「こうして語られる事が大事」Fukushima 50 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
こうして語られる事が大事
特に被災者でも出身地でもないですが、「その街の子ども 劇場版」という阪神大震災のその後の話の作品が大好きで、1/17が来るたびに誰かに勧めてます。
今作の様に東日本大震災を描いた作品としては、「希望の国」「遺体」を観ましたが、前者は論点が解りづらく、後者はただ辛い映像でしかないので、エンタメとしてもモキュメンタリーとしても面白い「シン・ゴジラ」を勧めてしまいます。震災描いてないけど‥。
さて今作、全く観る気がありませんでした。誉めてる人もいるだろうけど、貶す人も限りなくいるだろうなと。
観てもないのに今作のページを見たら、かなり議論が白熱してるのに驚きました。
この作品が良いとか悪いとか、オリンピックのイメージ映画だとか、東電のプロパガンダだとか、そんな事はどーでもよくて、これは今後震災を後世に語り継いていくのには良い作品だと思います。
元々原発の水素爆発という、歴史上重要な事をちゃんと描いているし、東電内では一枚岩では無かった事も、ケンワタナベの熱演でよく分かる。時の総理がヒステリックに描かれているのも、今作を何年後かに所見の方には、この時は民主党政権で、とかほぼ知らなくて良い。
登場人物もキャラが立ってる人が多くて群像劇風で、何となく「シン・ゴジラ」にも通じる描き方は誰にでも親近感が湧きやすい。
こうして震災の覚え芽出たい自分や、若い人たちにも通じてくれる作風に依って、震災の議論が様々起こり、少しでも風化していかない様になる事が、今作の役割なんでしょうね。
少しでも希望の持てるラストも共感できます。
ラストのテロップは今となっては複雑。
今世界が未曾有の危機に瀕していて、誰かに会うことすら憚られるとんでもない世の中。そんな今Twitterをよく見てますが、こんなに見てるのは東日本大震災以来かもしれない。
今のご時世に映画館に行くべきじゃないかもしれない。
でもこの作品を埋れさせてしまうのには惜しい。
Twitterで拡散したら叩かれるのかな(^^;
まあそれでも、誰かには勧めたくなる、そんな作品でした。
近大さんのレビューを見て、観るべし、と思いました。
ありがとうございましたm(_ _)m