「トラウマ級の怖さ」アス うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
トラウマ級の怖さ
いつもなら酷評する内容のはず。それというのも、開始早々深い眠りに落ちてしまったから。不気味な導入部を期待しながら、「やつら」が襲ってきたころまでは覚えているものの、そこから先は闇。目覚めてみたらもう、不条理な戦いが始まった後だった。
それでも、この怖さはなんだ?
感じたことのない怖さ。いや不気味さというか、現実の中にはさまったわずかな違和感のような感覚。どうして彼らは直接的に攻撃してこないんだろう?どうしてハサミを持っているんだろう?
どうして?どうして?
私が映画を見た感想を誰かに伝えるとしたら、ほとんどはお話の見事な構築ぶりと、何と言っても大画面から伝わる映像の迫力。お話はほとんど理解できないままだったのに、こんなに感情を揺さぶられた映画も珍しい。それどころか、もう一度コンディションを整えて、映画館に見に行きたいとすら思っているのだ。
『ゲット・アウト』の時に感じた、期待外れ感。不条理なおとぎ話に対する不満を、この映画では拡大してむしろ説明を省いたような印象を受ける。「見たまんま、感じて行ってよ。」とでも言いたい監督の言葉が聞こえてくるようだ。
そういう意味で、分からないなりの面白さが、この映画にはある。
2019.9.24
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