ガルヴェストンのレビュー・感想・評価
全51件中、21~40件目を表示
いくつになっても、人生はやり直せる?
「男は死に場所を求め、女は生きる希望に縋った」「この娘を守って死のうと思った。この男を信じて生きると決めた」のコピーに、まんまと誘導されたせいで、ありきたりではないラストの展開が重くのしかかってきた。ふつう、この手の逃亡劇の場合の王道ってあるじゃない?そうじゃないの?って意外性。ああ監督(もしくは作者)は、この人(役者)をこうしちゃうんだ、で、こういう後日談を用意しちゃうんだ、って思う新鮮な感情。女性監督ならではの視点もいい。演出もカメラアングルも。同じ筋書きでも男性監督ならばドンパチとカーアクションは欠かすまい。
逃避行のロードムービーかと思いきや、避暑地ガルヴェストンで身を隠すのだが、ロイにとってそこが特別な場所なのも、センチメンタルでいいなあ。ロッキーと出会って、何か忘れていたものが目覚めた感がある。本人は気付かずとも。
それまで殺したり壊したりする生き方をしてきたロイが守るものを見つけ、それまで騙され惨めな生き方をしてきたロッキーが信じられる人に巡りあえ、二人ともその短い時間は幸せを感じれたことだろう。だけど、二人がその境遇でなかったら、味わえない、味わう必要もない幸せなのだと思うと、それはまた気持ちは複雑になってくる。
衝撃の真実に仰天
ロイとロッキーと妹、三人の関係性の描き方が絶妙で素晴らしい。そして、ラストで明かされる衝撃の真実には仰天。美し過ぎる女優エル・ファニングの演技力と存在感はさすがの一言で魅了された。貴重なビキニ姿を含めてどんな衣装を装っても芸術的で素晴らしい女優です。
2019-179
誰かの為に何かをする。それは果たして良いことなのか…
死を覚悟すれば、怖いモノなどなくなる。
死を恐れるから意に反したこともできる。
しかし、それが誰かの為だとなるといささか様子は変わってしまうようだ。
安易な方法で大金を手にしてきた人生は、いつだって死と引き換えられていてどこか緊張感が生きてる実感となってしまっていたのだろう。
半端に勇気などない方が良いに決まっているがないよりはましだろう。
どんな人間だって生きた証が欲しい。
しかし、哀しみは限りなく深い。
悲しい話であった
あのイングロリアスバスターズでその名を広げたフランス人女優メラニー・ロラン氏の監督作。
お話はよくある逃避行のようだけど、逃げてる間追う側がほとんど?全く?映らない。ガンアクションやカーチェイスも少なく、ガルヴェストン(テキサス州)の街並みや浜辺は綺麗なんだけど、特に映像的に真新しいことはない。(クライマックスのクリーニング工場ワンカットシーンはそれなりに見応えありましたがね)
どころか最初から逃げるのを諦めてるように見えた。
そして、ラストに気づく「あぁそうか、これは"逃げる"じゃなく"守る"話だったのか。」と
エルファニングの女性としての魅力が引き出されてた。女性監督ならではの視点だったんじゃないかな。
「人生最後の恋と、初めての大人の恋」
胸が痛い
いつからだろうか「あの頃楽しかったよな」に胸がざわつくのは
癌宣告を受けた気になった殺し屋?と
ひどい生活を抜け出したいともがいている女の子とその妹話自体は
そんなに魅力的なお話ではないが
この、胸の痛みはなんだろうか
彼女の魅力なのだろう。
あの輝いていた頃の彼女に向かって進んでいく姿に胸が痛くなった
永遠のマリアとの儚く不器用な出会いでした。
西洋のダンスは日本ではなにに当たるんだろうか。
ファーストカットはラストカットの歩いている様で良かったのでは
いくつか、気になることはあるが
ともかくよかった。
テキサス州ガルベストン
2008年ハリケーンアイクって実際にある災害や
話は20年前に遡る
テキサス州オレンジ郡
撮影は毎度のごとくジョージア州
ベンフォスターの映画でエルファニングファンが観たら卒倒するからやめといたほうがいい。エージェントは何故こういう役ばかり紹介するのか謎
女性監督が撮ったとは思えない
時折ある1カット長回し
光を意識した写真的カット
美しく切ない逃避行
とても美しく切ない映画だった
自分は肺がんだと知ってしまっだった裏社会の男ロイ(ベン・フォスター)と、身体を売ることでしか生活していくことができない少女ロッキー(エル・ファニング)の逃避行
彼らは荒んだ社会の底辺に生きている
