運び屋のレビュー・感想・評価
全490件中、61~80件目を表示
デイリリーの花よ様に
終始デイリリーの花が映像表現されて美しく見易い作品だった様にかんじました。1日で咲いて散っていくデイリリーの花の様に1日の為の努力と時間が必要な事が物語の全てに暗喩されていて切なくも笑えました。人種のサラダボールたるアメリカの見えない壁にも深く切り込んだのも凄い。開拓民であるアメリカンの土に対するこだわりも見えてほろ苦く爽快な物語でした。この映画を作るにあたり88歳のイーストウッドが90歳の役をするに至って年上の役は難しくて困った!と言った所は人柄の表れる話だなと感じました。
父性とは。
◆ストーリー
主人公は荷物配達のドライバー職を定年退職したおじいさん。老後は園芸農場を営むも時代の波に飲まれ潰れてしまいます。そんな折にただ荷物を運ぶだけで高額バイト代が貰えるという仕事を軽はずみに引き受けてしまいます。
おじいさんは若い頃から仕事人間で、娘の結婚式にすら出席しないほどです。家庭は一切顧みません。当然家族関係は冷え切っています。
軽はずみに受けた高額バイトは組織の麻薬の運搬でした。運搬回数を重ねていく毎にバイト代は弾むも、おじいさんが裏切らないように麻薬組織にずっと監視されるようになったり、徐々に警察の捜査が伸びてきたり、家族関係、違法な仕事に手を付けてしまった事への罪悪感が主人公を苦しめます。
◆感想
物語の核は「人生で大切なものとは...」と言った所ですが、私が印象的だったのはおじいさんの監視役は組織の若い青年で、この監視役がおじいさんの父性に影響を受けて心を開いていく所です。
劇中のシーンで
おじいさんは
・銃を突きつけても屈しない
・車のパンク修理が出来る
・美味しいサンドイッチの店を知っている
・それを一緒に飯を食べる
・監視役が警察に捕まりかけるピンチを救う
これら全て憧れの対象となるような『父性』です。
そして物語の最終局面、詳細は避けますが父性の大事な要素、「家族に規範を示す」が描かれています。規範を教え、社会で間違わないように教えるのが父性です。それを見事に描いています。
物語の核をなすメッセージも凄く感動するもので、いい映画でした。
※精神科医樺沢紫苑著:『父滅の刃』を読了し、“父性”という視点からこの感想を書きました。
意外だったエンディング
この主人公のキャラクター、すごく好きですね。ブツを運ぶ途中、本来ならすごく緊張してるところなのに、モーテルでは二人の女といちゃついたり、レストランでは警官にお説教したり等、好き勝手やっているが、人情味溢れて憎めない人柄が惹きつける。
中盤までは実に良い雰囲気で進んでいく。なんとなくコメディタッチの展開だ。運び屋で得た報酬で、差し押さえられた家屋や農園を取り戻したり、退役軍人のパーティーを再開させたりと、実に充実した生活ができるようになったところも面白い、
でも、結局警察に捕まるであろうことは、簡単に想像できるストーリーだ。特に、麻薬売人たちの仲間割れで、2名が殺されるあたりから、主人公の悲劇的結末が頭をよぎってしまった。麻薬組織のリーダー格の人物から、寄り道をしたら殺すと言われていたのに、危篤の妻が住んでる家に寄り道してしまった。殺されることよりも、妻との最後の別れを優先した彼の人間性に感動した。この寄り道によって、彼と彼の家族との和解が生じる結果となった。特に 彼と彼の妻との会話が心に染みる。
でも、寄り道をしてしまったので、実際に最後は殺されてしまうのか?あるいは、麻薬組織と警察との銃撃戦か何かで、流れ弾に当たって死んでしまうのか?そんなことを考えているうちに、結局警察が 彼の車に追いついてしまい、前方には車のバリケードで絶体絶命のピンチになっていた。もしかしたら、「バニシング・ポイント」(ちょっと古いかな?)のように体当たりして自滅するのか?
