運び屋のレビュー・感想・評価
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クリント・イーストウッドが見せる“人生の残照”。
人生も半ばを過ぎれば、「自分はどこで間違ったんだろう」と自問してしまう瞬間は誰しもあるはず。「仕事は?家族は?仲間は?」。深く考えたって仕方がない、なら手っ取り早くお金になる仕事をと思った老人が手を出したのが麻薬の運び屋だった、という物語。
いつ、どこで、どのタイミングで引き返すのかは自分自身。人生にやり直しはなくても、自分の在り方をジャッジできる判断力と勇気があれば光は見えるかもしれない、と希望を抱けます。
クリントイーストウッドが見せる“人生の残照”が見事です。
人生を悔い改めるのに遅すぎはない
年老いてもなお一生懸命に生きることは素晴らしい。クリントイーストウッドの演技は凄い。まさに自らの生き方を重ね合わせているようだ。
捜査官役のブラッドクーパーっていい男だなぁ。
お金よりも時間がいかに大切か?年をとってこそわかる事。しかしあんな...
お金よりも時間がいかに大切か?年をとってこそわかる事。しかしあんなに年をとってから家族の大切さがわかるなんて悲しい事。まだわかっただけ幸せなのか?
お金より家族や時間の大切さがわかる映画
イーストウッド作品らしい
飛び抜けた演出をしない、淡々とストーリー展開を魅せるイーストウッド流の作品でした。
面白くないというわけではなく、水戸黄門や科捜研の女を見ている時のような安心さがある、という意味です。
お爺ちゃんになったなぁという思いは否めないものの、やっぱりどこかカッコいいんですよね。
滋味深い作品
オープニングから小気味良く、無駄のないセリフと的確な演出で、いい格好しいのお爺ちゃんの姿を描いていく。
退役軍人で、色気もある老人をイーストウッド本人が演じて観られるとは、なんと幸せなことか。
シナリオも素晴らしい。ベイツ捜査官やマフィアのフリオをはじめ、アールと触れあった人たちが、ふと我が身を振り返る感じが、素直に染み入ってくる。
若々しくもあり、これだけ滋味深い作品を届けてくれたイーストウッドに感謝。
辞世の句
どおにも出来すぎた話だった。
今までの作品とは一線を画すというか…異質な感じがする。
コカインの運び屋っていう、かなりセンセーショナルな主人公なわけだけども、彼を取り巻く職場環境は実に平和だ。
皆、友好的で冗談が飛び交う。
逆に家庭では最早排除されていると言っても過言ではない。
この「家庭」に帰属するっていうのが物語の結末なのだけれど…どおにも大団円すぎて。
そおいうものなのかもしれないが、妻が最大の理解者なのである。
どおしようもないこの俺の良さを発見してくれた第一人者、その俺に家族を与えてくれた立役者、のような解釈だろうか。
後半はガッツリその辺りの事が語られる。
物語は12年前から始まり、若干若いイーストウッドに特殊メークの威力に感嘆とする。
脚本も順を追って構成されていて、見やすい。展開も至極簡潔。
というか、まっしぐらだ。
齢90歳、棺桶に両足突っ込んで後は横たわるだけぐらいの爺さんが、落ちるとこまで落ちた自分を唯一必要としてくれる人がいる。
罵り合いもしたし、拒絶も拒否もした。
それでもやっぱり、命か尽きるその間際には、人生かけて「愛している」と告げたあなたの傍がいい。
なんか珍しくホームドラマ寄りな作品に拍子抜け。分母が大きい作品とでも言おうか、彼の境遇に共感する人は多いと思う。
それ故に、犯罪に加担して得た金の用途への言及はほぼない。
コカインを流通させて得た金で開かれた結婚パーティーや、卒業とか、結構わだかまりが深そうに思うんだが、アメリカはそうでもないのだろうか?
大団円にもっていく強引さが、珍しく目立ったとも言える。日本ほど世間体に頓着しないお国柄なのかもね。
それと今回はシーンの〆のカットが随分と緩かったような気がする。
引き絵だったり、風景だったり、移動してたり…そのせいなのか、若干ダレた印象がのこる。
イーストウッドの顔が、とても優しくて…いや、驚くほど柔和で印象深かった。
老いを迎え入れるな。
初めの方はクスッと笑わせるシーンもあったりして、これが恐らく20代くらいの自分だったら「ふ~ん、良い話だねぇ」くらいの感想だったと思います。
でも、還暦もそう遠い将来では無くなってきた今の自分には、心に深く沁みる良い映画でした。エンドロールは涙でぼやけていました。
アメリカ人って、何より家族が大事な人達ばかりだと思っていたけど、こう言う心情はまだ存在してるんですね。
家庭を顧みる暇もない程忙しく働いている、お父さん、お母さんに是非是非観ていただきたい、心があったかくなるお話です。あ~泣けちゃった…。
ラスト ラン?
