「「空母いぶき」に共通する邦画の挑戦と限界」新聞記者 AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
「空母いぶき」に共通する邦画の挑戦と限界
忖度と同調圧力が増すこの国で、現政権に異議を唱えること(フィクションではあるが、定例会見における菅官房長官との“対決”で注目を集めた東京新聞記者・望月衣塑子の著書が原案)に重点を置く劇映画を製作すること自体が、とてつもなくハードルの高いチャレンジだっただろう。主演の一人である松坂桃李をはじめ名の通った俳優を集め、公開までこぎつけたことに心より敬意を表する。
ただ、肝心の女性記者役に日本人女優をキャスティングできなかったことが、邦画界の限界を示してもいる。一定以上売れている女優に“反体制”の色がつくのを、所属事務所が嫌ったのでは。韓国人女優シム・ウンギョンは健闘したし、帰国子女という設定にして日本語ネイティブでないこともエクスキューズしたが、望月記者のトレードマークとも言えるあの執拗な質問を劇中で再現できなかったのは言語の壁が一因ではなかったか。意欲作ではあるが、傑作への道は遠い。
外国人の記者は実際に存在するのでしょうか?
日本人の設定なら在日の女優もいますし原作は知りませんが松坂の起用はやはり人気度からして興行優先目的?やはり政府の重要職ならもう一回り年上の年期のある方の方が現実味が!?
なるほど…。
そういう考えもあるのねと思いました。
ただ、完全にフィクションではないでしょう。
ここにコメントしている人も、内調の人かも知れませんね(笑)
私は違いますが、最終的に映画のように、それを証明する術はありません…。
邦画で、権力に挑むジャーナリスト主役の映画は本当に稀有です。政権にすり寄る人たちが
多い中、よくぞ、完成させたと敬意を表します。が、みなさんがおっしゃる通り、肝心の女性記者の設定がいかにも不自然です。 シムさんは頑張ってましたが、やはり日本語のセリフが気になって気になって、物語に入り込めませんでした。
きっと彼女が韓国映画で韓国語で生き生きと演じるときは、いい演技なんだろうな、いい女優なんだろうな、と想像はできましたが、(見てないのですみません)、この「新聞記者」では違和感が否めませんでした。
彼女に決まった裏事情は知りませんが、もし日本の女優が見つからなかったのなら男性記者にしても良かったのでは? もっと事件を追いかける躍動感が出たと思います。
男性記者を演じる男優なら、いくらでもイメージできます。あの人でも、あの人でも出たと思いますよ。二宮和也はちょっと難しいかな?
金曜夜の銀座のせいか満席でした。パンフレットは売り切れでなく、代わりに望月記者の
本「新聞記者」を買っていく人が多かったです。
プロデューサーがインタビューで、松坂さん演じる役と恋愛感情を連想されるのを極力避けるために、初めから日本人キャストをキャスティングするつもりはなかったと発言してますよ。反体制の色がつくから、というのは深読みしすぎですね