しかし、結果は意外な展開だった(私にとって)。クリント・イーストウッド監督作品としては、数少ない後味が悪くないほうの映画だった。俳優としても、いぶし銀のような演技で、素晴らしかった。
大したことなくない!?
クリント・イーストウッドが出演していなければ、別に大した映画でもなければ、なんでもない。
1回観れば充分過ぎる位の映画。
実際に起こった事件をドキュメンタリーに着色再現しているだけ。
そんな感想しか持てなかった。
期待値から上にも下にもぶれない
ちょっと見たかった映画。
率直な感想としては、期待値から上にも下にもぶれない、可も無く不可も無く、といった感じ。イーストウッドの道徳的で善良な側面がよく出てる。
イーストウッドは一方で深い洞察や問題提起する作品もあるけど個人的にはそちらが好み。ミスティックリバーやアメリカンスナイパーなんかがそう。一歩引いて俯瞰で物事を捉えてる作品。
これは運び屋やってたおじいさんの実話を題材にして、そこにイーストウッドなりの人生訓を織り交ぜた内容、かな。人生の先輩としてのアドバイス、というかメッセージがちゃんとある。ざっくり言うと、時間を大事にしなさいよ、という。構成というか物事の捉え方がグラントリノぽいなあ、と思えば脚本が同じ。あれ、個人的には微妙だったやつ。
27位/445 2021.06.11現在
公開当時映画館で観たかったけど
スケジュール合わなくて観れなくて
今回自宅で観ましたが
映画館で観てたら
もっともっと良かったかも。号泣した。
正直、途中ラスト15分くらいまでは
なんてことない作品です。
結果、そこも含めて素晴らしいですけど。
アールがいつか捕まるのが想像出来るから
観ててしんどいんですよ。
こういう辛い結末が来るだろうな
って映画はメンタルきつい。
今回で最後にしようよ!
って何度も思うんだけどさ。
で、最後捕まってバッドエンドかな?
って想像するんだけど
全然バッドエンドじゃないのよね。
ハッピーエンドっていうのも
違和感があるかもしれないけど
2択するならバッドエンド?
でもなんか、幸せなんだよね。
捕まって良かったなとさえ思える。
そんな不思議な映画。
イーストウッドの演技が
素晴らしいのはいうまでもないけど
捜査官のクーパーが素晴らしくて
最後、捕まってから
車のところで2人で話すシーン。
あそこは、号泣。素晴らしい。
自分のために
素敵なアドバイスをしてくれた人を
逮捕する辛さ、
だけど、逮捕された方は
そんなこと気にしてなくて
あんたが家族の時間を
犠牲にしてた原因は俺だったのか
って言う粋な言葉。
逮捕する者とされる者とは
思えない素敵な会話。
最後の裁判の場面で
有罪ですって言う場面も
罪に対する有罪はもちろん
家族に対する自分の人生で
有罪だよって意味もあるのかなって。
そこは家族は、もう許してるけど
自分が許せないんだろう。
でも、とても今から収監されるとは
思えない幸せなんだよね。
人生、どんだけ間違え続けても
必ずやり直せる。そう学びました。
歳を取れば取るほど
人間を変えられないし
頭も固くなっていくけど
でも人は変わることが出来る。
90になったアールが
映画の始まりと終わりで
まるで別人だもん。
時間だけは買えない。
本当、アールの言う通りです。
自分の場合は、お金もないけどさ
美音と過ごす時間を
1分1秒を
もっともっと大切にしよう!
