「世界はキアヌを許す」ジョン・ウィック パラベラム ウシダトモユキ(無人島キネマ)さんの映画レビュー(感想・評価)
世界はキアヌを許す
人気シリーズも3作目となると、ストーリー的にうんぬんとか、そりゃあ指摘事項も多くなるだろうけれども、あえてその全てに「お茶目でいいじゃん」と回答したい。
僕はキアヌ・リーブスが好きだ。
あなたもキライじゃないでしょう?
そんなキアヌが、「コレコレ!こういうアクションかっこ良くね?」って観せてくれるアクションを「世界はお前を許さない」なんて言うはずがない。
それでいいじゃないか。
もしもジョン・ウィックシリーズが、
「復讐は新たな復讐の連鎖を生む。過去の幻影に囚われた男の哀しき逃避行」
みたいな、
愚直な男の悲哀とか、
暴力の虚しさとか、
そういうメッセージを伝えようとする映画だったとしたら、そりゃあ、「ちょっと考え直そうか」って言いたくなるでしょうよ。
でもどこをどう見たって、
オモシロしか追求してないでしょ!!!
もう、
「馬小屋バトルで馬キック」
とか、
「板前ニンジャ団」
とか、
「犬パックン」
とか、
笑顔にしかなれねぇ!!!
唯一僕が1作めから気に入らなかった点は、ジョン・ウィックの“ドテドテした走り方”だ。『ビューティフル・デイ』のホアキン・フェニックスならこういう走り方でいいけど、おおよそジョン・ウィックという“有能な殺し屋”には似合わない、どことなくアホっぽい走り方だ。
でも、それすらも「お茶目だからいいじゃん」で無罪。
観客をバカにした作り手がふざけてるだけの「バカ映画」は地球から消滅して構わないけど、映画バカの作り手が大真面目に好きなことをやってる「バカ映画」はずっと観ていたい。それを僕は「お茶目」だと感じるんだと思う。