「現実の福島を語る気がない人々の金儲け」Fukushima 50 ごだいさんの映画レビュー(感想・評価)
現実の福島を語る気がない人々の金儲け
へー!ほんとうにこの映画みたいにハッピーエンドを迎えられたと勘違いしておいでなのですか?
各国の風刺画を、すこしでもエゴサーチされてますか?
イケズな諸外国から、あの原発事故のあとのオリンピックがどのように認識されてるか理解できてないように思えてならないです。
そういう認識は、風刺画によく表れます。原発事故のあとのオリンピックについての風刺画のうち、悪意と差別意識しかない隣国のものを除外し、うち一枚ピックアップしてマイページ画像として紹介します。
ふくいちが吹き飛べば、平和ボケしてる日本人ですら同じイメージを抱くものかもしれないです。
では、東電はこの良くないイメージの払拭のために具体的な信頼回復行動を何かひとつでも講じましたか?
答えは、ノーです。
フォローするとすれば、事故を最悪の形にまで発展させなかったのは見事です。しかし、「最悪のケースとはどういった状況だったのか」、「それを防ぐためになにをしたのか」。きちんとこれらについての説明責任を果たしましたか?
もし十分説明していたなら、こんな映画作らなくてもみんな理解してるはずですよね?
いまさら架空戦記みたいなのをこしらえて、実際に起こったことと異なるゴールを見せて、さらには中国から巻き起こったパンデミックのせいで公開前からオリンピック強行採択を忌避する意見すらある状態で「復興オリンピック」が叶ったと銘打つ本作をぶちあげてしまう始末。公開タイミングを見直す時間的猶予はあったはずです。「無理矢理でも実行する!」として公開に踏み切ったなら、今の政権が政策を採択する時とそっくりな姿勢に思えます。そして結果ごたごたしてしまう。
全てが現政権の行動原理とリンクしているように思えます。結局は利益を追求するあまり、時期尚早なものを強行したのではないかと。