「天晴れ」ばるぼら イナヅマゴローさんの映画レビュー(感想・評価)
天晴れ
原作未読です。手塚先生の漫画は若かりし日にそれなりに読みました。奇子などのマイナーめの作品も読み、このばるぼらも知ってはいましたが、読んではいないです(この映画を理解するために読もうと思います)。
さて、本作品の一番の見どころは二階堂ふみさんです。美しい裸体が見所というと非常に「そこを観にいったのか」と言われそうですが、もちろんそれがないとは言い切れませんが、それよりも、必要とあれば脱ぐことも厭わない女優魂に評価を送りたいという方が大きいです。
俳優さんの肉体というのはある意味、役の「入れ物」のようなもの。役に入った時、それはきっともう「二階堂ふみ」ではなく「ばるぼら」なのでしょう。そういった女優魂に天晴れと言いたいです。また、稲垣吾郎さんも同じく体当たりの演技を見せてくれており、こちらも併せて「天晴れ!」です。
さて肝心の中身ですが、そもそも原作が古いからということもあると思いますが、やはりどこか古くさい。というのも、音楽の使い方が古臭いのでそのように感じたのではないかと分析しています。設定の時代が古いから古臭いというわけではないし、稲垣氏のサングラスなど、演出がどこか今風でない古臭さを醸し出しており、全くハマれなかった。また、先も触れた音楽が、使い方もどうかなと思う感じであったし、音楽のボリューム感(劇場による?MIXの問題??)もやたらと音楽が大きくて、同時に曲調も押し付けがましいために、正直ストーリーの邪魔をしている、とさえ思いました。
話の内容も正直これと言っていいと思えなかった。未読なのでこんなことは言ってはいけないかもしれないですが、手塚氏の作品を読んでいた身からすると、監督の父・手塚治虫氏の原作はもっとわかりやすく。テーマも明確だったのではないだろうかと勝手に思っています(間違っていたらすみません)。
ということで、本来2.5点くらいの感覚でしたが、二階堂・稲垣両氏の俳優魂に3.5点を捧げたいと思います。