「甘いあんこを甘くするのは......?」パピヨン Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
甘いあんこを甘くするのは......?
上から目線で言うとしたなら、よくできている映画なのかもしれない。前作の恐ろしい刑務所を別の角度で描いているが、最初に違和感があったのは、着ている服装が、罪人も刑務官も全員、真っ新さらなのがあったのだが、エンドロールでその回答があった。
前作の脚本家を知れば、今作がつまらないもので、何故無謀にも同じ内容の物を選んだのか疑問に残り、別のテーマなら間違いなく面白いものとなっているはずなのだが.......。
そして、監督自身がこの主人公の無鉄砲で勇敢な男がどうして、どちらかというと正反対の性格の人物と親友となったのかを描き切ってはいない。特に前作で人の勇気を試される場面がカットされている。それはハンセン氏病の村のシーン。これがなければ、この映画はただのゴミくずでしかない存在となる。パピヨンの人間性が描けないでいる。(塩のシーン。初めて知った。これがなければ人間は生きていけないことを。空気と同じ。)
ドガ役のラミ・マレックの鼻につく演技は、この映画を台無しにしている一つかもしれないし、そして、シナリオをつまらないものにしている要因かもしれない。この映画は、むしろ注目されるパピヨンよりもドガという人物がいなければ成立しない映画でそれを演じきれなければ、おかしなものとなる。今年、御年82歳になるダスティン・ホフマンがハリウッドの名だたる名優の中で名優として生き続けた理由を再確認すことが出来る映画となっている。
アメリカアマゾンではすでに配信されている。amazon.comでもう一度早送りしながら見たが、やはり有名なシーンは、今作では取り上げられていない。話は変わるが、amazon.comでは、手塚治虫の「do-ro-ro(2019)」が12話、配信されている。24話完結の半分だけ現在配信されていて、12話すべて見たが、アメリカの人たちのレビューは、正しいものと言える。(YouTubeで今はみることができる。)
皆さんは知らないことだが、シャリエールは前作の公開直前に亡くなっている。それが今回のラストシーンなのか?
でも前作も完璧でない! そのラストのエピソードは........?
以下は見ないでください。
前作1973年当時、マックイーンと写真を撮っているシャリエール本人ですが、この映画のアドバイザー的な存在だったかもしれません。そのことは、詳しくは忘れました。そして、ドガはパピオンの嘆願書のおかげかわかりませんが、正式に"悪魔島"から出所しています。ただ言いたいのは、アメリカだけのことではないにしろ"赤狩り"というものが存在し、映画作りに関してのことだけを取り上げるにしろ、映画史に残ることをしたディズニーやカザンの人柄がわかるものです。