劇場公開日 2020年3月6日

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「エンドロールの文字が今や警鐘に」Fukushima 50 bionさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0エンドロールの文字が今や警鐘に

2020年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 21:20スタートのレイトショーな上に、システムのトラブル対応で始発出勤したから寝落ちしちゃうんじゃないかな、と思いながら劇場へ。
 ところが、いざ始まると当時の緊迫感と放射能への恐怖がまざまざと蘇ってきて眠気なんか吹っ飛んでしまった。危惧していた過剰な脚色もなく、実在の人物の心情としてはほぼ、真実に近いのでは。

 自分は、システム屋なのでエンジニアの立場として物語を見てしまいますね。アホな首相のパフォーマンスとか、本店の理不尽な指令には、心底腹が立った。

 ほんとにいるんですよ、こういう輩。僕も同じような経験があります。徹夜の復旧作業しているときに、1時間おきに状況確認の電話してきて、早く何とかしろって。僕も吉田所長みたいにぶち切れて、お前が電話してこなかったら早く終わるって、啖呵をきっちゃいました。😅

 映画を見ていて、当時に思っていたこと異なる考えがよぎって、自分でもびっくりした。首相が東電の本社に乗り込んで、「撤退は絶対許さない」と言ったことに対してです。日本政府の最高責任者としては、やむを得ないのでは。いや、むしろ正解だったのでは。
 「なんてひどいことを言うんだ、こいつは」と当時は思ったんですが。

 残念なのは、東京消防庁の決死のレスキュー部隊が取り上げられていないことです。このエピソードを最後に持ってきて欲しかった。

 今となってはエンドロールに書かれている五輪の文字が虚しい。人類は、いつであろうと、予測できない災害に見舞われることへの警鐘となってしまいましたね。

bion
ayuさんのコメント
2020年3月18日

そうですね。あの絶望的な状況の中、あの場所に行って下さったことに身内としては感謝の気持ちでいっぱいで涙したことを覚えています。

ayu
bionさんのコメント
2020年3月18日

ayuさんへ
東京消防庁のハイパーレスキュー隊をラスト付近で登場させるとアメリカへのヨイショもできなくなるし、Fukushima50の存在感も薄くなるからだと思ってます。
正確な事実はわかりませんが、とんでもない線量の中、決死の覚悟で放水作業を行ったのは間違いないことなので、アメリカへのヨイショで終わるくらいならハイパーレスキュー隊を登場させて欲しかったですね。

bion
ayuさんのコメント
2020年3月18日

身内に当時、福島第一原発に居たものが居ます。東京消防庁の件の話も聞きましたが、報道されていることとはイメージが違いました。
私も、映画には東京消防庁のことが出ていないのだな…と思いましたが、身内から話を聞いていたので、初めからエピソードに加える考えが無かったのか、出せないなんらかの理由があるのかもしれないな…と思いました。

原発事故は、私にとっていろいろなことを考える機会となりましたが、世間の報道に流れることと、実際とは乖離があることを知る機会ともなりました。それは人が記事を書く上で当たり前のことなのだと思いますが。

ayu