運び屋のレビュー・感想・評価
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何と言ってもイーストウッド
いい味出してます
第一印象は、こんなに老いぼれたのか・・・
でしたが、それからの人生の物語
どこまで本気か分からない運び屋さん
大きな盛り上がりはありませんが、釘づけでした
<16>
花と家族と時間
デイリリー。一日花のユリ科の植物。
この花に魅せられた男の数奇な物語。
ネットの普及で、事業を畳むことを余儀なくされた時、彼はもう若くなかった。
家族より仕事をとり続けたことで、妻に愛想をつかされ、娘に恨まれ、唯一の味方は孫娘というしがない老人は、風にそよぐように残りの日々を生きるだけだった。
そこに悪魔のささやきが…
まんまとその囁きに乗るしかなかった時から、彼の人生が転回していく…
成功と呵責。その狭間で揺れる男の葛藤。
家族を顧みなかった事への後悔。
ギャンブルと解っていてもやめられない仕事。
莫大な報酬によって得られる他人からの称賛と感謝。
しかし金では取り戻せなかった「失った時間」
それでも、仕事を放って危篤の妻の元に舞い戻った時、「失った家族」は取り戻せた。
その家族との時間は、男が魅せられたデイリリーが花開く只一日のごとく、心から愛していたものだった。
この映画はクリント イーストウッドの集大成であり、間違いなく代表作だ。老いてなお研ぎ澄まされる映画作りの感性に、惜しみない敬意と感謝が湧いてくる。
流石のイーストウッド節
流石のイーストウッド節、炸裂だ。
CGやスローモーションなどの技法は極力使わず、淡々と撮っている。
フランスの古典劇の三単一の法則即ち
時 場 筋の一致を守っている。クラッシックフィルムの趣きだ。
それでいて面白いのだから、イーストウッドは
生きるレジェンドだ。
前作では素人を突然主演に据えた。興行を考慮したら、あり得ない事だ。
しかし、そんなことが出来るのがイーストウッドだ。
西部劇、スポーツ、音楽、戦争、恋愛、作る映画は多岐だ。しかしそれらのテーマが縦糸だとすれば横糸は全て一緒だ。
家族の再生
今作でも自分の実の娘を娘役で起用している。
イーストウッドも色々有ったが実生活を彷彿させる。観客もバイアスをかけて観てしまうが
むしろそれが狙いかもしれない。
劇中で若い娘と戯れるアール、観たくはないが
観てしまう。
イーストウッドをやっているのも大変なんだよ
ファキン、レジェンド
そんな声が聞こえてきた。
あと10年は現役でいて欲しい。
2019-28
90代にして何時間も運転するじーさん、
20代なのに映画館に2時間座ってるだけでも腰にくるんですけど、どーしたら。
肉体的にも90でこの仕事を請け負うというのは大変なはずです。
見ちゃいけないブツなんて大概想像がつくし。
人生の吸いも甘いも知っていて、戦争も経験した人が、なぜ二つ返事でこの仕事に乗ってしまうのかが🧐
逆に人生経験豊富だと、大船に乗った気持ちになるんかな。
まぁそこは個人個人違うので、深くは掘り下げませんが、もうちょっと描写があれば私の場合、のれたかも。
90歳になっても素直になれないんですから、いかに素直になるのが難しいのかってことですよね。
わかってるのに、出来ないというもどかしさ。
それをイーストウッドが深い皺の向こうから見える瞳の悲しさで表現していたのが印象的。
とか言いつつ、途中少し寝てしまいました。
イーストウッド監督の映画は嫌いじゃないのですが。結構しとしとと進む感じなので、アホにドンピシャな作品にまだ巡り会えたことがありません。
俳優オンリーの頃のを見てみたいと思います。
やっぱりモーフィアスはいい上司で、ほっとしました。モーフィアスはそうであってほしい←
うちのおじいちゃんと同じ
悪気なく差別用語使う感じとか(あのニグロはくろんぼと訳すとよいと思った)、外面よく軽口叩く感じとかおじいちゃんと同じだー。そういう時代で周りがそれを求めたのもあるし、あまり責めてもなとも思う。
家族が許してくれたのも良い思い出もあったからでしょう。
ハイウェイで運び屋だけ押さえてもただひとつのルートがなくなっただけじゃない?
