運び屋のレビュー・感想・評価
全490件中、281~300件目を表示
クリント・イーストウッドが魅力的!
クリント・イーストウッド演じるアールが、とっても魅力的な、ヒューマンドラマだった!
運び屋なだけあって、ドキドキする場面ももちろんあるが、アールの人柄から殺伐とした雰囲気はそれほどなく、たまにほっこりするシーンもあり、運び屋をやっていることとのアンバランスさが不思議な空気を醸し出している映画だった。
ポークサンド
不器用な男の生き方。
時間は買えない
本作は実話をもとに、ひょんなことから麻薬の運び屋になった、孤独な老人の姿を描いています。物語は淡々と進むものの、イーストウッドのかくしゃくとした佇まいと軽妙な話術で、退屈することはありません。
主人公のアールは、最初は知らなかったとはいえ、わりと早い段階で麻薬を運ぶ犯罪に手を染めていることに気づき、なおも続けたのですから、この結末は自業自得だといえます。しかし、家族をなくしたアールにとって、麻薬組織の犯罪者ではあっても、彼らが自分を必要としてくれたのはうれしかったのかもしれません。
そんな彼が最後に家族を優先させたことは、贖罪の念もあったでしょうが、単にその時そうしたかったからだけではないかと思いました。家族を顧みることなく花を愛し、犯罪と知りつつ運び屋になり、殺される覚悟で妻を看取りと、その場その場で生きたいように生きた男アールこそ、まさにデイリリーだと感じました。失った時間は、運び屋となって稼いだ大金でも買うことはできません。
面白かったです
この映画はイーストウッドがある新聞記事に載っていた実在の事件を元に着想を得たとのことですが、自分の人生とリンクするとこが多かったのでしょう
もはや演技云々ではなく自身を曝け出すかのようなナチュラルなあり方で挑んでいます
一番買いたかったのは時間だというセリフの通り、そこには葛藤や成長といった要素はあまりなく残りの人生をどう生きるか、どのように生きるべきだったのかに焦点が当てられています
また作中で印象に残ったのはポークサンドのシーン
「人生は遊ぶことも大事だ」
「遊んでたから今運び屋なんだろ」
この会話の不可逆的などうしようもなさ感は作中で一番考えさせられました
自分が同じ歳になった時そのセリフを他者から言われることがどんなに恐ろしいことか
また捜査官達の追い詰め方には緊迫感はなくまるでじわじわ忍び寄る死神のようで、1人の老人の贖罪のためのタイムリミット的な役割だったため予告編のイメージで観ると肩透かしを食らうかもしれません
ですがこの映画の終末感から生まれる余韻は他の映画ではなかなか味わえないものだと思いました
観て良かったです
44マグナムを35カメラに替えてから
拝啓、ハリー・キャラハン様
あなたが44マグナムを35カメラに持ち替えてから、
ずいぶん経ちますが、まだまだ世界は暴力にあふれ、
平和ではありません。
僕があなたを知ったときはブルース・リーと同じように
ワルモノをバッタバッタと倒してました。
そして決めセリフの「Go ahead Make my day」
今作のgo ahead の足取りや背中の哀愁に改めてグッときてしまいました。
『グラン・トリノ』あたりからでしょうか、
映画の中のテクニックとしてオーバーラップはよくありますが、
自分の人生とのO.L.や娘さんとの共演はもはや、映画のつくりとしてフィクションでもない、ノンフィクションでもない、ドキュメンタリーでもない・・・
たまたま話しをしていたらそこにカメラがあった・・・
せっかくだから映画にしているだけ・・・・
そんなゴダールもビックリしそうな文法とか公式という型を破るという離れ業、いや適当にやっているだけと言わんばかりですね。
It's a Wonderful Life.
色即是空
空即是色
ほとんど解脱の境地でしょうか・・・。
もっともっとみせてください。
敬具
※真心ブラザーズの歌詞はいい
内田裕也さん訃報
映画職人の手練の技を堪能。
いい映画なんだけど
もう少し、スカッとするか、
どんよりした気持ちになるか、
あっても良かったかな。
別れた奥さんに付き添ってた間に、何で見つからないんだろう?とか、運び屋としての苦悩や後悔とかが無かったので、物足りなかった。
法廷で家族が心配してるのも、結局お金って見えてしまった。命を顧みず、奥さんを看取ったわけですが。
劇的にすると、グラントリノと似てるとか言われるかな、、。
私が、映画なんだから、、。
そういう終わり方を勝手に期待してしまったのが、いけなかったかもしれません。
最後の潔さ
文句なしのイーストウッドの秀作
クリントイーストウッドここにあり、まだまだこれから、心を揺さぶる作品を世に放って下さい。麻薬の運び屋は正しい姿ではありませんが、人生の大先輩が及ぼす心を通して、家族の大切さを見事に描いています。最後にコリン捜査官が自ら捕えたアールに対して、体を大事に〝Take care of yourself, OK?" と優しく声をかけました。きっと、家族の大切さを教えてくれた先輩に敬意を払ったのでしょう。Family is important thing, but I put work in front of family. と後悔しているアールの気持ちがコリンに伝わっていたのでしょう。
そこには、長年の人生経験が生み出した、威厳さ、寛容さ、何事にも動じない強い心が、良きものも悪しきものも、若きものもを飲み込んでしまう凄みが有ります。
遊びすぎのジジイに誰か怒ってあげて
これまでにない「軽さ」
今までのクリント・イーストウッド監督作品のイメージとは打って変わって「軽さ」の目立つ映画だった。
ひょんなことから悪事の片棒を担ぐことで大金を手に入れた主人公の老人。これまで家族にして来なかった事を埋め合わせる様に景気よくそのお金を使う彼だったが、最終的にはその仕事を手放した時に、ようやく大切な真実にたどり着くという皮肉。
女好きで意地っ張りで憎まれ口ばかり。見方によっては最後の最後まで自分勝手な主人公だが、残り僅かな人生に対して、自らの罪を正面から見つめて結末を受け入れる、潔い人物にも描かれている。
主人公が飄々と「軽く」描かれる事で、その結末の重さが際立つと感じるかもしれないし、むしろ前向きなラストと捉えられるかもしれない。
大きく観客の感情を揺さぶってくる様な作品ではないが、ジワっと心に残る映画だった。
ただ、個人的な好き嫌いで言うと、『普通』。
やはり彼の作品は、あの重苦しい雰囲気あってこそ。
這いつくばる様にして悩み、葛藤し、苦しんでもなお、人は思い描いたゴールにたどり着くことなんかできなくて…でも、だから尊いんだ、って教えてくれる。
そんな彼の作風が好きなので。
全490件中、281~300件目を表示