「名作のリメイクとしては普通にアリです♪」パピヨン マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
名作のリメイクとしては普通にアリです♪
半世紀近く前の作品で名作と名高い「パピヨン」のリメイクに、「ボヘミアン・ラプソディー」のラミ・マレックが出演していると聞けば、鑑賞意欲も湧き、また都内でも上映映画館が割りと少ないのも心をくすぐられて鑑賞しましたw
で、感想はと言うとまあまあw
決して悪い意味のまあまあではなく、古い作品のリメイクなので、いろんな部分がノスタルジックで古き良き映画作品の良さを残しているのが良い。
が、名作のリメイクともあって、多少なりともハードルは上がるので上がり過ぎるところもあってのまあまあですw(ややこしい)
無実の罪で牢獄され、脱獄の機会を虎視眈々と狙うパピヨンだが、何をするにもこの世は金。
金を持たぬパピヨンは偽金の罪で牢獄されたドガを守る代わりにいざと言う時の資金提供を受ける事で利害が一致するが、パピヨンは過酷な刑務所の中で脱獄を企てるがことごとく失敗。その代償に過酷な独房に心身ともに追いやられるが、ドガと奇妙な友情が芽生えていく…
と言うのが、粗筋ではあるけど、昔に見たオリジナルのパピヨンも確かこんな感じ。(当たり前かw)
今作はこれに男の友情が芽生える所を増やしてますが、これは良いのではないかと。
パピヨン役のチャーリー・ハナムの武骨な感じから義に熱い男の感じが段階を踏んで描かれてるのも良しで、ドガ役のラミ・マレックも気弱な青年だが実直さが良く出てます。
ボヘミアン・ラプソディーのフレディのイメージはどうしても言われるかと思いますが、これが本来のラミ・マレックの素なのではないかと思います。
1回目の脱獄を企てて、2年間の独房は悲惨の一言で、2回目の脱獄でコロンビアにたどり着いたかと思いきや、追手に捕まって、今度は5年の独房生活。
独房生活の後に終生、悪魔島と呼ばれる島での生活を余儀なくされるけど、この悪魔島の方がギアナの刑務所よりも物凄く良く見えるのはツッコミどころw
絶海の孤島ではあるけど、見たところ、看守の縛りも手薄な感じで希望は無くても、最初の刑務所よりかはかなりマシに感じます。タバコも吸えるみたいだしねw
脱獄物の作品に囚人同士の友情はマストな訳で、脱獄作品として好きな「アルカトラズからの脱出」も囚人同士の友情が描かれてますが、あれよりも友情の配分は濃い目。
また、何度も脱獄を試みるパピヨンには観ていて“懲りないヤツだなぁ”と思ったりするんですが、無実の罪で投獄されたパピヨンにしてみれば、“脱獄を企てて何が悪いねん!”と言うのと、脱獄をする事が生きる活力になってるとも解釈してます。
実話を元にしてると言うのもリアリティーを感じさせると思いますが、個人的にパピヨンと呼ばれる由縁の胸の蝶のタトゥーが些か小さいので、“パピヨンと言うニックネームで呼ばれる程、タトゥーが目立ってないなぁ”とも思ったり思わなかったりw
オリジナルと比べたら、見劣りする所もあるのは致し方無し。思い出補正もあると思うし、スティーブ・マックイーンと比べるのも野暮。
と言うか、チャーリー・ハナム頑張ってますよ♪
最初からハードルを上げずに観ると意外な骨太の良作なのは名作のリメイクなので保証付き。
スッゲー面白いと言う訳ではありませんが、過度な期待はせずに気楽に観るとパンチは強いけど、古典的な映画作品の良さを味わえます♪