「女性ヒーローとして」キャプテン・マーベル とあさんの映画レビュー(感想・評価)
女性ヒーローとして
この作品では、女性ヒーローとは何なのかをしっかり描いていました。
とても良かった。
記憶の中に散りばめられた過去が次々と明らかになっていくのは見ていて気持ちがいいし、彼女自信がその記憶に混乱し、葛藤し、だけれども真実に自ら近付いていく勇気に賞賛を送りたいです。
味方だと思っていた人物が敵で、
敵だと思っていた人物が味方で、
そんな混乱する状態で主人公のキャロルは信念だけは曲げずに持っていた。
小さい頃からのシーンで、「でしゃばるな」と言われた時に「私が男だったら?」と言い返したシーンが忘れられない。
女は必要とされない時代に立ち向かい、そんな中強力な力を得てしまい、記憶を失っても彼女は彼女だった。
どんな状況でも立ち上がり立ち向かう、という信念を持っていた。
この作品は女性ヒーロー像を180度変えてくれたと思う。
女性ヒーローは常に美しくなくていい。
女性ヒーローだって怒っていい。
感情を隠さなくていい。
無理に笑わなくていい。
セクシーじゃなくていい。
男に振り回されなくていい。
女性ヒーローにとって恋は必須じゃない。
そんな当たり前だけど忘れられていたことをしっかり表現していました。
同じ女性ヒーローとして、ワンダーウーマンが有名ですが間逆の存在だと思う。
ワンダーウーマンは凛としていて、憧れの存在。
キャプテンマーベルはどこか泥臭くて、常に隣で笑ってくれる友人。
その親しみやすさこそキャプテンマーベルの強みだと思った。
内容も良く、ニックがどうしてアベンジャーズを結成しようと思ったのか。
どうして地球を外部から守ろうとしていたのか。
全てがハッキリと分かり心の底から納得できた。
そしてニックがどうしてコールソンを傍に置いていたのかも。
映像も相変わらず綺麗で、音楽も良かった。
猫のグースも可愛かった。
味方と敵がごちゃ混ぜになるのも観客を上手くミスリードしている証拠だし、そのストーリー構成に拍手。
MCUに共通して言えることだけれども、中だるみしないように上手く作られている。
とてもとても面白かった。
そして最後に。
スタンリー、ありがとうございます。
ぶっちゃけオープニングのせいで開始前から大泣きしてしまって冒頭のシーンが吹き飛びました。
スタンリーのためにあの映像を作った制作陣にも賞賛を送りたい。
知らない人が見たら「誰?」となるオープニングで、あれだけスタンリーを出すその勇気、素晴らしい。
スタンリーがいなければ、スパイダーマンもアイアンマンも生まれていなかった。
感謝しかありません。
この作品でさらにエンドゲームへの期待が高まりました。
楽しみです。