「見事な結末」ヒックとドラゴン 聖地への冒険 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
見事な結末
常にほろ苦い勝利と成長を描いてきたこのシリーズだが、最終作である本作のほろ苦さは格別だ。ドラゴンと人間の共生というテーマへの決着のつけ方として、とても納得できる結末だったし、その結末が大人になるとはどういうことかを描いていて、ヒックの成長物語の結末としても大変素晴らしい。
前2作では、主にヒックの成長が描かれたが、今作では相棒のドラゴン、ヒックの成長物語にもなっている。愛するドラゴンと出会い、不器用な愛の表明を経て、ヒックもまた大人になっていくのだ。セリフなしで描かれるドラゴン同士の求愛シーンは本作一番の見所、動きもライティングで見事で見惚れるほど美しいシーンだ。
本作のライティングは大変素晴らしい。炎のゆらめきも光の反射もほとんど現実世界のものかと見紛うレベル。飛翔シーンも相変わらず爽快感満載。米国の3DCGアニメーション映画でも格別の出来栄えのシリーズとなった。
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