「内容どうこう以前に余り面白くない」新聞記者 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
内容どうこう以前に余り面白くない
ウィンストン・チャーチルは、選挙とはロクデナシの候補者の中から一番マシなロクデナシを選ぶ行為と言ってる。そのためには情報を正しく精査する力が必要になる。
情報がテレビや新聞など一方的で恣意的なものしかなかった時代と比べて、今はインターネットがありますから自分で判断をしやすくなったはずだ。
その一方で、多くの情報の中には、いい加減な嘘、無知によるデタラメ、悪意ある煽動なども含まれるわけで、どこかの誰かが言っていたから本当とはならない。もちろん映画で描かれているから本当ともならない。
そういう意味で、情報を正しく判断しなさいというような内容の作品だったかなと思う。愚民になるなと注意喚起するようなね。好意的に解釈するならだけど。
内容についてツッコミたいところも多々あるが長くなるしネタバレになるので書かないことにする。
暗い雰囲気で内調を悪の組織かのように描写したり、別に悪いことでもないことまで悪いことのように言ったり、中立性はなく激しく片側に寄った、煽動的な内容ではあったけれど、まあ映画だし、悪くはなかったんじゃないかとは思う。
ただ、あんまり面白くないよね。
何かあったっぽい。何かあるっぽい。何かされたっぽい。っぽい、っぽい、っぽい。憶測と思い込みばかりで、調べを進めて確証を得る行動をほとんどしない。結果的には都合よくおさまるものの、そこに至るまでのハラハラとかドキドキとか、映画的高揚感というのがないんだよね。面白い演出なんかも特になかったしね。
見方によっては、何か出そうで中々出ないホラーコメディ的で面白いと言えなくもないが、フフッと場違いな笑いが出てしまうのは加点できることではない。
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