「ウルトラロマンティック!」アラジン よもぎさんの映画レビュー(感想・評価)
ウルトラロマンティック!
何これ凄い…(ボキャ貧)
私はアニメ版は未視聴なのですが、同様にアニメ版見た事無い方でも『アラジンと魔法のランプ』ならば詳細はともかく、断片的な要素や概要は絵本等で見聞きした覚えのある人が多いかと思います。
私も幼少期の絵本の微かな記憶と、少年期の『ドラえもんのび太のドラビアンナイト』関連の記憶くらいしか前知識はありませんでしたが、ストーリーの大筋はそれで予想出来る範囲、王道ど真ん中直球。
捻りもなければ大番狂わせも無いファンタジーラブロマンス。
しかし、随所に施されまくった装飾やアクセントと言える要素がどれもこれも素晴らしい。
その基盤を成すのはやはり魅力溢れるキャラクター達。
登場して5秒で観客の心を鷲掴みにする強烈な魅力の塊、ランプの魔人ジーニー。
大長編ドラえもんの無機物系ひみつ道具のようにボディ(?)ランゲージで愛くるしい感情表現をする魔法の絨毯ちゃん(くん)。
卑劣で悪逆非道な言動でストーリーに緩急を与えてくれる大臣。こういう悪役は上映中は中々腹立たしいですが、最後にきちっと行いに対する報いを受ける事で作品の魅力になりますね。
そしてなんと言っても主役のアラジンとヒロインのジャスミン王女。
正直、登場直後はこの2人にそこまで大きな魅力は感じなかったのですが、物語中盤で互いの気持ちが繋がって恋に発展した途端、表情や仕草・雰囲気が一気に花開いたように魅力的になり、目が離せなくなっていました。
『あれ、こいつこんなにカッコよかったっけ?こんなに可愛かったっけ?』みたいな。彼女居ない歴イコール年齢なのに『恋って素晴らしい!』と感じました。
そんな魅力溢れ過ぎるキャラクター達が一切の出し惜しみをせず128分駆け抜ける映画、それがこの『アラジン』です。
もう一つの魅力がディズニー映画お約束とも言えるミュージカル要素。
作品の雰囲気によってはほんの少しだけな時もありますが、このアラジンでは最初から最後までミュージカルのオンパレード。
これだけのミュージカルが挿入されながらもストーリーのテンポは損なわず、寧ろ潤滑油として活躍します。
バリエーションも非常に豊富で観客のボルテージをガンガン引き上げ、最高潮のタイミングで主人公とヒロインがテーマ曲『ホール・ニュー・ワールド』を歌い上げるシーンは絶頂物でした。
とにかく楽しい。思わず手拍子をしたくなる楽しさは中毒性すらあります。見終わったばかりなのにもう一度見たい。
これらの魅力が相乗効果で増大し、グイグイと作品の世界に取り込まれました。
上でも述べたようにストーリーは王道的で、アラジンが最後の願いを言うシーンも恐らく観客の100%が内容を予想していたでしょうが、それでも、いや、だからこそ感動的なシーンでした。
大団円となるラストシーンではもう感情移入度100%で年甲斐もなく涙が溢れて来たくらいです。
これ程の完成度の作品には滅多に出会えない、そう思える程の文句無しの作品でした。
ラブロマンス的な話を予想していたので4DXは合わないだろうと思っていたのですが、絨毯ちゃん(くん)で空を飛ぶシーンなど4DX映えしそうなシーンも多かったので4DXでも観たくなります。