劇場公開日 2019年6月28日

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「内調が暗い」新聞記者 aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0内調が暗い

2019年7月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

最近あまり無かった、現代政治への疑問を呈した物語。民主主義といいながらも、政府が内調を使って密かにプロパガンダをやってるという内容。

題材はちょこちょこ実際の事件を元にしているが、全体的にはフィクションなので、政治色が濃すぎるわけではない。トランプ大統領のロシアゲート疑惑もそうだが、ネットを使って政治的に優位に立とうというのが、あっという間に当たり前になった。ナチスは広告宣伝で国民の支持基盤を固めていったが、情報がリアルタイムで伝達する現代世論の操作はより拡大しやすいのは確かなので、気を付けないと一歩的な意見に巻き込まれやすい。その視点では内容的に少し物足りなかった。
多分演出だろうが、内調のオフィス内が妙に暗く、反面廊下がやたら明るいので、リアリティが失われた感じがした。

役者陣も良く頑張っていた。松坂桃李、本田翼が夫婦役で、なかなか良かった。田中哲司の内調の上司役は、いかにも腹にイチモツありの感じが素晴らしい。主演のシム・ウンギヨンは演技は良かったけど、イントネーションには、どうしても違和感あって、少しトーンダウン。途中でイモトアヤコに見えてしまってから、なんか気になってイマイチ感情移入しにくかった。残念(笑)。日本の女優さんでやるとすると、市川実日子とか、門脇麦あたりのイメージかな。

AMaclean