天気の子のレビュー・感想・評価
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シンプルで見やすかった
ディズニープラスで久々に鑑賞。
前作に引き続き、綺麗な背景に圧倒されました。特に水と光の描写が、リアルな実写の映像を見ているかのような美しさがありました。また、帆高や陽菜は勿論、その周りを取り巻く登場人物はみんな個性的で、それぞれの見せ場がしっかりと描写されていてよかったです。
ストーリーは「君の名は」と比べると、内容がシンプルになって見やすかったです。複雑な展開が少なく、何となくでも物語や彼らの関係を想像することができました。雨が降り続く東京は2018年に発生した西日本豪雨を連想されるような風景で、新海監督が現実の出来事を取り入れていることが今作でも伝わってきました。また、帆高が陽菜を救うために奮闘する姿から、大切な人と一緒にいることが彼にとっての晴れではないかと考えました。
ただ眺めているだけでも、背景とキャラに癒される作品になっていました。難しく考えなくても、息抜き感覚で楽しめるので、こちらもおすすめです。
壮大な物語と小さな物語のはざまで
壮大な物語が、急速に小さな物語に加速する。
…それは、もちろん良い意味で。今年の夏におそろしく重なる雨続きの東京、新宿。そんな天気を軽々と変えられる女の子と、居場所のない主人公が出会い、次々に奇跡を起こす。その代償はあまりにも大きく、2人は厳しい二択を迫られ…と思いきや。
3年、という時間の流れ。天変地異の果て…と言われそうな変化の中、意外に人々は新たな生活に馴染んでいる。失ったものや変化を嘆かず、それはそれで…と、したたかに・しなやかに日々の営みを重ねる姿は、震災後を生きている私たちであり、来るべき未来を生きようとする私たちの姿であるような気がした。(当時はまだ不謹慎な気がして口にするのがためらわれたけれど、「君の名は。」は、私にとって一番しっくりくる、震災を描いた作品だ。)
雨模様から光差す晴れ間へ、半地下の事務所から廃ビル屋上、そして空を駆け上り雲の中へ。冒頭から幾度となく、ダイナミックに縦の動きが描かれる。その一方で、ちっぽけな人間のありふれた日常も、丹念に描かれる。料理をし、公園で遊び、歩き、笑い、喜び…。さらに、音楽が絶妙に被さり、物語に横の広がりを与える。予告の期待を裏切らない、PV並みの音楽の存在感は、出来過ぎというか少しあざとい気も少しした。とはいえ、ここまで物語が音楽と一体化できるのは、新海誠監督の作るアニメ作品ならでは、とも思う。
短篇「言の葉の庭」で「Rain」に改めて出会い、その歌が持つ豊かさに改めて気づき、雨が降るたびあの曲が鮮やかに蘇るようになった。今回も、重たい雨空や晴れ間を見るたびに、この映画と音楽が頭の中で広がっていく。長続きの雨も悪くない、と思えるようになったことが、この映画に出会った最大の収穫であり、映画ならではの幸せだ。
『君の名は。』の東京ではない。
家出して東京に出てきた少年の前に立ちはだかる「東京」という壁。屹立する大都会を映像に落とし込んだ密度に圧倒される。つまり、情報量がやたらと多い美術の厚みは、そのまま少年には太刀打ちできない現実の重みとなるのだ。
しかし、少年に若き日の自分を見たやさぐれた大人や、大人に頼ることなく生きたいという想いを共有する少女との交流によって、少年はかろうじて「東京」に対抗する術を手にする。
映画はやがて、東京を(拡大すれば世界そのものを)守るべきか否かという選択の物語になっていくのだが、少年が選んだ道を100%支持したい。現実という枷をぶち破ることこそが、フィクションが与えられた自由と希望だと思うから。
にしても、明るくライトな『君の名は。』の東京とは真逆の印象であることが興味深く、これまで不勉強でよく知らなかった新海誠という人の視点に今更ながら興味を持ちました。
タイトルなし(ネタバレ)
いやなんで?の連続です。
耐えて観ようといつもしていますが耐え難い。
ヒロインの描き方も、主人公の男子の気持ちの動き方も、この作品に限らず、飛び飛びだし、これを作る大人というのも倫理というかの点で個人的な感覚としても相当無理です。
映像感覚に優れた監督が、よい脚本を書けるとは限らないので、さっくりと分業してほしいです。
新海氏はショートフィルムがネットで話題になった頃から知っていました。美しいクオリティの高い映像がその時は印象的でした。
