「ニナガワールド…」人間失格 太宰治と3人の女たち ちゃーるすとんさんの映画レビュー(感想・評価)
ニナガワールド…
やはり、この監督の作品はうーんというものがある。
というのも、この人のスチールからしてあまり好きではないのだけれど、映画にもあれを無理に散りばめてくるところが嫌いだ。
今回の作品も多くのシーンでそれが見受けられて、興醒め。
ただ、役者それぞれの演技は素晴らしいから最後まで見れた。
太宰のイメージと小栗旬があっているかは知らないけれど、3人の女性のチョイスは素晴らしく、特に宮沢りえがさすが。
最後の泣きの演技、あそこは見る人によって感想が違ってくるシーンだなぁと思った。
これまでの太宰の浮気を知っていながらのあの涙は、一人の女として太宰の浮気に対する涙もあるだろうし、小説家という仕事柄、諦めというかそれを許してこそ小説家の後押しができるのだと自分に言い聞かせるような涙とも見えた。
ストーリーはそれらの演技でなんとか見れたが、セックスのシーンなどは薄かったな〜。
普通のシーンを花とかなんだか使ってあれだけ色濃く表現しているのに随分あっさりとしている。
まぁそれも良いコントラストになるのかもしれないけれど、物語としての軸をどこに置いているのかよく分からない。
恋なのか。作品作りなのか。はたまた太宰はどちらにもそれほど興味がなかったのか。
太宰の作品なんてほとんど読んだことは無いが、これを機に読んでみたくもなった。
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