「新しさと古さの同居した奇妙な作風」ウィーアーリトルゾンビーズ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
新しさと古さの同居した奇妙な作風
サイケデリックな色調で、新しさを感じる画面作りは魅力的。
SNSの人気急上昇と炎上による失墜など、今風のネタは盛り込んでいるし、子供の描写は今風でもある。
だが、同時に題材にしたファミコンなど、1980~90年代あたりに戻ったような懐かしさも感じた。
出てくる登場人物に、誰一人としてまともな奴はいない。
特に大人は、正真正銘ろくでなししか出てこない…みたいな、どこか斜に構えた社会に対するスタンスも、少し昔の流行りのような。
新しさと古さの同居。
野心的で面白い。
監督が30代のようだが、「お兄さんたちの文化を背伸びして吸収してきた早熟な子」みたいな人ではないかと思った。
しかしながら、正直言って長く感じる。
長編としての緩急が乏しく、感情の誘導が薄い。
似たような映像・セリフの繰り返しで、中だるみがすごかった。
約120分なのだが、80~90分くらいにつまめば、観ていて疲れなかったと思う。
CMや短編映画を長くつなげて、映画仕立てにした印象がぬぐえない。
好みではあるんだが、人に薦めるかというと微妙。
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