「【そして”家族になる”。軽いタッチのコメディかと思いきや、重いテーマを暖かいトーンで描き出した心温まる作品であった。】」インスタント・ファミリー 本当の家族見つけました NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【そして”家族になる”。軽いタッチのコメディかと思いきや、重いテーマを暖かいトーンで描き出した心温まる作品であった。】
今作品で特に惹かれるのは、
登場人物が類型的な白人だけではなく、ヒスパニック系の人や、男性同士のカップル(で、養子を求めている)など多様な人が”優しい目線”で描かれているところだろう。
又、キャストを観るとどうしても”マーク・ウォールバーグ”に目が行きがちになるが、
15歳の”養子には貰われにくい中高生リジーを演じた、”イザベラ・モナー”が素晴らしい。
(「ボーダーライン・ソルジャーズ・デイ」で巨大カルテルのドンの娘を演じ、ベネチオ・デルトロに捕らわれながら、逞しく成長していく姿も良かったなあ。)
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30代のピート(マーク・ウォールバーグ)とエリー(ローズ・バーン)は子宝に恵まれないが、リフォームを生業として仲良く暮らしている。
が、ある日、親戚の集まりで”子供が出来ないのでは・・”と言われて・・。
ピートとローズが里親の会を運営するカレン(オクタヴィア・スペンサー)とシャロンに勧められて行った”色々な事情があって”養子候補になっている子供たちが集う場に出掛ける。
そこで、利発で勝ち気なリジーと出会う二人。だが、リジーには泣き虫でドジなフアンとポテトチップス大好きなお茶目なリタという幼き兄妹がいた・・。
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・里親になるには”里親講習”があったり、
・里親の会に、クスリにはまっていた娘を養女に迎え入れ、上手く過ごしている有色人種の夫婦が登場し、口にする言葉にハッとさせられたり・・・、
この二人は、終盤とても大切な役割を担って再登場する。
・”里子は欠陥品じゃない!”という台詞
・リジーが気に入っているジェイコブ君を巡っての可笑しな勘違い・・。
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マーク・ウォールバーグもいつもの”正義の人”オーラを封印し、コミカルかつ”真剣に父親になろうとする男”を熱演。
そして、クライマックスのシーンでピートとエリーが素直な心情を涙ながらに吐露するリジーに向かって”親になろうとして、必死に”話しかける言葉の数々にグッとくる。
<里子の問題、薬物依存の問題を”軽やかな笑いと涙”で包み込み、描き出した素敵な作品。日本公開が何故されなかったかは分からないが、良作であると思います。だって、後半随所で沁みてしまったのだから・・。>
ー エンドロールで流れる”イザベラ・モナー”が歌う(映像で出てきます。)”I'll Stay" という曲がこの映画の余韻に浸らせてくれます。-