劇場公開日 2019年6月28日

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「この映画のやり方こそが危険」新聞記者 haleさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0この映画のやり方こそが危険

2019年7月13日
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単純

非常にきな臭い、違和感のある映画でした。
作り物と現実を一つの映画の中でごちゃ混ぜにしながら、観る者の過剰な恐怖心を煽り、恐怖心を植え付け、その上で、正義だ悪だの極端に偏った印象操作を入れてくる、、
この映画のこの作りは、洗脳のやり方と、かなり似ているのではないかと思いました。
どこぞのプロパガンダ映像のようです。

どこまで本当の事なのかこちらにしてみたら真偽のわからない、判断のしようがないあやふやな物と、現実に起こった出来事とを、頭の中で紐付けさせ、リアルとあやふやな物を一つの映画の中でごちゃ混ぜにしています。
ごちゃ混ぜにして恐怖心を植え付けた結果、よくわからないあやふやな物までも、あたかも本物であるかのように、見せてしまうという。
この映画の、このやり方は、どうなのでしょうか。
事実として「内調関係者への取材は出来ていない」と、制作サイドははっきり語られています。

普通の大人であれば、このフィクション映画のあやふやな内容を、頭から信じ込む事は無いだろうと思いますが、それでも、疑う事を知らない人、感化されやすい人、物事の判断がまだあまりつかない若い人などは、これをそのまま、あたかも事実であるかのように、信じ込んでしまう人もいるのではないでしょうか。
そうした危険性について、制作サイドはどう考えてこれを作られたのか、、
信じ込んでくれたら大成功で万々歳、なのでしょうか。。
映画はエンターテイメントであって、印象操作や洗脳のツールではない筈です。
嫌な映画でした。
もし仮にこのような映画がもてはやされ賞賛される国になってしまったら、それこそこの国の危機を感じます。

そしてモデルとなった実際の某社の女性新聞記者ですが、事実を客観的に伝える職業であるはずの新聞記事が、このように明らかな印象操作の入った映画に積極的に参加されている事にも、個人的には、非常に違和感を感じました。
自身の思い込みや主観でなく、ただただ事実のみを伝える職業である筈なのでは。
『事実』ではなく『作り上げたイメージ』で何かを主張し、片方にとってのみ都合の良いフィクション話を作り上げる事を良しとする、その時点で、記者としての信用はどこにもないのではと、個人的には思いました。

hale
_barneysさんのコメント
2019年8月13日

仰るとおりです!
参院選前のタイミングで封切、配給元も…
私は右でも左でもありませんが、キナ臭い作品でした。

本作を何度も観ないと分からないかたは何を観てるのか?

_barneys