と思わせてくれる
素晴らしい映画でした。
これが実話を基にしてるってのが
これまた素晴らしい。
実話が基だからこそ
映画の作り話なら
情状酌量されて釈放されそうな気もするけど
ちゃんと捕まって
そして、最後、刑務所で
お花を育ててる場面が
とっても素敵だし
そのあと最後に流れる歌も良い。
個人的に、もう一人の捜査官
マイケルペーニャも大好き。
こういう映画は
イーストウッドだからこその味。
この先、長くはないし
もしまた作品作ってくれたら
今度は映画館で噛み締めよう。
以下、
超個人的主観による駄文のため
盛大にスルーしてくださいあ
(RG風)
運び屋のあるある言いたい♫
運び屋のあるある早く言いたい♬
運び屋のあるある今から言うよ♪
運ぶだけであんなにお金もらえるなら
やりたいかもって思いがち♩
↑
やりませんよ。
自分ならもっと上手くバレないように
運ぶのにって思いがち♩
↑
世の中そんなに甘くない
イーストウッド朝鮮戦争行きがち♩
↑
なんとなくイメージ。
麻薬取り締まり犬いたら
匂いの強い物でごまかせばいいんだ!
と勉強になりがち♩
90歳2人相手出来るの?
って勇気もらいがち♩
ハンバーガー捨てなくても
食べりゃいいのにーって思いがち♩
備考 点数は自分が
生まれてから現在まで
観た映画をランキングにして
相対評価で点数付けてます
上位と下位から順番に
感想書いてます
初回鑑賞年齢→40歳
(2021年時点40歳)
初回鑑賞場所→自宅スマホprime
鑑賞回数→1回
記憶度→100%
マイ映画ランキング
2021年時点
全映画中→27位/445
洋画部門→21位/370
バッドなハッピーエンド部門→1位
運び屋
家族のために一生懸命仕事をしている
仕事してお金を稼ぐ
そうすれば家族は幸せ
それは間違っているのかもしれない
両立させる事が苦手?
努力しなかった?
だからこうなる、
人生を終える時にいい人生だったと
言えたらいいですね。
あなたは一番大事なものに時間をかけている?
麻薬の運び屋をしていた90歳のおじいさんのお話。
単に実話を元にしたというよりは、もっと普遍的な「自分が本当に大切にしたいもの」がテーマ。主人公としてはそれが家族ではあるのだが、家族だけではなく、本当に大切な何かを大事にすることの大切さを解く。
主人公アールは家族との大事な時間を仕事に費やしてきた人生によって、家族からは半ば絶縁状態だった。
自分に本当に大切なものは家族との時間である、そこに至るまでの心の変遷を描くのが本作。
時間が大切だった、お金でなんでも買えたが時間だけは買えなかった、というセリフは印象的。奥さんからも、主人公が仕事で育てる花と同じように、家族も時間をかけて大事に育てなければならない、と言われている。
また、若者に対しても、本当に大事なものに目を向けなければならないという思いを吐露している。
この映画は麻薬の運び屋という犯罪者に対して、仕方がないとか、すごい理由があってみたいな、そういう描き方はしていない。100%犯罪だ。だが、奥さんが倒れて余命幾ばくもない中、麻薬を運ぶ途中であのような状況であなたは奥さんの元に戻ることができるだろうか。時間に間に合わなければ死が待っている。それでも戻れるだろうか。何があなたにとって重要で、何がそうではないか。僕たちは、この映画を通して、それを問われている。そう思える。
犯罪劇なのに奥深きヒューマンドラマ
アマプラで視聴。
家族よりも仕事や自分のプライドを優先してきたアール。後半からは焙煎された90才の彼から溢れ出る人間味に涙する。監督主演のクリント・イーストウッドがチャーミングでリアリティー溢れる主人公を熱演し、観るものを惹き付ける。
劇中台詞に「愛される理由にお金持ちになる必要なかった」
今の世の中で忘れがちである家族が何より一番大切だと綴るこの物語は本当に傑作です。
きっかけが無いと・・・
老いのリアルを丁寧に。戦争に行ったプライド、金も名誉も欲しいし、なめられたくない。仕事にかける現役刑事たちのギラギラしたハリつやが、老いてもなおの姿を際立たせます。記事に着想を得て?のこの奥行きの持たせ方、さすがの仕上がりです。
最高のロードムービー
この作品を最高と言わずして何という…の様な素晴らしい作品です。特にロードムービーが好きな方なら作品の良さが分かると思います。比較的ゆっくりとした展開はアメリカの田舎の穀倉地帯での出来事をよく現していると思います。主演のクリンとイーストウッドは年齢がほぼ90歳だとか。それなのにこの演技力は素晴らしい!グイグイと作中に引き込まれて行きます。内容は恐らく米国で実際にあったであろう麻薬取引に関する物語だが、切口によってここまで素晴らしい作品になるのかと、改めて関心した至高の作品です。^ ^
笠智衆のような佇まいをみせるイーストウッド。 時代から取り残された...
