ふたりの女王 メアリーとエリザベス : 特集
傑作映画の宝庫「宿命のライバル」──映画ファンの“次なる1本”は本作
《2大人気女優激突》×《現代に通ずる共感性》×《超良質製作陣》
“500年前”、そして“女王”なのに、なぜこの2人に見入ってしまうのか?
人気・実力を兼ね備えた“ふたり”が画面に並び立つとき、記憶に残る「化学変化」が生まれる――。「レディ・バード」のシアーシャ・ローナンと、「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のマーゴット・ロビーという“次代のオスカー候補筆頭”がしのぎを削る「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」(3月15日公開)には、映画ファンを歓喜させる“希少性”“共感性”“衝撃性”が満ち満ちている。運命に翻ろうされた“女王たち”の素顔と圧巻の演技は、必ずやあなたの心に深く突き刺さるはず――。
【女性映画ライター力説】 シアーシャ×マーゴットが“宿命の対決”
「プラダ」「ヒート」「ブーリン家」に続く、対決映画の魅力が詰まった1本
本作において「何を置いてもまず知ってほしい」のが、この「対決映画」の側面! メガホンをとったジョージー・ルーク監督は、ふたりの“女王”の関係性を「バットマンとジョーカー」「ホームズとモリアーティ」にたとえている。2人の女性が主人公となり、対決を繰り広げる映画はなかなかない、とも。この時点で、本作が「他の映画とは違う」特別な一本であることは明白。クライマックスでの直接対決はもとより、そこに至るまでの「結婚」や「出産」さえも“駒”として戦う女王たちに圧倒される。
まず知ってほしい本作の魅力──女性映画ライターの新谷里映氏が熱弁
この稀有な“つながり”にいち早く反応したのが、女性映画ライターの新谷里映氏。過去の“対決映画”の傑作を引き合いに出しつつ、本作の独自性を熱く、かつ女性ならではの目線で徹底的に解説する!
常に互いを意識し対決し続けたよきライバル――
新谷里映(映画ライター)
ライバルや対決相手がいるからこそ自分を高めることができる──。ひとり勝ち状態だとしたら、もっと良くなりたい! もっと高い場所へ行きたい! とはならないもので、相手がいるからこそ負けてなるものか! と闘志が湧きあがる。映画においてもヒール役が強大であるほど、魅力的であるほどその対決は面白くなり、物語はよりドラマチックになる。たとえば「プラダを着た悪魔」の鬼編集長と新米編集者、「ヒート」の刑事と犯罪者、「ブーリン家の姉妹」の同じ男から寵愛を受けた姉と妹のように。そして本作のシアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーの演じる2人の女王は、イングランドの玉座をめぐって対決する。結婚、恋愛、出産を経験した恋多き女王メアリー、国家のため生涯結婚を拒否した処女王エリザベスⅠ世。女性としての生き方はまるで対極、でも女王として生きることがどれだけ重圧であるかを解り合える相手──この2人は常に互いを意識し対決し続けたよきライバルだ。特にクライマックスの会合シーンはライバルでありながらも敬愛の気持ちが滲み出るような、切なくも美しい対決の名シーンとなっている。
良作が続くこの時期、“本当に良い作品”を探しているなら知ってほしい
出演者・スタッフ・受賞歴・スケール──“中身”を見れば分かる《良質感》
例年、3月は良作・傑作が多数公開される時期だが、その中でも本作は独自のオーラをまとっている。前述した2大女優の対決はもちろん、見る者を16世紀英国に誘う壮大な映像、衣装・ヘアメイク・音楽……画面の細部やわずかな所作に至るまで趣向が凝らされ、ファーストカットから激動のラストシーンまで、一瞬たりとも現実に立ち返ることがない。「様式美」と「情感」が融合した壮麗なる歴史絵巻に身を任せれば、期待以上の“感動”が去来する――。
《製作力》
「レミゼ」「チャーチル」「リリー」「裏切りのサーカス」の超有名老舗スタジオ最新作!
