「パンフレットは観賞後に開こう」ブルーアワーにぶっ飛ばす mvlvさんの映画レビュー(感想・評価)
パンフレットは観賞後に開こう
ある程度の歳をとった自分には共感だらけ。
大嫌いだけど見放すまではいかない実家、年老いて行く両親、死別を実感する祖母、実家の朝食。時は残酷に進み誰も止める事が出来ず気がつくと自分も大人として結構な立ち位置にいる。色々面倒くさい日常。マジメになんてやってられっかよと。
「さようなら、なりたかったもう1人の私。」
本編鑑賞後、パンフレットを買って1人思いにふけようと寄った喫茶店で開き、表紙の裏側、パンフレット1ページ目に書かれた言葉を読み、「あああぁ…」と納得。鳥肌が立つくらいの爽快感でした。
なので、パンフレットは映画鑑賞後に開くのがおススメです。
歳をとった。というだけで大人になり、社会人としての役目と責任を果たしつつもどこか満たされない、自称大人の自分40にはかなりグサッと刺さった。
なりたかった自分に折り合いをつけたものが何だったのか。それはやっぱりおばあちゃんの存在か?
ありのままを見せてくれるおばあちゃんはやっぱり偉大で、将来こんな人に自分もなりたいと思わせてくれるには十分なんじゃないか?
どこか、人との真剣な交わりを避けて来た様な砂田が夫のメールに電話で返事して米が好きだとか言った時に、夫がそんなの知ってるよ。と優しく返事したのは女性監督の究極の願望でもあったんだろうが、あれが砂田の吹っ切れを完成させたピースにも思える。
パンフのウンギョンさんのコメントが泣ける
"誰にでも心の中にキヨがいるから寂しがらないで!"
遮二無二頑張ってきてフッと立ち止まってしまった時に感じるこれで良かったのか?感…現状に不満は無いけど他にもっと幸せな道があった気がする。気がするだけなんだけど…っていう止まったら死ぬマグロ状態。田舎から離れて仕事を頑張ってる女性の方が共感得やすい題材な気がする。これ書いてるのはおじさん。
入院してるおばあちゃん「一生懸命生きてるんだけどねえ、何が一生懸命なんだかわからないねえ」
東京に帰る娘たちを家の前で見送る母「もう、いつ死んでもいいと思ってたけど、人間いざとなると死にたくないねぇ」
やたらとカラオケが上手くてオヤジの下ネタを完璧に跳ね返すぱっと見カワイイ感じの田舎のスナックの娘凄かった。伊藤沙莉ちゃんだったのね。納得!
あのクルマはフィアットのパンダかな?
雑感