「眉を顰めて劇場を後にしました。」キャプテン・マーベル とも。さんの映画レビュー(感想・評価)
眉を顰めて劇場を後にしました。
終えてみれば、OPのスタン・リー氏への謝辞が私にとっての最高潮でした。
スパイダーバース同様、“人が何故立ち上がるのか”に焦点を充てたのは素晴らしいと思います。
困難に対して諦めずに立ち上がる行為、そして立ち上がることができる人こそ、“ヒーロー”と呼ぶに相応しいのだと思います。
本映画では、主人公がフューリーに「ヒーローよ」と自己紹介していましたが……。
DCにおいて、スーパーマンは、育ての父と母に力の制御を学び、産みの父から力の使い方を教えられました。
その過程は、或いは過剰とも言えるほどに暗く、エイリアンとしてのスーパーマンを際立たせていたのかもしれません。
本作品においてのスーパーパワーは、制限なく序盤からぶっ放し捲り。
制御の方法を教えると言う上官の支持にも従わずに使い続けていたので、後半、力を解放する瞬間のカタルシスに欠けました。
また、マーベルが困難に立ち向かっていた描写も少なかった。
マーベルが常に、困難に対して立ち上がる姿勢を見せていたというカットをフラッシュバックのように見せる演出は素晴らしいですが、それ以前の困難が描ききれていません。
結果、マーベルが立ち上がる瞬間も、まあ、貴方の力なら勝てるだろう。という予定調和で、エンドゲームへ向けた盛大な予告編を観せられただけでした。
この作品が評価されるのであれば、それはMCUの連綿と続いてきた歴史があるからこそです。
その土台がなく、本作品単体で評価されていれば、結果は言わずもがなでしょう。
インフィニティ・ウォーの際にも懸念として挙げましたが、過去作品と今後の作品との繋がりが密接であれはあるほど、本作品としての魅力である部分は搾り滓程度にしか残り得ません。
MCUを手放しで誉めそやすのであれば、それは間違っていると思います。
MCUが好きだからこそ、どんな作品でも正当に評価するのが本当のファンだと思っています。
よって、この作品への私の評価は星1です。