「太宰治と“3人の女たち”」人間失格 太宰治と3人の女たち かぷち~の。さんの映画レビュー(感想・評価)
太宰治と“3人の女たち”
太宰治が『人間失格』を執筆するにいたった、3人の女性との話。
太宰は、自らの死と引き換えに小説を書いたわけではなく、死に直面し、死期が近付いている中で、あえて自らの人生を小説にしたということだと思います。
悪いレビューも目立ちますが、そもそも題材自体が、感動したり、「見た方がいいよ!」と勧めたりする類の話ではなく、太宰についても、一般的には人間として尊敬には値しない人物ということもはっきりしているので、どう描くかが焦点の映画。(・・・のはず)
賛否両論あるとは思いますが、蜷川実花監督作品のこの映画は映画館で観てこそと思います。“きれいに描く”のはとても上手な方です。
3人の女性たちはそれぞれの役をうまく演じていましたし、蜷川監督は女性の視点でよく描いていたと思います。
あえて言えば、「太宰治は小栗旬ではない。」と思います。太宰治像としては、頭がよく、色男。物静か。ひとと接するのが苦手で、自分というものを出すことはめったになく、争いごとを好まないため他人に流されてしまう。生にも執着がない。
この映画は、太宰治よりも3人の女性に主眼をおいているので、あまり太宰っぽ過ぎる俳優よりもよかったのか・もしれませんので、ミスキャストとまでは言いませんが・・・、太宰についての描き方も含め・・・、う~ん。少し残念・・・・・・(>_<)
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