「国民、官僚にむけて」新聞記者 ルーローハンさんの映画レビュー(感想・評価)
国民、官僚にむけて
見る前どうかと思っていた、主人公の外国人起用については、外国育ちという設定も含めて、外国人だからこそ客観性が生まれて説得力が増した思います。日本人という同種の中に一人、少し日本語がつたない人がいる事自体で微妙な空気を表現できていた。普通に日本人女優の起用だったら、ありきたりな邦画になっていたかもしれない。テレビの中で討論している人達を俳優が演じるのではなく、実在の本人なのも映画に深みを与えた。
事実とフィクションの間に位置し、この話を商業映画として成り立たせるという事はおおむね成功したのではないでしょうか。
他社の記者の存在と各社、業界全体の空気感が描かれていたらとは思いましたが、あまり色々詰め込んで複雑な構図にしなくて良かった。できるだけ多くの人に見てもらい、日本の現状から目をそらさず考えてもらうために。
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夢生民さんのコメント
2019年7月11日
この映画がヒット、つまりロングランしたとき、日本は生れ変れると思います。プロデューサー等へのインタビューが各週刊誌に掲載、もっと言えばついにテレビに出演。…。しかし現実はそんなに甘くありません。地元岡山で、そして愛媛にも8年間住んで、権力に対抗するには、命がけです。都会に人々が、「踏んでいる」「福島」はじめ、地方のことを自分の問題として捉えない限り、この国は何も変わりません。地方はすべての「負」を受けて疲弊して行くだけです。