笠智衆のような佇まいをみせるイーストウッド。
時代から取り残された彼の役柄に「古き良き時代のアメリカ」を見る。一方から見た歴史の側面。
面白がりたいが。
幼稚な被承認欲と性欲から安易に悪銭に溺れた爺さんを盆栽好きな爺さんは良い人だよねと何となく許してどうする。
敬老の前に断罪だろ。
どうした巨匠、晩年の貴重な打席で凡打。
ストイックに健さん倍賞ならまだ見れた話しかも。
面白がりたいが、これは無理だ。
これぞ哲学
人に歴史あり。誰しもそれぞれが生きた時代に翻弄されながら、その中で様々な葛藤と成功と挫折を繰り返し味わうものだ。日常の何気ない習慣はその人物を形作ってきた過去のエッセンスを物語る。カーオーディオから流れる音楽、女性にもギャングにも自然体で放つ軽妙な軽口。そんなところからも、この老人の若かりし頃を察する事が出来る。
昨今の技術革新速度は目覚ましい。電子ガジェットは10年も待たず陳腐化するし、差別用語認定された言葉も差別の意図なく用いられていた時代もあった。
自分の生涯、半分以上を占めてきた常識を否定してまで、たかだか10年20年ぽっちの最近台頭してきた「新常識」に迎合する必要はあるのか?
ガンコ爺ィにはガンコ爺ィなりの気概があるのである。
昔はもっと縦の関係であらゆる世代と親しく話す機会があった。
かつて歳の離れた友人や先輩であった彼らは、今や60代、70代のガンコ爺ィになった。けれど、若い頃に彼らから伝え聞いたバックボーンの時代背景を知っているから、彼らの言動を奇異だとは思わない。今の若者の目にどう映るかは知らないが、老境の悟りに到達すれば、周囲のまなざしに臆する必要もないだろう。
しかして、齢80、90に達しても葛藤の選択を迫られ続けるのが人生というものらしい。主人公は壊れた(壊した)家族関係の修復を選んだ。犯罪に手を染める事になっても。
クライムサスペンスだが、非常に「静か」である。興奮もアクションも不要なのだ。もはや、そんなものは主人公の心を波立たせはしない。彼の心を揺らすのは家族達の想い、ただそれだけなのだから
アプローチはまるで違うが東京物語がよぎった。これは「イーストウッド流東京物語」である。
切なく哀しく、そしてハートフルでもある。喜びも悲しみも、すべてが穏やかだ。
それにしても、子供時代のヒーローは幾つになろうとヨイヨイになろうとカッコいいもんはカッコいいのである。
視聴後、数十年ぶりに44マグナムの刑事に会いに行った。どうやら映画というものはタイムトラベル機でもあるらしい。
シンプルなメッセージ
老人が運び屋をやる、シンプルなストーリー。予告編を見て、何も裏切られないそのシンプルさ
それでいてちゃんと一つだけのシンプルなメッセージを映画を通して送ってくれる。
最近こういう映画少ない気がする。
クリント・イーストウッドだからこそ、なのかはわからないけど、ベテランだからこそなことではあるかと思う
シンプルなメッセージを一つだけ、それが一番伝わる。覚えておこうと思う。
とても良い
全490件中、61~80件目を表示