「200億円、史上最大の損失 ‼!」アラジン Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
200億円、史上最大の損失 ‼!
始めに断っておきます。ディズニー映画が嫌いなので、評価はあてになりません。そしたら評価をするなと言われそうだが......。
異類婚姻譚「美女と野獣(2017)」やグリムともペロー作とも伝えられている「シンデレラ(2015)」で主演を演じたのがイギリス出身の女優さんで、今回も、母親がインド系のイギリス人、ナオミ・スコットが王女ジャスミン役をそのたぐいまれなる歌唱力を持って、演じている。まるでお人形さんのようなキュートな方で、ディズニーのキッズ番組で鍛え上げられたものが、この映画では歌声と歌唱力が素晴らしく聞き入ってしまうほど映画に反映されている。
魔法使いジーニーとくれば、個人的には、ベストセラー作家、シドニー・シェルダンが制作したアメリカのシットコム「I Dream of Jeannie(1965)」のバーバラ・イーデンを思い出すのだが、この映画では、その役をウィル・スミスが演じるという、ある意味、耳を疑うような話だったが、CGでできた外見も伴って、実際に観てみると案外似合っていたし、彼の独特な言い回しのコメディー色も嫌味がない作りとなっている。彼を知ったのは、ある国で約30年前に彼が主人公を演じていた、シットコム「The Fresh Prince of Bel-Air(1990)」を見た時からで、彼はすでにその時には弱冠19歳にしてグラミー賞を獲得している。
どちらが先か知らないが、「レイダース(1981)」とクリソツなシーンが出てくるし、それと何といっても、主演の3人が、アメリカ英語を話しているのに、他の人たちは、あからさまに変なアクセント(中東の人が話す?)のものを使っているにもかかわらず、普通に受けいられている。ただ個人攻撃のようになるかもしれないが、悪役のジャファー役のマーワン・ケンザリさん、4か国語を操り、ポートレイトなんかを見るといかにも人柄がよさそうに見えるのだけれども、外見も伴ってあまり恐ろしく怖い人には見えないのも相まって役不足が否めないと感じる。失礼しますケンザリさん!
最近のディズニーのアニメの実写化が凄まじいという大げさな言葉が、そうでもないように聞こえるラッシュのように公開されていて、この映画も一般の視聴者からの支持が極端に高いことから、すでに大入り満員となっているようで、もちろん日本でもその期待を裏切らない、鉄板で、いつもの拝金主義のディズニーらしい視聴制限PGを獲得しているけれども、どうしても宮殿や宮殿で行われるシーンのいわゆる閉塞感を感じてしまうし、ダンスをしても何故か狭く、窮屈に感じたのだが、アラジンと公開日が同じインド映画「パドマーワト 女神の誕生(2018)」ほどの豪華絢爛さがなく、また空間の広さをも感じさせないし、また前出の「パドマーワト」のように衣装に懸ける贅沢さから比べれば、見劣りがするところも散見する。しかも、この映画に登場するインドの映画のつきもののダンスも披露しているけれども、ダンス自体、キレッキレではない。
ストリー自体、基のアニメのほうは、その年のNo.1ヒットとなったので、そのアニメを下敷きにするだけで良いので、かの世界最高額の損失を叩き出した、いくらガイ・リッチー監督でも居眠りをしない限り、また余計な演出をしない限り、ソコソコのものは作れ出せたのかもしれない。
サロン・メディアグループが運営するオンライン雑誌、Salon.comのコメント「ディズニーは、その実写「アラジン」のリメイクに3つの願いを必要としています:より良いジニー、より良い脚本と魂。」また一般の視聴者の意見として「私は映画館を出た時、2017年公開の「美女と野獣」で興奮したときよりも実写版「アラジン」のほうが、興奮していないことに気が付いた。そしてそれが何故そうなるのか、後程、判断しようと思う。」
アニメ版を見ていないので、はっきりとは言えないが、アラジンと王女ジャスミンがお互いの身元を隠す、愛らしいシーンもあり、見どころの多い冒険活劇として成立しているが、ただアラジンがプリンスに変身した様子や外面が、いやらしく見えてしまっている。あくまでも個人的意見として......。