「”FORTIS FORTUNA ADIUVAT”? 再演なるのか!?」ジョン・ウィック パラベラム Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
”FORTIS FORTUNA ADIUVAT”? 再演なるのか!?
動画サイトでキアヌ・リーヴスが中国に命名権を譲渡した劇場、TCL・チャイニーズ・シアター前でこの映画のセレモニーとして、今まさにサインと刻印をしている映像が流れていた。自分が発案し製作にも参加した映画ジョンウィック。思い入れの多い映画の主人公、ジョン・ウィックを自ら演じるキアヌ・リーヴスの第三作目の作品となる。
一作目も二作目もジョン・ウィックが、狙った敵を鮮やかな“ガンフー”アクションで敵をバッタ・バッタと倒し、最後の標的を仕留めるワクワクするようなアクション・ファンタジー映画に仕上がっていたのだけれども、今回は、謎の組織“ハイテーブル”から命を狙われるという、追う立場から、真逆の追われる立場に立たされるシナリオになっていて、攻めから守りのような感覚にさせられるため、いつものアクションに精彩を欠くのではないかという不安感や落ち着けない心が、アクション映画を単純に楽しみたい思いを逸らしがちになる。あくまでも個人として......。今回も批評家からも視聴者からも高い支持を受けているのでその心配がないのが本作を見てからわかるものとなる。
>BOUNTY .........................$14 MILLION USD
>DISTRIBUTION ...............WORLDWIDE
>STATUS .........................OPEN
>LAST SEEN ....................CHINATOWN
>UPDATE .........................EXCOMMUNICADO
CONTRACT ......
それとほかの映画とよく似たシーンが出てくる。聞き流してほしいのだが、それなら書くなってか? このシーンは、個人的に許せる範囲を超えていると思える。そのシーンとは、バイクに乗りながら、敵とジョンウィックが絡みつつ、疾走してトンネルに入っていく描写がクリソツで、その続きのトンネル内でのバイクシーン、日本刀を使うのも同じなら、その刀でバイクの車輪にかませて敵のバイクを転倒させるシーンも同じように出てくる。そのお手本となった「The Villainess(2017)」という映画は韓国映画界においてその実力から”point of view shot”アクション映画の最高峰との呼び声が高いものとなっている。またバイクシーンのメイキングも自ら紹介するほどの自信作とみえる。ちなみにここでご登場のバイクは” Yamaha MT-09”という車種で敵が載っているのは、アメリカの” Zero R”。
少し違和感のあるのが、ラストシーン。暗殺者ゼロとの戦いは、「Enter the Dragon(1973)」の鏡の間とクリソツとまでは言えないにしろ、インスパイアはされていると...。その他には、ジョンウィックが馬に乗って敵のバイクを追いかけるシーンは、個人的には、馬への光のあて具合がぎこちなく、馬だけが浮いているようで、あからさまに合成映像とわかる稚拙なものに見える。そんな取るに足らないことは、ほっておくのが得策で、そうは言っても日本円で350億円を軽く超える興行収入が予測されている本作。皆さん、もろ手を挙げて称賛しています。
Be seeing you.
アメリカ版“料理の鉄人”のMCやいたってC級アクション映画の主演をしているマーク・ダカスコスとの一騎打ち。流れる雲を象徴しているような抽象的のものを映し出す大スクリーンを背にして、その前での2人の格闘は、耽美的アクションといえるもので、マーク・ダカスコスの年齢を考えると、その切れ味は見るもがあるけれども、(上から目線です。)その前に2人の刺客との戦いは、少し間合いが空いていている部分が散見する。この映画、おかしく思えるのは、なぜ彼に日本語を使わせたのかとか、絶対にありえない場面として、すし屋のシーンでカウンターに猫を飼い、その猫に寿司ネタを餌変わりにしたのは???の連続となってしまう。なぜわざわざ日本人の設定にしたのか? 彼が日系人の母親を持つのは知っているけど、どちらかというと中国語のほうが得意なはずでは?
話は変わって、ハル・ベリーがインタビューに答えて、「私、犬とお話が出来るの!」(あくまでも彼女流のジョークです。)というほど、ドッグトレーニングを積み重ねた結果、この映画の見どころの一つ、ベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノアとのアクションの融合というか、その訓練の成し遂げた成果なのか、映像から湧き出るかのように映し出されているように錯覚するほど人馬一体ではないが、人犬一体のアクションとなっている。この犬種もまたジョン・ウィックの愛犬アメリカン・ピット・ブル・テリアと同じく主人に忠誠心の塊の性格をしている。それとは別に凄惨な殺人のシーンの中にコミカル?なものも今回は取り入れている。
題名のパラベラム、ラテン語の“'Si vis pacem, para bellum ”から由来している強力兵器、9x19mmパラベラム弾をこれまた強力武装をしている敵集団を一掃するために使われ、そのたぐいまれなる威力は、”弾は高速・小口径で貫通力に優れており、射撃時の反動も比較的小さいため命中率が高い” というもので自ずとガンファイトシーンは血吹雪満載のゴア表現となっているので、ファン必見となっている。ちなみにジョンウィックは、今回の映画では、”Glock 19X” という小銃を一通りのシーンで使用されています。
ファンとしては待望のジョン・ウイックシリーズの最新作、このような意見もある。アメリカのブログ、Film School Rejectsのコメント、「キアヌ・リーブスとその仲間は、映像の奇跡をもう一度成し遂げている。」エンタメ情報サイト、The Filtered Lens「この映画は、心の底から面白い、しかし、それでもシリーズは少しばかり、今でも、気ままになりすぎていないか不安に思っている。」どの批評家も絶賛しているのは間違いがない。
amazon.comでは、すでにでレンタル配信が始まっていて、510にのぼるレビューでは、その内☆5が55%、☆1が20%という内訳となっている。
最後にハル・ベリーの御言葉より「いくらオスカーを獲ったって、つまらないものはつまらない。」とこの作品に対しても、揶揄できるのか?