組織(会社)は家族じゃないんだよね。フリオともうひとドラマあってもいいのに。
タイトルなし
仕事に失敗し、家族にも見放され、なんとなーく運び屋を始めて抜けられなくなっていく。
でも最終的には運び屋をやったことで家族の絆も取り戻せよかったんやーん。おまけに刑事の心まで諭してたではないですか。
ロードムービー的な所もよかったです(その辺同日に見たグリーンブックとちょっと混じり気味...)。
言葉にならない思いが込み上げる
クリント・イーストウッド監督作品で、主演も務めた作品。
僕自身、イーストウッドは映画監督としての側面しかあまり知らなくて、俳優として出てる作品は「ミリオンダラー・ベイビー」しか観てないので、俳優としての彼を劇場で観るのは今回が初めてです。
なので、改めて観ると彼は俳優でありスターなんだと感じました。
確かに立派なお爺さんではありますが、周りから好かれる点がスターらしさを感じました。
話は実在した麻薬の運び屋であった老人を描いた話だと聞いていて、予告編を観た感じ重くシリアスな話なのかなと思っていたのですが、意外とそうでもなくて寧ろコミカルでクスッとするシーンも多いです。
だからこそ観ててあまり疲れなかったし、それでいて彼の家族背景や犯罪にはまっていく姿をしっかりと描いていました。
イーストウッドが演じてるお爺さんは、家族よりも仕事が大事で、尚且つ女好きだし、それでいて知り合いに勧められた怪しすぎる仕事を難なく引き受けてしまうダメなお爺さんです。
でも、困ってる人を放っておけなくて一緒にいると楽しくなるという、何か憎めないんですよね!
ブラッドリー・クーパー演じる刑事も良かったです!
クーパーは「アリー/スター誕生」では酒とドラッグに溺れるフォークシンガーを演じていたのですが、一転して今回はエリートで優秀な刑事を演じていて、やはりこの人は幅広く演じられると感じました。
またイーストウッドとクーパーとのやり取りも良いんですよね。
詳しく話すとネタバレになってしまいますが、刑事と犯罪者という関係なのに、とてもそうだとは思えない、何とも言えない印象的なシーンでした。
最初の方は少し退屈に感じてしまう部分があったり、終盤の下りで一部引っ掛かる所もありましたが、この映画は僕の心に沁みるような映画であったことは間違いはありません。
ふとした場面を思い出してうるっとさせられます。
イーストウッドの作品は数本しか観たことはありませんが、この映画を観て再び興味を持つようになりました。
まだ観てない「許されざる者」や「グラントリノ」も是非とも観てみたいです。
非常に良かったとまでは言えませんが、良い映画だと思います。
まだ観てない方も是非とも観てほしいです。
「Time is Money」の本当の意味
クリント・イーストウッド監督らしいとても丁寧で受け取りやすい映画で、事実を基にしたストーリーもやや単調に感じられたが最後まで見応えがあった。
それも10年ぶりに監督自ら主演を務めた、その醸し出す年季の入った老人の空気が厚みを増し引き締めていた。
現代の実態を伴わないインターネット社会、情報や仕事に追われ日常の尊い芽をないがしろにする若者を皮肉りつつ、お金でなんでも買える時代に唯一買えない「時間」の重みをストレートに伝えてくれる。
ただ同時に、家族の大切さを描きつつも、そのお金で豪遊し一度きりの人生を謳歌する姿も同時に投げかけてくるのがにくいところ。
だがそれがいい
お話は少し予定調和すぎるかなとも、思うけどそれがいいんだよなと思われてくれる何かがありますね
彼や彼がつくる作品から漂うかっこ悪さとかっこよさのバランスがやっぱり普遍的で心地よいなと
「人生を楽しめ」って言うよくあるセリフも、なんとも言えないあの皺くちゃな表情から発せられると
やっぱり刺さるものがあります。
最強おじいちゃん、クリント・イーストウッド
最近実話の映画化が続くクリント・イーストウッドが選んだ題材は今回も実話、「90歳の運び屋」。とはいえ彼のキャラクター自体はほぼ創作。
予告編はシリアス感が強かったが、なかなかどうしてコメディタッチでもあり。
御歳88歳のクリント・イーストウッドおじいちゃんが扮するは、仕事に夢中で、目立ちたがりで、割と軽いノリで、結構女好きで、退役軍人で、そして家庭を全く顧みない男である。娘の結婚式も行かないんだから筋金入り。
そんなおじいちゃんが(彼曰く「インターネットのせいで」)仕事に失敗して、ひょんなことから麻薬組織の運び屋になるわけだが、おじいちゃん自由過ぎる。歌は歌うし寄り道するし言うこと聞かないし。前半は完全に最強おじいちゃんのロードムービーである。おじいちゃんに振り回されながらも親しみを覚える組織のメンバー、みたいな。このままのノリでいけばヒューマン・コメディじゃねえか。と思ったが、後半で当然のように暗転する。