が、長編映画とはイメージ映像とは違うのです。
宮崎駿が脚本も監督もするからといって、誰もがそれを真似ないといけないわけはないのです。
得意分野を持ち寄って、それなりの人数で作り上げるのが映画なのではないですか。個人映画はあるけれど、おおよその劇場映画とそれとは別物でしょう。良し悪しではなく。
美少女ゲーム(ギャルゲー)と呼ばれていたジャンルがありますが、基本的な部分でそれ「しか」フィクションの素養が自分の引き出しにない人が物語を書こうとすると、それが表れるのです。
ギャルゲーに対するディスではありません。決して断じて。
一時代を築いて、その影響が濃い人がいるジャンルであるのも一応理解します。
新海氏に関してはそのジャンルに関わるお仕事もしていたのですから、影響はあっても頷ける話です。
でもそれ「のみ」「しか」物語の素養が無いとなると、脚本を書くにはふさわしいとは言えません。
どの分野の作品であれ、広い視野が無くひとつのジャンルしか素養が無いとなると新しく作品を作り出すには、絶望的にならざるを得ないものなのですから。
未熟な精神の主人公を描くにしても、それを作品にする立場には俯瞰する視点が必要なのです。それなのに俯瞰して物語を作る成熟した視点が、新海氏のアニメーションにはこの作品でもその他でもいつでも無い。
新海監督に関しては、劇場映画としてはもう何作目になるのでしょうか。
誰かが指摘をして、無理して脚本を書くことが監督の担うべき仕事ではない、と言わないといけないのではないでしょうか。
宮崎駿監督式でないといけないと強要されているのだとしたら、それはそれでそんなんじゃなくていいと判断を誰もしてくれない制作体制だとするならば、それは到底理想的ではないということです。
いつか映像を生かした別の脚本家による、ある意味きちんとした話とキャラクターのアニメーション作品が出来たら良いとは思いますが。
恐らく個人の問題ではないかもしれませんので、そうだとしたら申し訳ないですがまあ絶望に感じられてしまいます。
点数は映像の美しさに対してで、映画全体であればマイナスをしたいです。
倫理観の酷さもどうしても個人的には無理です。
フィクションしかも二次元であれば尚のこと倫理のために存在する必要はありませんが、それならばそれで物語としての必然性や作品としての骨子や根になる部分が必要になるはずです。
ふんわりとこんな感じというような雰囲気で、未熟な精神から成立しているかのようなキャラクター描写と物語を展開されても、評価する以前の問題に感じます。
なので評価という意味ならば、映像に対してだけしかできません。
絵を動かすという意味では、正直写実的に過ぎるというか実写の加工の感はどうしても強いにしても、デジタルの技術を駆使し美しい映像のアニメーションに落とし込んで作品にして来たこれまでの成果として。
私の一番の願いこそ、神の願い
新海監督がこの作品にたどり着いた軌跡は結構長いと思われる。
ほしのこえ (2002年)
雲のむこう、約束の場所 (2004年)
秒速5センチメートル (2007年)
星を追う子ども (2011年)
言の葉の庭 (2013年)
君の名は。 (2016年)
これだけの作品で、彼は恋愛と純粋さと切なさなどを交えながら人を描いてきた。
その集大成のひとつが「君の名は。」
そしてその片割れがこの作品なのかもしれない。
今まで試して来たことのもうひとつの着地点
「君の名は」が犠牲になった人を救う物語であるのに対し、「天気の子」は世界を破壊してまで一人の大切な人を救う物語といえるかもしれない。
「すずめの戸締り」は、また新たな挑戦なのだろうと思われるが、猫の雨がダイジンとなって登場している。
言の葉の庭のユキノが、君の名はの国語教師として登場している。
瀧と三葉も。
そして、この作品のナレーションは穂高にさせている。
つまりこの物語は彼が見たことだ。
登場人物によるナレーションは新海監督の手法。
「僕らは世界の形を変えてしまったんだ」という大きな言葉。
自分自身の一番大切な犠牲を払ってでもこの世界を元通りにしなけれればならないという昔からある概念は、この作品で終了した。
自分にとって一番大切なものを絶対に守るというのが、今現在の最大の価値観となった。
世界が変わってしまってでも。
さて、
秀逸な作画とプロットが光るこの作品だが、
ヒナが母の病室から外の光を見て「母にもう一度青空を見せてほしいと願った」というセリフがあるが、それは本心だったのだろうか?
