「第二次世界大戦後のイギリスの田舎町に余所者の寡婦がやってきて、 そ...」マイ・ブックショップ nopasanadaさんの映画レビュー(感想・評価)
第二次世界大戦後のイギリスの田舎町に余所者の寡婦がやってきて、 そ...
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第二次世界大戦後のイギリスの田舎町に余所者の寡婦がやってきて、
その町に久しくなかった本屋を開く。
という設定だけ聞くと、何か、ぬるい感じの物語かと思いきや、
どうしてどうして、引き込まれる。
物語も登場人物も全体的に静かなのだけれど、
なんだろう、登場人物から発せられる情念みたいなものなのか、
何かパワーを感じる。
寡婦フローレンスの書店経営を邪魔しようとする地元名士夫人のバイオレットの
凛とした雰囲気、静かなる嫉妬、冷酷さ、頑迷さとか。
読書だけで日々を過ごすひきこもり老紳士エドマンドとフローレンスの
静かなプラトニックな愛とか。
何となく主人公の成功物語を期待してしまう観客の一人としては、
様々な困難に見舞われるフローレンスに
救いの手が差し出される展開を望むのだけれど、
何もなされない。
結局、フローレンスは書店を廃業させられて田舎町を去るのだから
アンハッピーエンドなんだろう。
でも、観終わった嫌な気分にならないのはなぜだろう。
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