「久々に、また観てもいいな、と思える映画だった。」Fukushima 50 川柳児さんの映画レビュー(感想・評価)
久々に、また観てもいいな、と思える映画だった。
このレビューを書き込む前に、他の方のレビューを読んだ。
特に低評価の方の。
「被災者の想いを反映していない」と。
私を含む被災者でない人間からしたら、被災者の方々の想いは想像できない。
想像したとしても、その思いは、文字通り「私たちの想像を絶する」ほど苦しく辛いものなのであろう。
しかし、たとえそうだとしても、この映画は観るに値するし、内容は高評価に値する。
仕事や家事の大変さを伝える際に、「戦争のよう」という表現がある。
私はこの表現が大嫌いである。
戦争なんて、そんな生易しいものじゃないでしょ、と突っ込みたくなるからだ。
同様に、「命がけでやってます」という表現も嫌い。
あんた、それやって、ホンマに死ぬ?
と、同様に突っ込みたくなる。
「命がけ」という言葉は、この映画に出てくるような人達。
本当に命を落とすかもしれない状況の中で、被害拡大を防いだ人達こそが、
使っていい言葉なのだ。
自分は、数か月前まで、東京電力を相手にする仕事をしていた。
あの事故のせいで発生した損失について話し合う際、時にはぞんざいな態度で
時には声を荒げたこともあった。(結果、会社にはかなりのメリットをもたらしたが)
しかし、もしこの映画をその交渉時より前に観ていたら、とてもあんな態度はできなかっただろう。
そう思えるくらい、現場の方々は戦っていた。それがわかる映画だった。
数年後、また観てみたいと思った。
私も同感です。
この話は知ってはいたのですが、現場の人は
自己犠牲=ヒーロー
というイメージだったのですが、
絶望=人間
という、一面が見れて涙が止まりませんでした。
それでも、色々な人が色々な理由で頭を下げるシーンもたまりません。
東電=悪
というイメージだけしか持てないのは残念です。