「役者の演技が秀逸。最後まで飽きさせない。」人間失格 太宰治と3人の女たち みやさんの映画レビュー(感想・評価)
役者の演技が秀逸。最後まで飽きさせない。
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前情報なしで機内で観ました。途中の色使いであ、これ蜷川実花かと気づいたものの、この映画はとにかく役者が上手い。
太宰のどうしようもなくダメ男なのに人を惹きつける魅力がある、という史実ながら想像しにくい人柄を見事に作りあげ演じ切った小栗旬、藤原竜也の酔っ払いぶり(後半酔っ払いながらも太宰を人間失格執筆に駆り立てる、まくしたてる箇所が特に良い)。
宮沢りえも存在感をうまく調整しているし、二階堂も中盤のそっけない様子から後半のメンヘラぶりまでの切り替えは面白い。強いて言えば二階堂のキャラだけ3次元というより2次元寄りだったかも。。太宰役がこれしかないという演技をしてくれたのに比べると、他により良い役作りがあったかもしれない。
端役の中では壇蜜と静子の弟も良い味。
沢尻エリカはやはり綺麗、画面にいるだけで華やぐというか。これが彼女の最後の作品になってしまうともったいないが、人間失格ならばそれもありか、と思えるハマり役でした。
私は極端な起伏のある映画は疲れてしまうので、物語の起伏がちょうどよかった。最期、それまでの太宰の人柄と対照的に机上にきちんと整えておかれた原稿や遺書を見たときは泣きそうでした。役者の演技と構成で飽きさせない、いい映画でした。
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