「これは本当に新海誠がつくったのか?」天気の子 KO KOさんの映画レビュー(感想・評価)
これは本当に新海誠がつくったのか?
新海誠は僕が最も好きな監督だ。
映像美は言うまでもなく、その緻密なストーリー性、深い人物描写、現実味を持った人々の繋がり、これは日本のアニメーション映画を率いる才能に満ちた監督にしか描けない。
そして彼の作品は、失恋の後のように、何日も心に住み着く魅力を持っている。
だが、今回の作品は、控えめに言っても酷い。これを見た多くの人は、なんかちがう、と感じるだろう。これからの作品のためにも、ファンとして贔屓するのでなく、真摯に批判させてもらう。
まず、登場人物が薄っぺらい。なぜ主人公は家出を?ヒロインの母が死んだ、というのは重要な設定のはずなのに軽くなっていて、もうとにかく、一人として現実味を持った人物がいない。流石にやりすぎ。新海誠監督は登場人物造形の重要さを一番理解している人だとばかり思っていたのに....
そして空の上の世界も薄っぺらくつくられている。なにかしら寓話的な表現かと思いきや、これまたいい加減につくられている。そのせいで世界観に全く入っていけない。
感動したのは、音楽、映像、そして冒頭のサリンジャーの本、ライ麦畑で捕まえてだけだ。
この作品は本当に新海誠がつくったのか?
っぺらい登場人物がいい加減な世界で、予定調和的な都合のいいプロットの上、存在する。観た後にもなにも残らない、すぐに忘れた。言の葉の庭に対する冒涜のようにも思えてきた。メッセージ性を含んだとか言ってるけど、どれも全く考察がなされていない、観客に丸投げ。こんな作品にサリンジャーの本をのせるな。
僕は、新海誠監督の、あの悲哀と圧倒的な美に満ちた濃厚な作品をみたい。こんな軽い作品を作った、新海誠の振りをしているやつ、今すぐ降りろ。
この物語は狂った世界に生きる若者への壮大なメッセージだと受け取りました。
細々としたディテールなんてまじどうでもいいんですよ。わからないことはググって解決みたいな短絡思考で何でもかんでも親切に説明される事を求めて、自分で思考すること、疑問を持つこと、何より想像することも忘れてるような大人達には向かない作品ですね
新海監督が最も好きだと宣うのならば、どの作品のどう言った部分に惹かれるの気になるところです。もちろん、あなたを批判したいのではありませんよ。ただもう少し別の視点から作品を楽しもうとする姿勢を持つことが出来れば、あなたが好きな監督を詰る事もなく、今後楽しみにしていた作品に裏切られた気分を味わう事も減るでしょう。
今回の作品のテーマはもちろん、それぞれ問題を抱えた2人が出会い成長していく姿だと感じました。しかしもちろんそれだけではありませんね。加賀という、主人公によく似た境遇の大人がこの物語をより深く掘り下げるための鍵だったと私は思います。彼に纏わる一つ一つの描写に意味がありました。それは陰の主人公と言っても過言では無いほどに。
そういったヒントを視聴者自らが噛み砕き、提示されることは無くとも、その答えをああだこうだ言いながら考えるのも映画の楽しみ方の一つだと私は考えます。
もしあなたが本当に新海監督を好きで、裏切られたと感じるのならば、加賀と主人公の対比を頭に入れつつもう一度映画館に足を運べば、無駄だっと感じた2時間を取り戻すことが出来るかもしれませんね。駄文失礼致しました。
あと拳銃の下りはいらないって意見がありますが、それも主人公の情けなさを表していると思います。
主人公は冒頭の方でおもちゃだと思っていたものの人に向かって銃を撃ってしまいます。
普通は人に向けて銃(おもちゃでも)を撃つようなことはしませんが、自分が助けようとした女の子が実は自分から水商売を志望していた事を知り、羞恥と情けなさでカッとなった程度で撃ってしまうのです。
そんな主人公の精神年齢の子供さを表したかったのではないでしょうか?
コメ主さんは登場人物が「抱えた問題をどう乗り越えるか」が重要と言ってるけど、この映画は問題を乗り越えるのではなくて、自らの選択によって抱えてしまった問題を乗り越える覚悟を決める物語だと思います。
ヒロインの母が死んだ理由はそもそもそんなに重要ではなく、両親が居らず1人で弟を養い生活をしている15歳の女の子という設定が重要なのです。
なぜその設定が重要なのかと言われると、そんな本来守らなければならないような立場の女の子に守られる主人公の情けなさと弱さを表したかったからだと思います。
そして主人公の家出については家出の理由ではなく、家出をしたという事実が重要なのです。
主人公は物語の最後で「家に帰ってみると案外普通で」みたいな事を言っているので、これも先の部分でも述べたように、大した理由じゃないのに家から「逃げてしまう」弱い主人公を表現したかったのだと思います。
この話はヒロインを助けて万々歳ってものじゃない。
ヒロインを助けたことによって重い責任(問題)を負ってしまったヒロインを、弱くて情けなかった主人公が支えて生きていく覚悟を決める話だと感じました。
設定の緻密さではなくて流れが重要なのかなって思います。
とにかく言いたいのは、「天気の子」は抱えた問題を解消する物語ではなく、抱えてしまった問題を乗り越える覚悟を決める主人公の物語だと思うってことです
あなたのレビューに概ね共感します。
前作の『君の名は』は疑問点は残るものの、良くできた作品だったと思います。
ただ、今作は本当に酷い。仰るとおり、人物背景の描写が薄すぎて、感情移入できませんでした。
前作のキャラを登場させたり、RADWIMPSにまた主題歌を歌わせたり、そういうことしちゃうと、この作品としての世界観や品位は落ちると思います。
これが本当に新海誠が表現したかった世界なのかと甚だ疑問です。
言うなれば、すごーく上っ面だけの、まるでTwitterとかインスタ映えな映画でした。
これは私が歳を取りすぎたからなのかなぁー笑(今年で32歳のおっさんより)
大人のファンですが君の名はのように無理矢理こじつけた世界観よりは家出して都会に出てきた少年と年ごまかして生きてる訳あり少女何てありそうな事なので現実味があって良かったと!むしろ拳銃話とか空飛んでるシーン何ていらない
作品を見ている間はつまらないとも思えたが、いろいろ考察すると結構楽しめますよ。終わった瞬間はぁー?と思ったけど今は2回目の視聴をしてみようと思ってます。色々憶測で考察してみてはどうでしょうか。まあ、考察おじさんと呼ばれるかもしれないですが...(;_;)
本当にお願いしますから、コメントで自分の主張だけ丸投げするのはやめてください。
この作品に賛成するのなら、それ相応の理由も記述するのが当然ではないでしょうか。
理由もなしに称賛する人が、誤ったフェティシズムを作り出しているんですよ。
更に言うと、小説と映画は全く別なものです。小説を読まないと楽しめない映画なんて全く無価値ですよ。
京アニの理由なき犠牲者に追悼を....