その中で、寂しげにたたずむロッキーは、まるで荒野に咲く一輪の花のように、とても儚くて美しい
彼女はきっと、ロイにとっては触れてはいけない、触れたら壊れてしまうような存在だっただろうと思う
だからこそ、残りの命をかけても、彼女を幸せにしたいと思ったし、そんな泥沼の世界から救い出してあげたいと思ったのだろう
しかし、現実はロイが思うよりも厳しい
そのどうにもならないロイの思いが、とてももどかしくて切なかった
ガルヴェストンとは、ある海辺の町の名前
ロイにとって、そのガルヴェストンは、どんな存在だったのだろうか
そこは、生きるために暮らす場所だったのか、それとも、最後の死に場所なのか
きっと、ロイはガルヴェストンで「なぜ、自分は生きているのか」と考えたと思う
なんて、人生とはままならないものなのか
そのロイの気持ちを思うと、自然と泣けてきてしまう映画だった
あまり予備知識なく観た映画だったけど、予想以上に掘り出し物の映画だった
ホワイトトラッシュロードムービー
逃避行を丁寧に描きながら、疑似家族的な関係性を徐々に作り上げようと藻掻く主人公とヒロインの物語である。原作は未読であり、ネット情報だと監督の余りにも原作改編が過ぎるので、作者が降りてしまったといういわくがあるそうだ。まぁ、小説を一字一句間違えずに表現することが映画ではないから、あくまでも別作品として観るべきではないだろうか。特にラストが原作と違うようで、小説では訪ねてくる妹(実はヒロインの娘)の事を自分の娘のように思って心配してしまう主人公の心情、映画ではあくまでヒロインの忘れ形見として、その娘の先に赤いドレスを着たヒロインの面影を追ってしまっている主人公、要するに前者は未来への淡い願望、後者は過去の郷愁への強い拘りという、逆ベクトルな落とし処に隔たりがあったようである。勿論、その両方とも正解なのだろう。
それにしても、やはり今作もエル・ファニングが光る存在感を放っている。濡れ場こそ無いのが残念だが、それでもいわゆる“汚れ”役をきちんと演じるその役者魂に感服である。相変わらずのキュートさも披露しているし、多分尤も活躍するアクトレスの一人として成長してゆくと断言できる女性であろう。エマ・ストーンの様にビッグになるのだろうね。
さて、今作の秀逸さは映像の色彩設計かと感じる。ザラザラした質感や、しかしテキサスの太陽のギラギラと青が鮮やかなメキシコ湾の海、その自然の大胆さと同時に、行なわれている底辺の人間の生活の凄惨さ。その対比の中で、藻掻きながらもしかし一縷の希望を信じて生き抜こうとするいじらしさ。しかし自然と同じでやはり弱い者は踏みにじられ陰惨な目に有ってしまう理不尽。本当に愛すべき人間をみつけたと同時にまるで掌から砂が零れるように消えていく儚さ。逆に醜い自分に病魔が襲うことでの一種の安堵感やだからこそ出来る無茶が、実は勘違いだったことでの呆け感と、醜態を曝しながらしかし生きることを決めること。20年も塀の中にいても、多分そのヒロインのことを忘れることが出来なかったのだろう、その逃避行は主人公が男として一番輝いていた時間だったのだ。いろいろな感情がまるでトルネードのように地表の全てを巻き上げながら昇華していくような、そんな描写が脳裏に焼き付く、上質なアメリカ作品である。ベクトルの先はクリント・イーストウッドだろうか・・・
PS:劇伴のチョイスや、効果音としての”耳鳴り”を登場人物の心情に重ね合わすような演出はとてもマッチした素晴らしいものである。
とてもよかった
タフな男のやるせない感じの話で、趣味じゃないのかヒロインに全く手を出さないところがよかった。売春婦を買ったのにちんちんが立たないのが悲しい。3歳の女の子がとてもかわいかった。海が寒々しい色合い。
自称プロの若い男があっさり殺されていて可哀そうだった。末期がんだと思っていたら全然違っていて、びっくりした。監禁されてから脱出するところの長いカットがすごい緊張感だった。
良い映画
ホテルの部屋で、過去の苦悩を鳴咽混じりに告白するエル・ファニングの演技にしびれました…。
20年後のストーリーは、やや蛇足かなと思いましたが、最後あのハリケーンの中を歩いて行くベン・フォスターにしびれました…。
*シネ・リーブル梅田にてレイトショー鑑賞。
本当にガラガラだった…にも関わらず、あえて真隣の席を取る奴の神経が知れない…しかも、その列は、そやつと2人だけ…即、移動したったわ!