本作を手がけたのは、英国の老舗スタジオ、ワーキング・タイトル・フィルムズ。「レ・ミゼラブル」や「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」など、歴史に残る傑作を次々手がけてきた。“安心ブランド”といえる彼らが次に放つ超大作のクオリティは、保証されたも同然!
《俳優力》
ガイ・ピアースから「ダンケルク」ジャック・ロウデンまで!演技派男優集結
ローナン、ロビー演じるふたりの女王にとって、ある時は味方、またある時は敵に変ぼうする危険な男たちに扮したのは、いずれも実力派ぞろい。「メメント」「英国王のスピーチ」のガイ・ピアース、「ダンケルク」のジャック・ロウデン、「女王陛下のお気に入り」の新星ジョー・アルウィンたちが、激動の宮廷ドラマを華やかに彩る。
《物語力》
「ハウス・オブ・カード」の人気脚本家が、スリリングなストーリーを創出!
大ヒットドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」や、大統領選の裏側を描いた快作「スーパー・チューズデー 正義を売った日」の脚本を手がけた政治劇の名手ボー・ウィリモンが、16世紀英国の政権争いに切り込む! 仁義なき駆け引きを、鋭い筆致で表す手腕は本作でより研ぎ澄まされている。
《作品力》
イングランドとスコットランド、実際の“場所”で撮影した迫力シーンが圧巻!
製作陣とジョージー・ルーク監督が本作でことさらこだわったのは、“その地”で撮影すること! 特に困難を極めたのは、スコットランド全土を旅したメアリー(ローナン)の半生の再現。大勢のクルーや馬と共に幾度も大移動を重ね、撮り上げたというその成果は、画面にしかと映し出されている!
《画面力》
ヘアメイク&衣装は「エリザベス」のオスカー受賞チーム! 世界的振付師も参加
キャストに負けず劣らず、スタッフ陣も粒ぞろい。ヘアメイクと衣装をオスカー受賞作「エリザベス」のチームが担当し、音楽を「女神の見えざる手」で知られるマックス・リヒター、振り付けと所作の監修を「ファンタスティック・ビースト」シリーズやトム・ヨークのミュージック・ビデオでも活躍する英国ロイヤル・バレエ団の振付師ウェイン・マクレガーが務めている!
【新事実】“遠い存在”のはずの2人の女王、だがこんなにも“現代的”だった
あなたは“どちらの生き方”に共感し、支持しますか?
本作で驚かされるのは、“親近感”を超えた“共鳴度”。生まれも育ちも、生きた時代すら私たちとは異なる女王たちの苦悩や葛藤、懊悩(おうのう)が、こんなにもリアルかつビビッドに心に流れ込んでくるとは! 歴史上の人物であるメアリーとエリザベスに新解釈を加え、運命と格闘する等身大の女性の一面を加えた斬新なアプローチが、本作が他の映画と一線を画す理由。政敵でありながら“憧れの存在”でもある複雑な2人の関係性は、どう変容していくのか? 最後の瞬間まで、一切目が離せない!
“恋多き悪女”とされているスコットランド女王メアリー・スチュアートだが…… ・男たちに利用され、四面楚歌の状況で孤軍奮闘……深い苦悩と葛藤が《染みる》 ・身分に関係なく、部下をいたわり「ありのまま」を説く――慈愛の心に《癒される》 ・“敵であり理解者”エリザベスに抱く、狂おしい愛憎が《泣ける》
“強すぎる女性”とされているイングランド女王エリザベスI世だが…… ・強く振る舞うが、本当は誰よりも臆病で慎重……素顔が《分かる》 ・「処女王」の呼び名に隠された、“秘めた思い”が《切ない》 ・若く美しいメアリーへの畏怖とシンパシー……複雑な女心が《刺さる》
あなたが支持する“生き方”はどちら──?