西遊記 女人国の戦いのレビュー・感想・評価
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三蔵法師、恋の道
『モンキー・マジック 孫悟空誕生』『西遊記 孫悟空vs白骨夫人』に続くシリーズ第3弾。
前作のラストで転生後の白骨夫人を導く為、三蔵法師が自らを犠牲にし、一行の旅やその後が気になったので続けてみたのだけれど…。
…あれ? 何事も無かったかのように和尚様いて、旅続けてるし。
あの石化から復活したのか…? それともこれは三蔵法師が転生し再び悟空と巡り会ったのか…?
後者なら前作の三蔵法師の言葉もあってドラマチックだが、その辺の経緯の説明は一切ナシ。そこを知りたいのに~!
同スタッフ/キャストによるシリーズ物だが、直接的な話の続きではなく、『西遊記』のエピソードをかいつまんだ作りなのかな…?
ちょっと腑に落ちないが、仕方ない。だったらあれこれ考えず、旅へ。
大河を行く一行。突如、巨大怪魚に化けた河の神が襲撃。逃れた一行が流れ着いたのは…
女たちだけの国。男が一人もいない“女人国”であった…。
幼女から老女までいるが、若い女性は皆、美女だらけ。
川辺で戯れる美女たち。その光景を見て、涙する猪八戒。うん、分かるぞ、その気持ち!
が、一行は捕らえられる。死刑。
女人国では男は毒や害をもたらす存在。男である事自体が罪。
スミマセン、僕、帰りま~す。
ところが女人国には強力な結界が張られ、出る事が出来ない。
一行は男に興味津々の協力者の助けで出口を探す。
そんな中、恋に落ちたのだ。悟空が…? いやいや、
男を初めて見た女人国の女王陛下と、三蔵法師が…。
今回もコミカルかつ、楽しさ充分の冒険ファンタジー・アクション。
アニメっぽさや雑さは目に付くが、CGをたっぷり駆使して、開幕の巨大怪魚襲撃、巨大サソリや動き回る巻き物、クライマックスの河の神との水中戦などなどを活写。
しかし今回は、愛のドラマと言えるだろう。
その主軸が、三蔵法師と女王。
仏に仕える身でありながら…。が、三蔵法師もまた感情のある人間であり、男なのだ。美しい女性に心惹かれる。
二人で小舟に乗って沖に流される。各々の気持ちを表した台詞。演じた三蔵法師=ウィリアム・フォンと女王=チャオ・リーイン。いずれも美しい。
この後二人はTVドラマで再共演し、結婚したとか。(が、離婚)
若い男女の恋路にはいつだって試練が立ちはだかる。
女王の側近で、女人国の高僧である国師。
一行に死刑を申し付け、三蔵法師と女王を引き裂こうとする。
今回の敵…? いや、国師にも悲恋のドラマがあった…。
女人国に伝えられている悲恋の伝説。
結ばれなかった一人の少女と河の神。
その少女こそ、国師であった。
河の神との再会。が、国師として国や女王に仕える道を選び、恋を放棄した。
情炎荒れ狂う河の神は女人国を襲撃。
三蔵法師と女王、国師と河の神、女人国の命運…。意外やしっかりとした愛のドラマであり、シリーズで最もシリアスな内容でもあった。
三蔵法師と女王が結ばれないのは分かっている。
三蔵法師には天竺へ向かう旅と使命がある。
女王にも国を守る使命がある。
一人を愛するのも、大勢を愛するのも、同じ。
もしまた出会え、結ばれるのなら、例え来世でも…。
その想いを胸に、旅は続く…。
次なる目的地は、かの火焔山。
そこには、牛魔王と羅刹女の息子、紅孩児がいるという…。
現時点で4作目は作られていないようだが、どうせなら天竺まで見たいぞ。
中国映画おもしろい
すごいスピード感のある映像で始まんのね。スター・ウォーズもびっくり。それで仏の手が出てきて、不思議なホールができて、三蔵法師一行が吸い込まれちゃうの。そこが女の人しかいない女人の国なんだけど。
どうも、最後まで観てみると、これ、玄奘の修行のために、観音様が送り込んでる設定っぽい。
そこで女王様と玄奘がお約束で恋に落ちて、でも国の掟がとか、私には天竺へいく任務がとか、色々悩むの。
途中で玄奘が妊娠しちゃうんだよね。「川の水を飲んだら妊娠するのよ」って、女人国が男がいなくても滅びない説明でもあんだけど。それで玄奘が「この子を産む」って決意したときの、悟空の行動が良かった。このキャラクターいいなあと思ったもん。
最後は観音様かな、釈迦如来なのかな、とにかく仏が出てきて、はいチャンチャンって終わる。最後、仏だしとけば終わるから、いいね。中国映画面白いわ。
釈迦如来様がいちばんえらい。
一見全く違う物語と思う。
中国や日本でも映画やテレビで見る機会の多い西遊記、中国の伝奇小説で色々と映画の作りは変わっても基本の三蔵法師とお供の3匹の妖怪や孫悟空が持つ觔斗雲(きんとうん)や如意棒などの小道具は大体同じで見るものに安心感があるが、その内容は、色々とオリジナルのシナリオを用意しているが、本作は、三蔵法師を含め意外なオリジナルストーリーではなく、この西遊記という16世紀の小説に出てくる場面が登場する。シナリオ自体もお笑いの部分は出てくるが、いたってまじめな物語で恋愛中心のものと捉えても構わない。
しかしながら、個人的には、孫悟空を演じたアーロン・クオックの演技が鼻につくし、そのほかの猪八戒、沙悟浄のキャラクターが今まで見てきたものとのイメージのギャップが大きいし、CGの出来が幾分曖昧なところやストーリーの理解できないところも散見した。中国では2018年の旧正月に公開された本作、配給側はそれなりに期待したものと思われるが、視聴者からは、そこそこしか評価されていない。シリーズ3作目ということは、それなりにヒットしている作品のようだ。
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