「「私はアメリカ一番の変態です」」ゲヘナ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
「私はアメリカ一番の変態です」
リゾート開発のためにサイパン島を訪れた面々。青い空と紺碧の海、絶景が広がる海岸とジャングルが共存する魅惑の島。しかし、現地の人たちは土地の売買に対して反対運動しているのだ。聖なる土地であり、スペインが侵略、太平洋戦争時には日本が占領、と「殺人」というものが平和な島に持ち込まれていた歴史も知ることができる。その聖なるなんとかの一部分さえ何とかすれば楽園リゾートが楽しめるハズだった・・・
ジャングルの中の不気味な洞穴。先住民のじいさんが不気味なのだが、川口浩探検隊よろしく5人のメンバーが洞穴の内部を調査する。いきなり朽ちたミイラと、その中に生きているミイラが一体いて、現地のアランが思わず殴ってしまい、生きたミイラが「お前は確実に死ぬ」という言葉を残して死んでしまう。すると、そこはまるで迷宮に変化し始めた。ドラクエのダンジョンみたいに出口が無くなってしまったのだ。「さっきもこの部屋に来たぞ」と、同じところをぐるぐる回っていた一行。これは先住民の呪いに違いない!
恐怖映像は実はそこまでで、あとのストーリーはポリーナは死んだ息子、デイブは死んだ姉と、プライベートな部分でのトラウマが幽霊となって襲ってくるくらいなのだ。さらに、生きている旧日本兵がいきなり自殺するとか、かなり不条理なホラー。ダンジョンで迷子になってるのではなく、1944年にタイムスリップしてしまったのだと気づく。どうやったらこの時間の迷宮から抜け出せるのか・・・
あぁ、なるほど。そのミイラが〇〇だったのね・・・というオチは八百比丘尼の世界。ちょっとしたことが70年という年月を無意味に孤独に過ごさねばならない運命となってしまう。ストーリー的には大好物なのですが、脚本が面白くないのだろうか、怖さよりもタイムパラドクスを楽しむのかと中途半端に描かれていた。ポリーナとタイラー、もっと驚け!