…ホンマ、ハッテン場か!ここは!(笑)
あっ、言っておきますけど、そちらの趣味はございませんので…ご期待に応えられず、あしからず(笑)
あっ〜、気持ちワル!!!
やるせないクライム映画
この結末が良かったのか・・・
なぜ彼はそうした
あまりにも彼女が救われないから
一つの希望くらいかなえさせてやりたかったから
何処にそんなに惚れてしまったのか
でも、最後はもう一つ欲しかった
アメリカ映画なのに石井隆を思わせる。
「おまえの母親は闘った」。
なんて素晴らしい台詞だろうか。
ラストのセリフに涙があふれた。映画館はとっくに泣いていた。
石井隆作品のように悲惨なのに純粋で、美しい。
愛を浮かび上がらせるには、暴力シーンがやっぱり有効なのか。語弊のある言い方だが、暴力と純粋な愛は相性がいい…。映画って複雑…。
エル・ファニングがキュート。
厳しすぎる過去を抱えているようには見えないほど。
でも、だからこそ切ない。
海辺のシーン、素敵だった。
不思議な映画
冒頭ロッキーを連れて逃げる理由がなくて何かしっくり来ないままでしたが、何故か最後は感動して終わるという、何とも言い難い不思議な映画でした。true detectiveの脚本家だと言うから本は良いけど監督がイマイチ系かなと思ったりもしたけれど、不思議な心地よさがあってこれは監督の力だよなと思ったり。まあ不思議。
運命
自分が余命少ないと思い込み、少女を巻き込んで逃避行。その少女も罪を犯してしまう。果てには少女は殺されるが、男は治る病気だったと判明し、今までの罪を償い、少女が生んだ子に少女が辿った経緯を話す役目を負う。数奇な運命。
クライム過ぎるムービー
美しい映像とは対照的に、内容は悲しすぎる作品かと─。
エル・ファニングの美も悲しみで吹っ飛んでしまっているような印象。
時の経過と男の役割はいったい何だったのか?
悲しみ意外に何かを感じとるのは難しかった。
やっぱ馴染みます
他愛もないと言われても仕方がないが、これは好きな作品と言える。こんなアメリカ映画を死ぬほど観てきたし、これからも観続けるんだろうな〜
とにかく主人公のヤクザな中年男ロイ(ベン・フォスター)が渋い。甘さがないから共感できる。
彼と逃避行する少女ロッキー(エル・ファニング)は義父にレイプされ子供を産み、そして義父のもとから逃げてきたようだ。いわゆる「女」を感じさせないファニングは好き嫌いが分かれると思うが。
果たしてこの物語をどう終わらせるかだが………その終焉は実にあっけなくクールだった。
監督は繊細なイメージの女優メラニー・ロラン。ハードだがやはりセンチメンタル!ガルヴェストンの海と太陽とロッキーの笑顔が!
全51件中、21~40件目を表示