「中川ソニック+山寺ジム・キャリーの意外な親和性」ソニック・ザ・ムービー しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)
中川ソニック+山寺ジム・キャリーの意外な親和性
吹き替え2Dで鑑賞。
私はビデオゲームは好きですが人生の中で「ソニック」という作品に深く関わってこなかった者です。
(アニメは熱心に見てたかな、くらいで、あとはチョイチョイつまみ食いした感じ)
そういった人間から見ても、今作はかなり楽しめるエンターテインメント性を持った映画に仕上がっていたんじゃないでしょうか。
まずはこの手の映画で映画ファン、原作ファンから反感を買いがちな「吹き替え問題」。
今作は無縁と言ってもいいでしょう。
ソニックの声を演じた中川大志さん。
「ソニックの声は金丸淳一さん以外認めない」という気持ちもわからなくはないですが、
「元々声のイメージが定着しているキャラクター」というハードルはひとまず突破できたと言える演技だったと思います。
元々イロモノ演技もこなしている俳優さんなので、そういった方には相性は悪くないんだと思います。
そして言わずもがな山寺宏一さんのジム・キャリー演じる「Dr.ロボトニック」には結構な時間笑わせてもらいました。
ロボトニックに限らず他のキャラもしばしば挟んでくるダジャレや軽口はソニックという作品(もしくはソニック自身のキャラクター性)のトーンに非常に合ってるので、違和感はなく見れました。
また、演技や演出についてはバカっぽいテンションに終始しており、これもまた「荒唐無稽なエンターテインメント作品」という面と、そして「俳優ジム・キャリー」の持つ特徴とマッチしていて面白かったと思います。
(特に中盤のラボでの解析シーンは「緑色のマスク付けてないのにハイテンションだなぁ……w」と笑いを堪えるのに手こずりました)
クライマックスでソニックが覚醒するシーンなどはもう少し相棒であるトムの「必死さ」が伝わってくるような演出にして欲しかった(例えば傷だらけ、もっと言えば血を流しながらもソニックを庇うようなシーンであればもっと覚醒シーンでテンション上がったと思います)とは思いますし、
あとは育ての親であるロングクローはソニックと絵のテイストが違う上に、ちょっと唐突過ぎて無理があったと思いました。
(ロングクローももっとトゥーン調にCG変えるべきでしたね)
ざっと調べただけでも原作と違う部分は多々ありますし、おかしな所がなかった訳ではありません。
ですが、作品の出来はかなり良かったんじゃないでしょうか?
補完されるべきところ(ロングクローを襲った者たちの正体はライバルのアイツなのか、最後に出てきたアイツは…)といった部分は恐らく作り手が意識しているであろう次回作に期待しましょう。