今回の作品の一番の問題は、空想部分、つまりはファンタジックな世界観の作り込みの浅さだろう。雨が魚になることは、天気を巨大な生き物に例えているのだろうが、メタファーや含蓄は一切なし(あるなら教えてほしい)。
主人公とヒロインの恋愛を成り立たせるために無理矢理に作り上げた世界観のように思える。そのせいで、予定調和的でご都合主義なストーリーに感じられてしまう。これは映画のみならず、文学においても避けるべきものとして考えられている。予定調和的なのに傑作だった映画は、僕が今まで観たなかでは「スラムドッグミリオネア」のみだ(とてもいい映画なので暇があったら見てほしい)。
作品を他の作品と比べることはあまりよくないのかどうかわからないが(批評の手段としては多く使われる気がする)、天気の子は「ペンギンハイウェイ」と比べ、やはりプロットの部分が脆い気がするし、ファンタジックな世界観の作り込みも、言うまでもなく劣っている。まあこれは、森見登美彦が"すごすぎる"せいであるのかもしれないが。
今回の作品では、新海誠監督を神格化するのみに収まらず、作品自体を美化しようとする人が多く見られる。
作品にはそれ相応の評価を望みたい。
普通に人口の少ない島に住んでて普通の日々だけどつまらない。
だけど突然出てきた少しの光を見て憧れて上京した。
それくらいの理由じゃない?
年齢も16歳、特に考えもなく田舎から出たいって思う年頃だと思いますけど。
理解した上で薄っぺらいと言ったのでは?何故家出したかを描いてくれても良かったと思いますけどね。
それにこの作品の評価にプレッシャーは関係あるんですかね
kokoさん受験ファイちょ!
初めの主人公の顔の傷は、虐めとか家庭内暴力を暗示していて、主人公は島の向こうに飛び出て新たな世界に踏み出そうとしたんだ、とか言って涙ぐむのはもうやめよう。
問題は、主人公の問題、及びヒロインやその他の問題を「深く描写せず暗示する」のでなく、「読者に丸投げ」していることだよ。そのせいでひどく現実味がないし、なんだか登場人物が能天気にみえてくる。
抱える問題をどう乗り越えるかが重要であるはずなのに、訳のわからない設定の雲の上の世界に行った後、やり投げに修正される。
主人公はなんとか卒業して、ヒロインもなんとか学校に行くようになりました。めでたしめでたしって、その「なんとか」の部分がこちらは知りたいのに、まあ雑な設定のせいもあって軽々しい。
もう鑑賞してから一日たったが、外は晴れないし、心の中は言うまでもない。これが目的なのでしょうか?
あと"アバカン"さんはナンサイなのか分かりませんが、コメントするなら最低限の論理的な説明を加えて下さい。人をバカにすることぐらいだったら機械にもできます。受験勉強の合間にコメントを見てイラつきたくはありません。
うーんなんで家出したかわからないってまじで?
もうちょい理解してから薄っぺらいって言った方がいいと思います。
多分大きな期待を持って見たんでしょうけど、前作のプレッシャーから
ここまでの作品を作り上げた監督に失礼かと思いますよ
中高生のうちに入るものですが多少説明不足だなと思ったとこありましたが面白かったと思います。
rさんへ
指輪は大人と子供の対比の象徴?的なものでは無いでしょうか?須賀も指輪を付けていることなどから。
また、象徴ではなかった場合は須賀の嫁も晴れ女的な運命で亡くなったということを遠回しにつたえたかったのではないでしょうか?(ここの部分は皆さんの嫌いな視聴者任せということになってしまいますが、、、)
私もKOKOさんに共感しました。今日映画館で鑑賞してきましたが、驚きを隠せませんでした。確かに期待しすぎたというのもありますが、指輪の意味の無さ、話の矛盾点がいくつかあり、新海さんの作品特有の切なさとかもあまり無かったように思えました。私個人の感想なので、これを見て価値観を押し付けるように思えた方がいらっしゃったら申し訳ないですが、大好きな新海さんの作品だからこそショックで、たまたまこのレビューを見かけたのでコメントさせていただきました。
他の方がレビューしていたように中高生にはシンプルに面白いと思わせてくれる作品だったと思われます。ただ、過去の新海作品を見てきた自称古参ファン(オタク)の方々にとっては薄っぺらいと感じるようですね。新海監督にとってもそういった自称ファンを排他できることを狙っているのではと思いますのでwin-winですね。