家族を顧みなかった男が人生終盤で家族に愛されたいと願うのは、道理ではあるがどことなく複雑である。しかも彼が家族に捧げるのは運び屋で稼いだお金。微妙っちゃ微妙だが、ブラッドリー・クーパーに説教した辺りから段々と己を悟ったような感じになるイーストウッド。展開はベタだが、「時間は金で買えない」というのには首肯せざるを得ない。そういう意味ではどことなく教育的な映画でもある。
そして娘を演じるのがクリント・イーストウッドの娘、アリソン・イーストウッド...。おそらく様々な思いを重ね合わせて撮ったであろう作品だと思う。
USA版人情話
もしかしたらクリント・イーストウッドの作品を観たのは初めてかも知れない。勿論、ダーティハリー・シリーズは知識では知っていたが、吹替えの故山田康雄氏のイメージが強すぎる印象しかない。
そんな訳でかなり癖のある俳優の演技がもしかしたら最後かもしれないとの触込みで鑑賞した。
確かに、ハリウッド的な人情話を感じる。家族を顧みない男が世情から遠離ってしまうことで命より大事な仕事から弾き出され、ダーティーな頼まれ事を金のために引き受ける内に、家族との真の邂逅に向かうという、世界中でよくある話ではある。それをハリウッド特異のウィットに富んだ味付けを塗しながら、そこそこのサスペンス要素も挟んでの仕上げとなっている。
主人公の男の狡猾さと度胸、そして年寄りの功ならではのアドバイス、しかしそこそこの社会性故の聞き分けの良さも兼ね備えている老人であり、人としての多重面を表現していることは、もしかしたら好き嫌いが出てしまう作品かも知れない。それは邦画的キャラ設定に近い要素が見えるからではないだろうか。一筋縄ではいかない主人公になかなか共感性を抱けない中での鑑賞は戸惑いも募ってしまう。とはいえ、現実もそういうものだ。幾ら家庭で頑固であっても、外面は柔軟性のある穏やかさを演じている人などdこにでもいるし、それは決して人格破綻ではない。そんな多層構造は、こういう映画でのいわゆる『神の視点』であるところの観客への表現として描かれることを、自然な演出として受け止めなければならない。そんなことを感じさせてくれる作品である。
ちなみに、朝鮮戦争帰りという、アメリカが常に強かった頃の時代の市井の人達の与えた影響を教えてくれることも大変重要な要素の一つであった。どんな人種であれ、やはり年齢を重ねた人の苦言は『良薬は口に苦し』だが、飲めばその重みに心が救われる、多くを学んだ作品であった。
想像してたものとと違ったが…
歳をとり家族とは疎遠になり、自分のこれまでの行いを悔いてきた主人公。
運び屋となりゆく過程で家族の存在を再確認する。
どれだけ大金を得ても得られない物の存在は日に日に彼の中で大きくなり運び屋の沼へとはまってしまう。
主人公は己の人生で学んだものを出会う全ての人々に忠告し自分の余生を受け入れた。
そんな姿に心打たれるものがあった。
豊かな人生。
クリント・イーストウッド監督の前作「15時17分、パリ行き」ではドキュメンタリータッチで、エモーションをあまり感じなかったが、本作は、実話を元にしているにも関わらず、ドラマチックな映画になった。
仕事一筋で家庭を顧みなかったアール(クリント・イーストウッド)は、経営していた花の農場が立ち行かなくなり、荷物を運ぶ仕事に就くことになる。
この荷物が薬物であることにやがて気がつく。
アールの生きざまに、組織の人間たちも感化されていく。この魅力的な人物をクリント・イーストウッドが全身で体現している。
家庭を顧みなかった後悔はあるものの、アールの人生は豊かだったに違いない。妻や娘もそのことはわかっていたのだ。
いい映画を見せてもらった。
いつもの如く。
イーストウッド御大、高齢にも関わらず自ら主演・監督をこなし、いつもの淡々とした描写、無駄のない展開、映画なのに映像の向こうに見える人たちの何気ない存在感が凄い。
ストーリーは形こそ違えど、正にイーストウッドと同じ自分の正しい(やりたい)と思ったことを突き進み、その間違いに気づいた男の器用なようで不器用な物語。
家族の有り難み、何も無い日常の有り難み、言葉の重み、そして自分が正しいと思っても周りに取っては間違いだったことを思い知らされ、その思いが胸に刺さる。
ハリウッドには、こういう映画を作り続けてほしい。御大から次世代を託されたブラッドリークーパーもカッコいいのですが、映画のラスト近くで迷惑をかけ続けた奥様を見つめる何とも色気のある御大の眼差しはとてつもなく男前でした。
必見の映画です。
クリント・イーストウッドが魅力的!
クリント・イーストウッド演じるアールが、とっても魅力的な、ヒューマンドラマだった!
運び屋なだけあって、ドキドキする場面ももちろんあるが、アールの人柄から殺伐とした雰囲気はそれほどなく、たまにほっこりするシーンもあり、運び屋をやっていることとのアンバランスさが不思議な空気を醸し出している映画だった。
全489件中、261~280件目を表示