「チャーリー・ハナムの新境地」パピヨン 吉田武雄さんの映画レビュー(感想・評価)
チャーリー・ハナムの新境地
役者は一定のイメージがつくとそこから脱却するのが難しいが、ハナムもその陥穽に墜ちた一人だと思う。
彼に関してはSFファンタジーご用達の筋肉俳優というイメージが強いのだが、今作ではデビュー当時の繊細な少年性を内に秘めた等身大のヒーローの立ち位置に戻れたと思う。(実際デビューはゲイの美少年役を力演しており、筋肉俳優というくくりだけではもったいないのだ)
脇に回れば主演を食わずしてその大きな瞳で観衆をとらえて離さないラミマレックをドガに置いたのも功をそうしているといえよう。
これのおかげで73年版にも注目が集まっているようでありがたい限りだ。
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