「未曽有の危機に命をかけて立ち向かった人々の物語」Fukushima 50 焼肉定食さんの映画レビュー(感想・評価)
未曽有の危機に命をかけて立ち向かった人々の物語
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あの日から「3月11日」「福島」には我々日本人にとって特別な意味を持つ言葉になったと思う。
「東日本大震災」―――あえて説明する必要もない未曽有の大災害。その大災害の中、福島第一原発で何があったかを映像化した作品。
先に申し上げておくと、「原子力の危険性」「事故の対応」等をここで論じるつもりはない。ただ、どこまで事実なのかは分からないが、多くの人間の生命や人生を脅かす脅威に立ち向かった、東電(作中では確か「東都電力」)の現場の方々の決死の対応は、もっと多くの人が知り、称賛されるべきであろうと思う。
佐藤浩一、渡辺謙をはじめとする、各俳優の演技は素晴らしかったし、何も知らない私のような人間に原発事故の危険性・恐怖を十分に納得させるような「リアル感」も作品から伝わってきた。
少し気になった点としては、現場の人間は事故に「命をかけて対応」と好印象を与える形で描かれていたが、一方政府側や本社側の人間が一言で言って「無能」と描かれている点は賛否両論あるだろうな、と感じた(名前こそでてこないが、誰がみてもこの人は当時の首相や幹事長等と分かるような感じだったので)。
震災から12年が過ぎ復興が進む東北。かつての大戦と同じく記憶が風化されていく中で、ネガティブな意味ではなく、こういった記録を改めて見返すのは大事なことではないかと考える。是非多くの方に見ていただきたい作品であった。
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