普通は母の病気を治してほしいと願うように思う。
それともヒナは、2番目の願いを先に祈ったのだろうか?
神が叶えた半分だけの願い。晴れ女とその代償である人柱。
凪も話していたように、ヒナはずっと自分を犠牲にして家族のために尽くしていた。
ヒナにあるのは昭和時代からずっとある犠牲心の象徴だろうか。
自分の本心さえ、よくわからないというのが本当のところかもしれない。
彼女にとっては生きるための生活費だけが必要で、願いなどというものを考える余裕さえなかったのかもしれない。
母に少しでも青空を見せてあげたいというほんのささやかな願い、純粋な心に神は答えたのだろうか。
穂高は彼女の生活を垣間見たことで、彼女の様々なことを思い描いたのだろうか。
マックをヒナからもらい穂高は言う。「16年間で一番おいしい夕食」
そしてヒナの自宅で食べた食事は、「言の葉の庭」のオムライスと同じだろう。
年齢差や無力さ、その他別の理由で裏切られた「言の葉の庭」とは、この点が大きく違う。
穂高はこのとき、自分の一番大切なものを見つけてしまったのだろう。
「神様、僕らから何も足さず、何も引かないで」
穂高は神に天気よりも彼自身が一番大切にするものを取り戻したいと願った。
ファンタジー
間違いなくファンタジーだが普遍的だ。
穂高もまたヒナと同じ純粋な、しかも一番の願いを神に申請した。
「天気より、俺はヒナがいい」
「世界なんか、狂ったままでいい」
さて、、
最後にヒナは何を祈っていたのだろう?
晴れることを祈っていたのだろうか?
しかし彼女にはもうその力はない。
多義的ではあるが、彼女は変わってしまった世界で高校生として生活できていること、いま普通でいられることを感謝していたようにも思う。
そしてその上で、ヒナは穂高との再会を神に祈っていた。おそらく毎朝あの場所で祈り続けていたのではないかと思われる。
その願いがようやく叶った時、彼女の顔に太陽の光が差す。
穂高は言う。
「僕らは確かにあの時、世界を変えた」
「僕があの人を選んだ」
「この世界を、ここで生きていくことを」
「僕たちはきっと大丈夫だ」
この穂高の一番の願いこそ、一番大切なこと。
そのために世界が変わったとしても何も問題はないのだろう。
パラレルワールドの基本形を見たように思った。
この自分の想いを最優先にできれば、恐れるものなど何もないのだろう。
これは「ドッグマン」にも描かれていた。
この新しい価値観 素晴らしかった。
何度見ても飽きない。
久々に見たけどやっぱりいい作品
数年前に観た記憶。相変わらず、東京の風景描写は素晴らしい。 しかし...
数年前に観た記憶。相変わらず、東京の風景描写は素晴らしい。
しかし、違和感が残った。
閉じられた二人だけの世界観 息苦しい。
男の子はいいのだろうけど、女の子は、本当はどう思っているのだろう。
ふつーの人間が、世界の破滅に関わる、って設定にするには、
必ず何か神秘とか宗教がかったものが必要なんだな。
でも、それがなかったら、こんな美しい描写できないもんね。
自分達が起こしたかもしれない、セカイの綻び、見て見ぬふりできるんだな。
でも、こんな事が成立する、これでいいんだよって言うんなら、逆に、誰かの幸せのために、主人公と可愛い彼女が踏みにじられても文句言わないよっ、それで大丈夫、いいんだよ!て映画も成立するのでは。でもその設定は、この少年の頭の中には存在しない。
自分たちが貧乏ながらも、生きていられる、この世界は、一体、どれだけの苦難が過去にあったか、世界が正常でいられるように、どれだけの人々の努力と苦労があったのだろうか。そんな事、すっぽ抜けてる。自分と彼女と世界。こんな設定を映画でみせられても、何みせられてんだって気になる。自己完結しすぎていて、そんなの見せられても。
現実的かつ空想的なファンタジー映画
今作はヒロインが超能力持ちなのが面白い。その力を軸に進む物語にはすごく惹き込まれました。
あとは『君の名は。』の登場人物が出てるのも良いですね。テンション上がりますし。
それから個人的には〝怖い〟とも思いました。
帆高は別に悪いわけは無かったのに、警察から逃げて追いかけられるハメに。ハラハラドキドキという意味で怖かったのかもしれません。
個人的に新海監督の作品では、『君の名は。』と『すずめの戸締まり』の方が好きかもです。
似てる?
