「おじさんも見に行っていいのかな?」惡の華 ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
おじさんも見に行っていいのかな?
このような中高生が主人公の映画に、私のようなおじさんが見に行ってもいいのかのと最初は気が引けたが、劇場に行ってみるとおじさんやおばさんが結構いたので一安心だった。あとでよく考えてみたら、平日昼間だったので中高生がいる訳なかった。
それはともかく、玉城ティナの魅力に圧倒された映画だった。
冒頭、この町の看板はどれもみな錆びていると言う主人公のナレーションがあるが、そこは私の生まれ育った町だ。「そうかもしれないが、もちろん最初は錆びてなんかいなかったんだよ」と、原作者の押見修造に言いたい。
玉城ティナは、この映画のように眼鏡をかけたほうが一層きれいだと思った。
自分が中学生の頃に戻れて、自分の後の席に玉城ティナみたいな女生徒がいたら、ドキドキして勉強なんか手につかないだろうな。
ストーリーとしては、はっきり言ってよくわからなかった。また、彼女を含め他の出演者も、絶叫型のセリフが多く、やや引いてしまったシーンが多かった。
演出について不満な点が1つ。中学生から始まり、高校生に移って、また中学生に戻り、最後は高校生で終わる時系列であったが、時系列を戻さなくてもよかったのではないか。特に、高校生になった主人公が佐伯さんと再会して、あれ以来主人公が仲村さんと会っていないという会話があった。そのあと中学生に戻って、八木節の夏祭りでガソリンをかぶって心中(自殺)しようするシーンになる。クライマックスだったのに、自殺は未遂になることが先ほどの会話でわかってしまい、言わばネタバレを教えられたことになってしまったので、ドキドキ感が半減させられた感じだ。
あと、「クソ」という言葉を何十回も聞かされるのは、私のようなおじさんにとっては気分のいいものではない。
今晩は
私は、不惑ですが観たいと思った映画は見ます。(けれど、たまーに女子高校生の集団の中に独り・・、”咳をしても独り”状態になる事がありますが、全然気になりません・・。”観たい映画は映画館で観たい!”と言う子供のようなシンプルな初期衝動は大切にしたいと思っています。)
今作は、ナカナカショッキングな内容で、”惡の華”と銘打つ位だからSMチックだろうなあ、とは思いましたが、現在”自粛”状態の若き男優さんの演技が印象的でしたね。
台詞に関しては、同様の感想を持ちましたが、それも”今作の雰囲気に寄与しているなら・・”と思いました。
だって、パゾリーニの「ソドムの市」に比べれば・・。「ソドムの市」のレビューは、上げていません、というか、書けません。殺されたくないし・・。