「嵐の向こうはモンスターワールド」モンスターハンター フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
嵐の向こうはモンスターワールド
異世界行って帰ってくる話
待望はしてなかったけれど、日本のゲームがそれなりの予算でハリウッド映画化するのは嬉しいものです。
自分は学生時代にセカンドをプレイしただけの知識しかありません、どちらかと言うとゴッドイーター派なのですがなかなか楽しめた。
主人公のミラが苦難を乗り越えディアブロスやリオレウスと戦う姿は勇ましいです。仲間のトニー・ジャーも動きがキレキレでカッコいい。
詳しくないのでわからないが、装備や武器の再現率、モンスターの動きとかもゲームにかなり寄せていたのではないだろうか。
ゲームをしっかりやっているファンなら思わずニヤリとしてしまうかも。
車でディアブロスから逃げるシーンはトレマーズぽかったし、ネルスキュラの巣シーンはエイリアンシリーズを思わせる場面があったり、リオレウス戦ではサラマンダーを思い出した。
アンダーソン監督のモンスター映画愛が感じられました。バイオハザードシリーズでも思ったけど、監督のセンスは若干古いそしてダサい。
劇中ハンビーがグルグル回転するシーンとか、ミラとトニーの肉弾戦とか無駄に長いしそんなシーンよりモンスターとの戦闘を見せてよ。
ロンパールマンとか違和感しかなったですね、出番も少なかったし彼のやる気が画面から伝わってこなかった。
劇中一番カッコいいのはTIですね、武骨な軍人でスナイパー、脇役だけどかなりの存在感がありましたね。
山崎紘菜は冒頭から出番有りでバイオのローラとちがってそこそこ見せ場がありましたが、演技もっと見たかったです。
続編が有るのなら出番も掘り下げもできるだろうからそれに期待ですね。
鑑賞前に注目したいなと思った点
・現代兵器がモンスターに効かなく大剣や弓が有効な理由
・巨大モンスターの攻撃を食らったときの人間の反応
ゲームならばあまり深く考えずに攻撃したりされたりするけれど、実写映画となるとゲームとは違ったリアリティが構築されてしまう。
そのリアリをどう消化しつつどのように映像化したのかが気になっていた。
結論からいうと、かなり上手に映像化したと思う。
M2ブローニングやミニガンが効かない相手に弓矢と剣で挑んでも攻撃が通るわけないのだが、豆鉄砲より圧倒な質量感ある原始的武器の方が本能的に安心感が有る。
映画的に銃撃戦シーンはある程度飛び交う銃弾が見える事が多い。だが本作は弾の存在を薄くすることでハンター側の武器の存在感を際立たせていると思った。
ゲームのようにぶった切りアクションとまではいかなが、弱点を探しつつあれやこれや駆使してモンスター撃破するのは納得の展開だった。
尻尾で薙ぎ払われたり、噛みつかれたり、燃やされたり、仲間の犠牲になるシーンが多く、一撃死感が強かった。
攻撃を食らってもすぐ立ち上がるゲームと違って確かなダメージを受けた感じ、痛いながらも立ち上がる、いい演出と演技だったとおもいます。
剥ぎ取りや焼き肉、ドリンクなんかのゲーム内要素も描いていて、制作側の心遣いを感じました。こう言った細かい所を出されるとゲームやりたくなるんですよね。メインの討伐より準備段階とか好きなので。
そんな弱小装備でリオレウスに挑むのはかなり無理があるだろと思ったけど、ノーダメージクリアが出来れば装備なんて関係ないよね?映画を見た人たちは劇中の装備で攻略を挑戦したくなるかもですね。
ストーリーとしては可もなく不可もなく、心の震えるシーンやメッセージは感じなかったけれど、映画化してくれてありがとうって感じです。
アニメとゲームで世界をリードしてきた日本だけれど、最近はやや劣勢。この映画で世界の幅広い年齢層が日本のゲームに注目してくれたらいいなと思います。
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劇中セリフより
「家」△
帰る場所が有る人は強い。
帰る場所を奪われた人も強い。