劇場公開日 2020年11月20日

「ミューズというけれど」ばるぼら mintelさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ミューズというけれど

2020年12月8日
Androidアプリから投稿

撮影がクリストファー・ドイルだったから見てきた。
レビューが両極端でどうなんだろうと思ってたけど、悪くはなかった。
絵面はもっとドイルドイルしていてほしかったなあ。年取って落ち着いちゃったのかしら。

キャストは良かった。
稲垣吾郎はやはり押し倒される姿が似合う……。
二階堂ふみも良かったし、渡辺えりのインパクトは半端なかった。あの頭(帽子?)どうなってるんだろう(笑)

確かに何か作る人間にとって、ばるぼらみたいな理解者がいたらミューズと呼ぶだろう。だけど、自由にみえたばるぼらも全然自由じゃなくてつまんない女で(だからこそ面白いことをやらかしそうな男に寄っていくのだろう)、結局美倉に消費されただけじゃないかと思ったし、描かれた当時の時代か手塚治虫か原因はわからないけど、そこが原作の限界なんだろうなと思った。
ミューズって都合のいい女でしかない。
現代なら、もっと違う、ちゃんと自立して自由なミューズを描ける作家、いるんじゃないだろうかと思ったし、そういう作品をいつか見てみたいと思った。

あと、あのアングラ・オカルトな雰囲気って、リメイクの方のサスペリアにも共通するところがあると思った。あっちの方は、娘が簒奪して黒い大地母神になる話だったけど、二階堂ふみなら渡辺えりを返り討ちにできたんじゃないかなと思うの だが。

mintel