劇場公開日 2019年5月3日

  • 予告編を見る

「デップーですらいじれない」名探偵ピカチュウ うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 デップーですらいじれない

2025年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私は、『デッドプール』の大ファン。ただし、ポケモンにはハマらなかった。ポケモン世代ではないし、対戦交換する友達もいなかった。

それで、この映画に期待したことは、やっぱりデップーのノリで悪態をつきながら事件を解決していくバディムービーだったのだが、いろんなしがらみが大きかったようだ。はっきり言えば、『テッド』をそのままピカチュウでやってほしかったのだ。そりゃ無理に決まっている。

でも、ライアン・レイノルズは、フロントに出てキャンペーンをしている以上はもはや黒歴史にもできない。ピカチュウのぬいぐるみを引き裂くデッドプールなんて、見たくても絶対に見られない。何しろ自分の娘にも出演していることを秘密にしているほどだ。出来栄えに満足していないことの暗喩にしか思えないのだが。

こなれていない設定として、そこらじゅうにポケモンが普通に存在している状況がある。アニメのポケモンは見たことがないのだが、ペットの犬と散歩に出かけるのとはちょっとニュアンスが違うようだ。で、主人公にはポケモンがいない。それは、この世界では孤独な「ぼっち」扱いになるようで、バトルフィールドも出てくる。じゃ、なんでピカチュウが探偵やってるの?という話になるのだが、そこは誰も突っ込まないし、はた目には主人公のパートナーがピカチュウということになるらしい。本当のところ、ピカチュウは失踪した父親のパートナーで、なぜか彼には記憶がない。で、なぜか会話ができるので、手を組んで真相を究明しようというシンプルな流れなのだが、結局、そこがいちばんのキモの部分になるので、納得できない人はおそらく不満に感じるだろう。

あと、画質の粗さも気になる。『ピーターラビット』や、『パディントン』では気にならなかったが、はっきり言って、それらよりも潤沢な予算をつかっているはずだ。それにしては、作り込みも、アクションのノリも今一つの出来。ポケモンという最強のキャラクターを得たことで、きびしい制約にしばられまくったようだ。

これでまた、日本発のコンテンツがコケた。『銃夢』『攻殻機動隊』に続き、『ゴジラ』もコケそうな気配が濃厚。どうしてそうなるかな?

うそつきかもめ
PR U-NEXTで本編を観る