今頃ですが天気の子見ました。
「君の名は」や「すずめの戸締まり」は鑑賞済みです。
新海誠監督の作品は色使いや光が綺麗ですよね。
ストーリーや構成が各作品似てる気がしました。
大きな流れの何かの為に誰かが犠牲にならなくてはならなくて、なんとかしなきゃみたいな、、、(^_^;
次回作も楽しみです(^_^)
僕は選んだんだ!あの人を、この世界を、ここで生きて行くことを!
雨からここまで創造できる才能
1つの作品としては好き
新海誠さんの新作ということで、綺麗な映像と心打たれる内容に期待をして映画館に行きました。
毎回必ず主人公が何かに阻まれて
なかなか思うように動けなかったり
もどかしさを感じるのですが、
今回も警察に追われながらも大切な人に逢いにいくシーンは胸が苦しくなりつつ応援してました。
東京を救うか大切な人を救うかの選択で一瞬
有川浩さんの塩の街を思い出しました。
話はズレますが、塩の街では大切な人を守るために大きな塩害を倒しに行きます。
ー彼が世界を救ったとしたら彼女のためだけに救ったのだ。彼女がその世界にいるから、その他の僕らはきっとおまけで救われたのだ。
この文章が私はずっと好きでした。
世界を守れるのは僕しかいない!と使命感で世界を救う主人公は多いものですが、その世界に大切な人がいなければ意味がないのだと、だって世界は必ずしも自分に必要な人ばかりではない、むしろ無関係な人の方が多いんですから。
話は戻りますが、今回東京を沈めたとしてもそこに大切な人がいるなら東京を救えるかどうかの選択をもっていた主人公は選んでいいと思います。
そして選んだ。大切な人との時間を。
物語は素敵でした、映像も綺麗でした。
ただ、正直君の名はや言の葉の庭は超えられていません。
2時間近くあるのに少し構成が雑に感じました、、、
説明しなさ過ぎかと思います。
考えてみて、何度でもみて。という意図もあると思いますが、また観てみよう!と思うほどのヒントが少なすぎと伏線の回収しなさすぎです。
新海誠さんの作品としてというよりは
1つの作品としては好き
1度は観ておく作品くらいかと感じました。
わからない
空や自然がきれい、実物や写真、実写とは違う良さがある
映画館。前情報なし。
澄んだ空気、
雨の表情の表現がすごかったです。
アニメなのにすごい。
おかんほど興奮できなかったけど、
凪くんのプレイボーイ笑ったし、
空に返っていくところ、
人が死んでしまう表現は泣いちゃったなあ。
雨からの晴れの表現はすごくざわっとした。
わたしまで嬉しくなった。
予想もしないようなストーリーで楽しかった。
空の上があんなに綺麗ならいってみたいなあ〜。
19.8.29 映画館
映画の前の予告のエヴァなまら鳥肌たった。
タイトルなし(ネタバレ)
評判がいいので期待してたんですが、ちょっと私には刺さらなかったかなぁ
何であそこに行ってあんな力をもらって、力を使うかどうかは自分で選択できるとはいえ責任を背負わされてる感が押し付け感があるなぁとか
新宿のど真ん中であんな爆発起こしたら誰かしら怪我するでしょ、それに対して何もなしは流石に自己中過ぎるかなぁとか
ラストの辺りも帆高が鳥居に行かせろって言ってるのを須賀があんなに止めてたのに警察来てから帆高を逃して、、、いや、それ止めなかったら須賀も逮捕されずに終わってたやんて言うのが、取ってつけたイベントに見えてしまって何だかなぁて感じでした
ラストの歌の連続も歌自体はいいんだけど、ちょっと違和感があったかな
とはいえ映像は綺麗だったのと、声優神も豪華だったし、君の名はの二人が出てたのは良かったかな、新海作品であんな感じで登場人物がクロスするのがメインの物語を観てみたいですね
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