劇場公開日 2019年3月15日

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「タイトルなし」キャプテン・マーベル kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0タイトルなし

2019年3月31日
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鑑賞方法:映画館

オスカー女優ブリー・ラーソンのキャスティングと、女性監督の起用は、「ワンダーウーマン」の成功に対抗してのことかな、と思いながら観賞。

しかし、ワンダーウーマン=ガル・ガドットのチャーミングさとはは違い、キャロル・ダンヴァース=ラーソンは力強くたくましかった。
ガドットとは趣の異なる凛々しさ。
コスチュームも露出が少なく、明らかにコンセプトは違う。
全身ボディーコンシャスなスーツも、またよい。
ただし、あのマスクはいただけないが。

自身の記憶を巡って悩み苦しむスーパーヒロインは、師匠且つ戦友のジュード・ロウではなく親友とその娘が心の拠り所になっている。
地球でバディを組むのはフューリー=サミュエル・L・ジャクソンだが、彼にもあまり頼らず一人で戦う。
ロウとの関係にはどんでん返しがあるのだが、恋愛感情はないようで、女性主人公だからといって色恋はカケラも見せない。

パイロット時代の親友を危険なミッションに誘う場面では、本人が拒否するのに娘と一緒になって強く勧誘する。
親友として、どうなのかと思った。

ネコのキャラクターは、実は重要な役割なのだが、映画の中では説明がない。
コミックの設定を知らない人は、敵か味方か理解できないだろう。
アメリカ人には説明不要なのかもしれないが。

戦闘機パイロットでありながら、女は実際には戦闘機に乗れないという差別待遇から、実験飛行が少ないチャンスだと言う。
アメリカでもこんなイメージはまだあるんだなぁ。
だからか、ダンヴァースの戦い方には女性らしさは意識させていない。

コミックではマー・ベルと一緒に爆発に巻き込まれたことでハイブリッドになるのだが、映画ではロウの血液を注入されてハイブリッドになったようだ。
それが、「私の血だ」と言って服従させようとするロウとの関係性の基盤になっている。

敵と味方が逆転する物語構成だが、あの緑宇宙人たちは結構無駄死にさせられてる。
特に、キャロルに成りすましてロウに殺される人、可哀想としか言いようがない。

「インフィニティ・ウォー」のラストシーンの意味が、この物語の最後に解る構成は心憎い。

さて、DCは満を持して「スーパーガール」を投入するらしい。
一方のマーベルは「ブラック・ウィドゥ」のソロが控えている。スカヨハから若返りを図るらしいが。
さて、ブームの様相を呈してきた女性スーパーヒーローだが、この荒波でブリー・ラーソンには生き残ってほしい。
本当は、彼女には演技力を活かすドラマに出てほしいのだが。

kazz