきと考えて日々努めている人たちに響くだろう。それは本当に真実なのか。それともただの思い込みなのか。その人を助けなくても実は大丈夫だったんじゃないの?もっと楽をして生きればいいんじゃないの?
でも違うのだ、と僕は思いたい。自分が幼くて、醜い妄想によってひとりずもうをとっていたとしても、自分にとって美しいものを守りたいという気持ちはきっと、わずかでも誰かの支えになっているのだから。
そういう覚悟を呼び起こす感覚があって、僕は映画館の外で少し背を伸ばしたのだ。醜いよね。
色々な社会問題と絡めた割には恋愛意外のところが全然大丈夫になってい...
色々な社会問題と絡めた割には恋愛意外のところが全然大丈夫になっている気がしない。
東京が水浸しになってしまったという以前にひなとなぎは2人で助けあって暮らしていくということを社会が許してくれない所から色々な問題が生まれてきてるけど最後ひなちゃんは助かったけど、でもそれって振り出しに戻るというか…
大切な人が隣にいるからそれだけでなんでも大丈夫!っていう大丈夫ななのかな。
期待以上でした!
期待以上でした!!
◾️「誰かのために」という感情
「俺はただあの人に会いたいんだ」
大切な人に会いたい気持ちは何にも勝る。
全てを放り投げてでも会いたい人がいる。
そんな穂高のまっすぐな気持ちが、とても爽快でした。
「誰かのために」という大事な感情を、思い出させてくれました。
◼︎長い歴史のある世界と、その中の自分
・世界なんて、どうせ元々狂っている。
・観測史上初、なんて、たかが200年くらいの歴史の中の話。
何億年と続く歴史の中で、平均して80とかしか生きない人生。
世界って何だろう。その中の一部でしかない自分ってなんだろう。
日々小さなことで悩んでいる自分を、なんだか外から眺めている気分になりました。
「神様、これ以上足さなくていいし引かなくていい。」
穂高のこのセリフも、印象的でした。
お金や地位や名誉ではない。それよりも、もっと大事にしたい幸せがある。
この世界の長い歴史に比べたら、自分の人生なんて一瞬
何を大事にして生きていくのか。
ただ単に目の前のことに追われているのではないか。
もっと大事なことはないのか。
そんなことを考えさせられました。
総じて、音楽、映像が素晴らしかったです。
一見ありえないような話なのに気づいたら映画の世界に惹きこまれていました。
期待以上の感動と気づきを、ありがとうございました!!
観てよかった
極力説明を省いてシンプルに見えてきちんと最低限描写されていて人物背景についても社会についても環境についても考えさせる、問いかけがあるとても面白い映画でした。
何も縛る物がなく感情に正直で真っ直ぐピュアな若さ、と世間体と形だけの常識と責任に従う大人の対比が都度されていてどちらの目線で見ても考えさせられます。
須賀が穂高の無垢な真っ直ぐさにあてられて、無自覚に押し込めていた物が溢れ出す瞬間、警官にお前らが穂高に触んな!とタックルするのが良かったです。
映画では何故あそこに須賀がいたのか分かりませんでしたが、小説を読んでヒナに関わった人全員が鳥居の夢を見ていたからだと思いました。娘からの電話で一瞬ハッとした顔をする所はありましたが。家族を持ったり大人になるとどうしても須賀さんの方に感情移入してしまいます。夏美さんを見てるとまだ自由と縛りの間にいる感覚で1番穂高達に近くて躊躇がなくて格好いいです。凪くんは1番男前です笑。
あのラストを見てもどっちが良かったのか個人的に答えは出ませんが。ヒナさんを犠牲にしたら良かったはやっぱり冷静に考えるとそれはそれで狂った世界なのかなとも。人柱制度自体がおかしいですからね(笑) どこかで知らない誰かの犠牲の上で成り立つ他者の幸せはループし続けてしまうんですね。誰のせいでもないと言いたいです。が、本人達は一生背負って生きていく覚悟でしょう。こんなに愛され守られるヒロインはいません。
お婆さんや須賀さん、周りの大人、天気予報のお姉さん、それでもゆっくりと環境に慣れたり変化していってる社会や人々の強さや優しさに少し救われました。氷河期がいつ来るかも分からないしいつ何が常識になるか分からないですしね。個人的には移動船とか浮遊施設など近未来的な建造物とか出来上がって逞しく生きてる世界も見たかったです。雨が降り続いてるのに空は晴れてる様に見えたのは二人の心を現したかっただけなのかそういう世界になってしまったのか気になります。
また3年後に続いた世界が見れるのかなと今後もワクワクします。
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