映画のラストは破滅型かと思いきや、地味に終わる。若き日のダーティハリーを思い出させるシーンもあるが、銃撃やカーチェイスなど派手なシーンはなく、メッセージに溢れた映画だった。イーストウッド映画にハズレなしと言われるが、今回は大ヒットするような映画ではなく、しみじみとした家族愛の映画で、物足りないという人もいるだろう。麻薬組織や捜査官へ対応も年季が入った対応で、さすがと思いましたが、次回作では元気なイーストウッド主演の映画を見てみたい。
込められたメッセージ
初回は孫娘の結婚式のため。
2回目で、家を取り戻し、退役軍人クラブに寄付したいという欲が出て3回目。運ぶ仕事そのものが、まさにドラッグのように、4度、5度、、、と続く。
このまま飄々と逃げ切るのか、捕まるのか、殺されるのか。どんな結末が待っているのか、一旦、気にはなるのだけど、結末よりもプロセスに魅せられる映画です。
クライマックスは、捜査官と出会う朝のコーヒーショップではないでしょうか。
作る映画には常にメッセージを込めてきた監督の、独白のようなものが、その会話を通じて伝わります。
「100歳まで生きたがるのは99歳まで生きた者だけだ。」
88歳で傑作を生む監督には、90歳になっても作ってもらいたいです。
間違いない名優達による間違いない映画
90歳近いヨボヨボの老人が主役の映画。
日本ならまず考えられません。
アクションスターだったその老人が監督までやっちゃうんですから。
でもその彼の一挙手一投足に目がいく。
ヨボヨボ歩く姿が心にしみる。
ブラッドリー・クーパーとの何気ない会話が素晴らしい。
期待した通りの名優達の共演です。
じんわりと心に沁みる
90歳を間近に控えたクリント・イーストウッド監督作品。
正直、終盤に至るまでの時間は淡々としていてとても長く感じた。
イーストウッドだからって期待して見すぎていたかも…と思ってましたが、最後にはやっぱり泣いてしまいました。
今まで大切なものに気づかず生きていた主人公アールを通して、90歳を間近に控えるイーストウッドだからこそ伝えられること、をこの映画では描いています。
イーストウッド作品はじんわりと沁みるような良さがある作品が多いですが、これもそのひとつ。
映画のメッセージ性自体はとてもシンプルなのに、イーストウッドが監督、主演をすることによってぐっと深みのある作品になっていました。
クリントイーストウッドの渋い演技
彼の出る映画にハズレは無いと思っていますが、今回も燻銀の演技は期待を裏切りません。実年齢とほとんど同じ役、本当の娘と親子関係を演じるなど、ホンモノらしさも作品の質を高めているようです。ストーリーもある程度実話に基づいているとか?
奥様との関係も、一本筋が通っていてジーンとしました。私達夫婦にも、必ず別れが来ますが、あんな感じだったらいいなぁと思いました。
クリントイーストウッド、流石に年老いたなぁと思いますが、彼にしかできない役所で永く活躍して欲しいです。
映画に浸った
カーラジオから流れる音楽、そして先を見据える老人の眼。これらの外側で起きる出来事が、穏やかな時間を狂わせていく…
多くを語らない映画だけど、これぞ映画だよなって。
自分が歳を取るたびに見ることになる映画です。面白かった。
観るべき時ってある。
チャーリーチャップリンを彷彿させるような作品。必要な素材を監督のロジックで組み合わせれば、このような作品が出来上がるんだろう。
昨今の娯楽は、過剰なトッピングサービスが多過ぎるから、観ている私もつい、派手な展開を期待してしまいがちだけど、全般通して落ち着いて流れるストーリーに、感情移入しやすかった。
善悪からすれば、主人公は悪だ。そこに足りうる観客の善が感情移入するからこそ、こういった映画はサイレントの時代から続いているのでしょう。
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